パク・テディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テディ・パクから転送)
パク・テディ
Teddy Park
出生名 Park Hong-jun
生誕 (1978-09-14) 1978年9月14日(45歳)
大韓民国の旗 大韓民国 ソウル特別市
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク
学歴 Diamond Bar High School
ジャンル ヒップ・ホップ
K-POP
R & B
職業 ラッパー音楽プロデューサーソングライター
担当楽器 ボーカル
活動期間 1998年 -
レーベル YG, THE BLACK LABEL
共同作業者 1TYMソンミYGファミリーマスター・ウー
公式サイト 1TYM's Website
パク・テディ
各種表記
ハングル 박홍준
漢字
RR式 Bak Hong-jun
MR式 Pak Hong-chun
テンプレートを表示

パク・テディ(英:Teddy Park、韓:박홍준、1978年9月14日 - )は[1]、『TEDDY』の名前で知られる、韓国系アメリカ人ラッパーソングライター音楽プロデューサー韓国ソウルで生まれ、幼いころ家族でアメリカへ引っ越した。17歳のとき友人のテビン英語版と韓国へ行き、韓国の芸能事務所であるYGエンターテインメントのオーディションを受けた。2人はオーディションに合格し、アメリカの高校を卒業後韓国へと渡った。

1998年に友人のDANNY(テビン)、ジンファン、ベッキョンとともに、KPOPグループの1TYMとしてデビュー[2]。1TYMはテディを主なソングライターおよびプロデューサーとして、5つのアルバムをリリースした。1TYMとしてのキャリアが終了した2005年、テディはYGエンターテインメントの社内プロデューサーに就任した。ソングライターとしては、2NE1のディスコグラフィの大部分、またBIGBANGでも多くのシングルを手掛け、SE7ENの『PASSION』、オム・ジョンファの『D.I.S.C.O』などのプロデュースも行った[3]

2016年からは、ガールズグループBLACKPINKの主要なプロデューサーとして活動している。実際、今日は歌手よりYG有名プロデューサーの一人でより有名だ。

来歴[編集]

1978年 - 1998年:生い立ち[編集]

1978年に韓国のソウルで生まれ、幼いころアメリカのニューヨークへと引っ越した[4]。その後カリフォルニア州ダイヤモンド・バーに引っ越し、ダイヤモンド・バー高校で将来のグループメンバーであるテビンと出会う[4]。2人はカラオケで歌を歌ったり独自にレコーディングなどを行い、YGエンターテインメントの創設者であるヤン・ヒョンソクと働いていたプロデューサーに見い出される[5]。オーディションとデモテープの制作後、2人は当時まだアンダーグラウンドレーベルだったYGエンターテインメントと契約し、韓国へと渡った[6]。その後韓国の大学に入学したが、キャリアに集中するために中退した[4]

1998年 - 2005年:1TYM[編集]

1998年、DANNY(テビン)、ジンファン、ベッキョンと共に、アルバム『One Time for Your Mind』で1TYMとしてデビュー。このアルバムは韓国の今年のベストセラーアルバムの1つとなり、数々の賞を受賞した[4][7]。2000年にはセカンドアルバム『2nd RoUnd』を、2003年には3枚目のアルバム『「Third Time Fo Yo」Mind!』をリリースした。この頃にテディは曲作りを始め、プロデュースにおいてより重要な役を任されるようになる。同年に4枚目のアルバム『Once N 4 All』をリリースし、レゲエ音楽に影響されたアップテンポな曲『Hot (韓:뜨거)』とR & Bのバラード曲『Without You』の2曲を生み出した[4]。その後1TYMは2年の休止期間を経て、2005年にアルバム『One Way』で再結成。しかしこの年の12月、ジンファンの兵役により活動休止状態となる[4][6]。1TYMは2014年までに780,000枚のアルバム売り上げを記録している[6]

1TYMは主にヒップ・ホップグループだったが、レゲエとR & Bにも影響されていた。1TYMと、同じくYGエンターテインメント所属のデュオグループであるジヌションは、ヒップ・ホップとYGエンターテインメントをK POPのメインストリームにもたらしたとして評価されている[4]。22歳のとき、テディはYGエンターテインメントのプロデューサーに就任した。他のほとんどのプロデューサーは、テディよりずっと年上で経験が豊富であった[8]

2006年 - 2016年:YGエンターテインメントのプロデューサーとして[編集]

1TYMでの活動休止以降、YGエンターテインメント所属のアーティストのプロデュースを任されるようになり、最初の大きな仕事はSE7ENのシングル『La La La』のプロデュースであった[9]BIGBANGの曲も多く手掛け[2]、『FANTASTIC BABY』『BANG BANG BANG』などの多くのヒットソングの作曲、プロデュースを担当した。2008年にBIGBANGのメンバーであるテヤンがソロデビューをした際には、デビューコンパクト盤の『Hot』のプロデュースを担当した[2]。2009年、BIGBANGと2NE1のコラボレーションのため『LOLLIPOP』の作曲を担当した。この曲は4月にガオンチャートで1位を獲得した[10]

