ツマアカスズメバチ

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ツマアカスズメバチ
ツマアカスズメバチ
Vespa velutina
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : スズメバチ上科 Vespoidea
: スズメバチ科 Vespidae
亜科 : スズメバチ亜科 Vespinae
: スズメバチ属 Vespa
: ツマアカスズメバチ V. velutina
学名
Vespa velutina Lepeletier, 1836
シノニム

Vespa auraria Smith, 1852

英名
Asian black hornet
Asian predatory wasp
Yellow-legged hornet

ツマアカスズメバチVespa velutina)は、ハチ目スズメバチ科スズメバチ属に分類される昆虫

分布[編集]

アフガニスタンインドインドネシア中華人民共和国台湾タイパキスタンブータンベトナムマレーシアミャンマーラオス[1]韓国日本対馬北九州)、フランススペインに移入[1]。2012年にはポルトガルベルギードイツに生息圏が達しており、イギリスに到達するのも時間の問題だと考えられている。韓国では2003年釜山で侵入が初確認されて以降、個体数が爆発的に増えている[2]

形態[編集]

成虫の体長は、女王バチが30mm、働きバチが20mm。体色は全体的に黒色で、腹部の先端は赤褐色。

分類[編集]

  • V. v. ardens
  • V. v. celebensis
  • V. v. divergens
  • V. v. flavitarsus
  • V. v. floresiana
  • V. v. karnyi
  • V. v. mediozonalis
  • V. v. nigrithorax - 韓国、日本に移入。
  • V. v. sumbana
  • V. v. timorensis
  • V. v. variana

生態[編集]

ハエミツバチトンボなどを捕食する。最初は茂みや低木の中、地中営巣し、コロニーが大きくなると樹木の上部に巣を移す。大きい巣になると1mを超えるものもある。マンションなどの壁に営巣することもある[3]

人間との関わり[編集]

台湾、マレーシア、インドネシアでは刺傷によって死者が発生している[3]

日本では2013年に対馬で初めて営巣が確認されたが、2012年から定着していたと考えられている[1]。日本では在来種のスズメバチ類との競合・在来種の昆虫などの捕食・養蜂業への影響が懸念されることから、2015年1月9日に特定外来生物に指定(同年3月施行)された[4]。同年に環境省の生態系被害防止外来種リストにおける総合対策外来種のうち、緊急対策外来種に指定されている[4]

近年、世界的にミツバチの大量失踪が問題となっており、その原因はネオニコチノイド系農薬が原因と考えられるケースが多い[5]。一方、対馬におけるミツバチの大量失踪には、農薬ではなくミツバチを好んで襲う本種が関わっている可能性があると指摘されている。2014年には、ツマアカスズメバチを対象にした罠を仕掛けたところ、ミツバチは無事だった[6]。2015年には北九州市でも営巣が確認されたが、北九州市のものは対馬のものとは異なり韓国に生息するハチの特徴に近く、韓国・釜山港との間で貨客船の往来がある山口県・下関港を経由して入ってきた可能性がある[7]。2015年1月9日、環境省は外来生物法にもとづく特定外来生物に指定した[8]

出典[編集]

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  1. ^ a b c 国立環境研究所. “ツマアカスズメバチ”. 侵入生物データベース -外来種/移入種/帰化動植物情報のポータルサイト-. 2014年3月11日閲覧。
  2. ^ 上野高敏. “危険なスズメバチが我が国に侵入”. 九州大学大学院農学研究院生物的防除研究施設. 2014年3月11日閲覧。
  3. ^ a b 上野高敏. “ツマアカスズメバチ”. 九州・沖縄地方のスズメバチ. 九州大学大学院農学研究院生物的防除研究施設. 2014年3月11日閲覧。
  4. ^ a b 特定外来生物等一覧 特定外来生物等一覧(指定日別) 生態系被害防止外来種リスト ツマアカスズメバチ環境省 ・2017年11月29日に利用)
  5. ^ 山本智之 (2014年7月19日). “ミツバチ大量死、原因は害虫用殺虫剤 分析で成分検出”. 朝日新聞. http://www.asahi.com/articles/ASG7L5F6CG7LUJHB00L.html 2014年12月25日閲覧。 [リンク切れ]
  6. ^ 本田克樹 (2014年9月23日). “全国でミツバチが消えた…何が起こったんだ?”. 読売新聞. http://www.yomiuri.co.jp/kodomo/square/baron/20140922-OYT8T50084.html 2014年12月25日閲覧。 [リンク切れ]
  7. ^ 外来スズメバチ本土に、対馬以外で初めて巣を確認” (2015年9月12日). 2016年1月12日閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ “長崎・対馬に侵入のスズメバチ、特定外来種に 中国原産”. 朝日新聞. (2015年1月11日). http://www.asahi.com/articles/ASH195306H19ULBJ00N.html 2015年1月25日閲覧。 [リンク切れ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • "Vespa velutina". National Center for Biotechnology Information (NCBI).(英語)
  • Vespa velutina - Encyclopedia of Life(英語)