ツタウルシ
ツタウルシ | ||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福島県西吾妻山 2014年6月
| ||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Toxicodendron orientale Greene[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ツタウルシ(蔦漆)[5] |
ツタウルシ(蔦漆、学名:Toxicodendron orientale )は、ウルシ科ウルシ属の落葉蔓性木本。雌雄異株。有毒植物[5][6][7]。
特徴[編集]
蔓に気根を出して、他の樹木の幹を這い上がり、日の当たる場所で枝を広げる。若い枝には褐色の毛が密生するが、のちに毛は無くなり、小さい赤褐色の皮目が多数できる。葉は互生し、3出複葉で、葉柄は長さ3-10cmになり、葉柄には褐色の毛が散生する。小葉は卵状楕円形で、先は短くとがり、基部は鋭形から円形、頂小葉は長さ5-15cm、幅3-9cm、小葉柄は10-20mm、側小葉は長さ5-12cm、幅3.5-7cm、小葉柄は2-4mmになる。葉の表面は無毛、裏面の側脈の基部に褐色の毛が生え、葉の縁は全縁となるが、若い個体の場合は、小葉の縁に粗い鋸歯がある[5][6][7]。
花期は5-6月。葉腋から総状花序を出して小さな花が多数つく。萼片は5個で、長さ1-1.5mmになる楕円形で先が丸く色は緑色。花弁は5個あり、長さ2.5-3mmになる長楕円形で、黄緑色になり、雄花、雌花ともに反り返る。雄花には雄蕊が5個あり、雌花には退化した雄蕊5個と雌蕊が1個ある。花柱は先が3裂する。果実は直径5-6mmになる扁球形の核果で、8-9月に黄褐色に熟し、縦に筋があり表面に短毛が散生する。核果の外果皮はのちにはがれ、白いロウ質の中果皮が露出する[5][6][7]。
分布と生育環境[編集]
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の落葉樹林内に生育する[5][6]。高木などの幹に気根を出して巻き付いたりなどして這い上がり、または日の当たりのよい場所の倒木や岩盤、道路法面のコンクリート擁壁などを這いまわる。
海外では、樺太、南千島、朝鮮半島、中国大陸に分布する[5][6]。
有毒成分[編集]
葉に漆成分のラッコールが含まれるため、触れるとひどくかぶれることがある[5]。
下位分類[編集]
和名および学名の記載はYListによる。
- タイワンツタウルシ Toxicodendron orientale Greene subsp. hispidum (Engl.) Yonek. - 中国にまれに産する[7]。
ギャラリー[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本II』、1989年、平凡社
- 茂木透、太田和夫他『樹に咲く花(離弁花2) 山溪ハンディ図鑑4』、2000年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)