2009年に2NE1のデビューコンパクト盤である『2NE1』、2010年にデビューアルバムである『To Anyone』を手掛けた。また、アルバム『To Anyone』の3つのメインシングルのうち『Go Away』『Ca n't Nobody』の2曲の作曲も担当した[9]。2009年、2NE1のシングル『I Don't Care』がアメリカの歌手ライオネル・リッチーの『Just Go』の盗作であると非難された[11]。同年アメリカのアーティストであるレディー・ガガからコラボレーションを依頼された際、2NE1のプロデュースを続けるために拒否した。2010年には再びSE7ENとコラボレーションし、プロモーションシングル『Better Together』の作曲、アルバム『Digital Bounce』のプロデュースを手掛けた[4]。同年テヤンのシングル『Where U At』『Wedding Dress』の作曲を担当し、デビューアルバムである『Solar』のプロデュースを手掛けた[4]。また、G-DRAGONの曲『The Leaders』で、歌手としてフィーチャリングされた。この年の年末には、BIGBANGのメンバーであるG-DRAGONT.O.Pのコラボレーションアルバム『GD&TOP』をプロデュースし、自身の作曲したシングル『High High』がガオンチャートで1位、『Oh Yeah』が2位を獲得した[12]

2013年上半期には、イ・ハイのヒットシングル『Rose』、2NE1のCLのソロデビューシングル『The Baddest Female』、カン・スンユンのYGデビューシングル『Wild&Young』をプロデュースした。2016年にはBLACKPINKの主要なプロデューサーに就任し、アルバム『SQUARE ONE』と『SQUARE TWO』の作曲とプロデュースを担当し、『SQUARE ONE』に収録された『WHISTLE』と『BOOMBAYAH』が大ヒットを記録した[13]

2016年 - 現在:独立レーベル代表、およびYGエンターテインメントのブレーンとして[編集]

2016年5月、BLACKPINKのプロデュースと並行して、YGエンターテインメントの近隣にThe Black Labelを設立。同レーベルは、YGエンターテインメントの関連でありながらも異なる概念を持つ会社とされている[14]ザイオン Tソミなどのアーティストが所属。

2017年、BLACKPINKの楽曲『AS IF IT'S YOUR LAST』を作曲した。同年、Makeusエンターテインメント所属のソンミに『Gashina』の楽曲提供を行い、これが自身初のYGエンターテインメントおよびThe Black Label以外のアーティストへの楽曲提供になった。2018年1月にもソンミに『Heroin』の楽曲提供を行ったが、これはイギリスの歌手シェリル・コールファイト・フォー・ディス・ラヴの盗作だと非難された[11]。2017年にはリアリティオーディション番組MIX NINEのテーマソングである『Just Dance』のプロデュースを行った[15]。BLACKPINKの楽曲では、2018年に『DDU-DU DDU-DU』2019年に『Kill This Love』を作曲し、どちらも大ヒットを記録した[16]

2020年、BLACKPINKとレディー・ガガのコラボ曲「Sour Candy」において、本名名義(Hong Jun Park)で作詞作曲に参加。

音楽性[編集]

テディの音楽スタイルは、特にテヤンとSE7ENの楽曲を手掛けるとき、コンテンポラリー・R&Bに影響されることがある[4]。また、自身の音楽性にレゲエの影響があることを認めており、中でも2NE1のデビューコンパクト盤である『2NE1』にはレゲエに影響された楽曲が多くあると公言している[17]。自身が作曲したアルバム『2NE1』および『To Anyone』は、主にハウス・ミュージックポップ・ミュージックダンス・ミュージックで構成されている[18]。2NE1の『Lonly』という曲では、アコースティックサウンドを称賛された[4]。BIGBANGの曲を制作する際に初めて電子音楽での作曲を試し[4]、2019年現在電子音楽はテディの主要な音楽ジャンルとなっている。

2009年、韓国のエンターテインメント雑誌である10ASIAは、今年最大のヒットソングを多数手掛けたテディを2009年に輝いた上位10名のうちの1人に選んだ[19]。2018年、ソウルスポーツは「K-POPで最も影響力のある人々」をランク付けし、テディは最高のプロデューサーカテゴリで5位にランクインした[20]。同年G-DRAGONと共に、韓国音楽著作権協会のポビュラー音楽の分野において、作詞作曲で最も多くのロイヤルティーを獲得した人物となった[21]。テディは自身の作詞作曲した音楽の著作権使用料で、850,000米ドル(日本円で約9200万円)を稼いだと言われている[22]

私生活[編集]

2014年、テディはソウル弘大にある900万米ドル(日本円で約9億8000万円)相当の建物を購入した。また、2013年に自身が監修したTwosome Studioという名のカフェをオープンした[22]

脚注[編集]

  1. ^ Casting Profile: Teddy”. Brothers Entertainment. Brothers Entertainment. 2010年11月6日閲覧。
  2. ^ a b c Gil, Hye-seong (2009年7月30日). “ko:테디 "아이돌 때보다 프로듀서인 지금이 더 행복"(인터뷰)” [Teddy, "Idol producer, now more than happy" (Interview)] (Korean). Star News. MoneyToday. 2010年11月6日閲覧。
  3. ^ Lee, Su-hyeon (2009年5月25日). “'원타임' 테디, 2NE1 위해 레이디가가 작곡 '거절'” ['1TYM' Teddy, rejects working with Lady Gaga because of 2NE1] (Korean). Star News. MoneyToday. 2010年11月6日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l “Exploring Hit-Makers: YG’s Teddy Park” (英語). Seoulbeats. (2012年8月2日). http://seoulbeats.com/2012/08/exploring-hit-makers-ygs-teddy-park/ 2018年7月9日閲覧。 
  5. ^ Hong, Tae (2014年8月21日). “Danny from L.A. is more than a one-time deal” (英語). The Korea Times. 2018年7月9日閲覧。
  6. ^ a b c Hong, Tae (2014年8月21日). “Danny from L.A. is more than a one-time deal”. The Korea Times US. 2016年5月12日閲覧。
  7. ^ K-Pop Rewind: 1TYM "1TYM (One Time for Your Mind)"”. KpopStarz (2013年12月6日). 2016年5月12日閲覧。
  8. ^ 1TYM” (Korean). YG Entertainment. YG Entertainment. 2010年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月6日閲覧。
  9. ^ a b Kim Gwan-myeong (2010年10月1日). “September music charts, popular composers respected” (Korean). Star News. MoneyToday. 2010年11月6日閲覧。
  10. ^ Gaon Chart Search: 2NE1” (Korean). Gaon Chart. Korea Music Content Industry Association. 2010年10月30日閲覧。
  11. ^ a b Hong, Dam Young (2018年1月19日). “Star producer Teddy’s plagiarism controversies drag on”. The Korean Herald. http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20180119000830 2018年7月9日閲覧。 
  12. ^ Big Bang duo on TV today”. Korea JoongAng Daily. International Herald Tribune. 2011年1月20日閲覧。
  13. ^ Omega, Jan (2016年10月26日). “Han Ye Seul And Teddy Park Breakup: K-Drama Actress Of ‘Madame Antoine’ And YG Entertainment Producer Call It Quits After 4 Years” (英語). The Inquisitr. https://www.inquisitr.com/3642984/han-ye-seul-and-teddy-park-breakup-k-drama-actress-of-madame-antoine-and-yg-entertainment-producer-call-it-quits-after-4-years/ 2018年7月9日閲覧。 
  14. ^ “YGのプロデューサー”TEDDY、独立レーベルを設立…オーディションを開催”. Kstyle (2016年5月2日). 2023年1月2日閲覧。
  15. ^ '믹스나인', 오늘(29일) 첫 방송..놓칠 수 없는 관전포인트 4” (Korean). Herald Pop. 2018年1月26日閲覧。
  16. ^ BLACKPINK、“Kill This Love”MVが公開から177日、グループ史上最速で6億再生突破” (Japanese). Tower Records. 2019年11月7日閲覧。
  17. ^ Moon, Hwa-sik (2009年7月1日). “2NE1 첫 미니 타이틀 'I don’t care’ 1일 전격 공개” [2NE1 first mini album titled 'I Don't Care', public blitz] (Korean). Star News. MoneyToday. 2010年11月6日閲覧。
  18. ^ Park, Yeong-ung (2010年9月10日). “'컴백' 2NE1, 댄스 타이틀곡 '고 어웨이' 뮤비 공개” ['Comeback', 2NE1 dance song "Go Away" music video released] (Korean). Star News. MoneyToday. 2010年11月6日閲覧。
  19. ^ top 10 people of 2009, according to 10Asia”. 2018年6月24日閲覧。
  20. ^ Hong, Seung-han (2018年6月22日). “[창간특집 가요설문①'파워피플' 방탄소년단, 최고 프로듀서 방시혁, 최고아이돌 방탄소년단-트와이스”] (朝鮮語). 스포츠서울. http://www.sportsseoul.com/news/read/649835 2018年7月9日閲覧。 
  21. ^ Lee, Eun Jung (2018年2月21日). “지드래곤·테디, 작년 작사·작곡 저작권료 수입 1위” (朝鮮語). Yonhap News. http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2018/02/21/0200000000AKR20180221182000005.HTML?input=1195m 2018年7月9日閲覧。 
  22. ^ a b “Here's How Much Money YG Producer Teddy Makes, For Writing Songs For Idols” (英語). Koreaboo. (2018年1月19日). https://www.koreaboo.com/stories/heres-much-money-yc-producer-teddy-makes-writing-songs-idols/ 2018年6月24日閲覧。