チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
チューリップ・フィーバー
肖像画に秘めた愛
Tulip Fever
監督 ジャスティン・チャドウィック
脚本
原作 デボラ・モガー
『チューリップ熱』
製作 アリソン・オーウェン英語版
製作総指揮
出演者
音楽 ダニー・エルフマン
撮影 アイジル・ブリルド英語版
編集 リック・ラッセル
製作会社
配給 アメリカ合衆国の旗 Worldview Entertainment
日本の旗 ファントム・フィルム
公開 2017年8月13日 (Soho House)
アメリカ合衆国の旗 2017年9月1日
日本の旗 2018年10月6日
上映時間 107分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 $25,000,000[2]
興行収入 世界の旗 $8,400,000[1]
日本の旗 4000万円[3]
テンプレートを表示

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』(チューリップ・フィーバー しょうぞうがにひめたあい、原題:Tulip Fever)は、2017年アメリカ合衆国イギリス合作の歴史・恋愛映画。17世紀チューリップ・バブル時代のアムステルダムを舞台に、既婚女性と恋に落ちる画家の物語を描く。監督はジャスティン・チャドウィック、脚本はデボラ・モガー英語版トム・ストッパードで、モガーの小説『チューリップ熱』(原題:Tulip Fever)を脚色している。モガーはフェルメールの絵画から着想を得ており、絵画の世界を小説にしようと執筆した。アリシア・ヴィキャンデルデイン・デハーンジャック・オコンネルザック・ガリフィアナキスジュディ・デンチクリストフ・ヴァルツホリデイ・グレインジャーマシュー・モリソンカーラ・デルヴィーニュらが出演。

2017年9月1日ワインスタイン・カンパニーからアメリカ合衆国で公開されたが、撮影は2014年の夏から始まっており、公開まで何度も延期された。2,500万ドルの予算に対し、世界での興行収入は800万ドルとなっている。

ストーリー[編集]

17世紀オランダチューリップ・バブル時代。貧乏画家のヤン(デイン・デハーン)は、若い女性ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)とその夫コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)の肖像画を依頼される。ソフィアは元々孤児で、豪商のコルネリスの許嫁となったが、年配の夫との優雅な生活を楽しめず、子供が出来ないことにも悩んでいた[4]。肖像画を描くうちにヤンとソフィアは秘密の恋に落ち、未来を一緒に築こうと、リスキーなチューリップ市場への投資を始める。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替[5]

製作[編集]

本作はもともと4,800万ドルの予算で2004年に企画されたもので、当時はジュード・ロウキーラ・ナイトレイジム・ブロードベントが出演、ジョン・マッデンが監督、スティーヴン・スピルバーグドリームワークスが製作を務める予定だった。しかし、イギリスの税制変更が映画製作に影響を与え、撮影開始のスケジュール変更が発生し、それ以降製作が休止していた[6][7]

2013年7月8日デイリー・メール紙のBaz Bamigboyeは、ジャスティン・チャドウィックが監督で、アリシア・ヴィキャンデルがソフィア役に挙がり、マティアス・スーナールツが男性役に挙がっていることを報じた。同氏はさらに、チャドウィックとプロデューサーのアリソン・オーウェン英語版ハーヴェイ・ワインスタインがヴィキャンデルのキャスティングを決定したことも報じた[8][9]

2014年、アリソン・オーウェンはワインスタインと提携し、パラマウント映画から映画の権利を取得すると、製作を再開した[10][11]2013年10月、デイン・デハーンが出演交渉を受けた[12][13]。2014年2月、クリストフ・ヴァルツがキャストに参加した[14]。2014年4月、ホリデイ・グレインジャーカーラ・デルヴィーニュジャック・オコンネルが参加し[15][16][17]、2014年6月、ジュディ・デンチ聖ウルスラの修道院長としてキャスティングされ[18]、同月トム・ホランダークレシダ・ボナス英語版デヴィッド・ヘアウッドが加わった[19][20][21]。2014年8月、マシュー・モリソンが参加した[22]。原作小説の著者デボラ・モガー英語版も映画に携わった[11]。ハーヴェイ・ワインスタインはマテウス役にハリー・スタイルズワン・ダイレクション)に依頼したが、スケジュールの都合で参加できず、マシュー・モリソンがその役となった[22][23]

本作のスタッフには撮影監督にアイジル・ブリルド英語版、プロダクションデザイナーにサイモン・エリオット、衣装デザイナーにマイケル・オコナー、ヘア・メイクアップデザイナーにダニエル・フィリップス、編集にリック・ラッセルがいる[24]トム・ストッパードが脚本に参加している[25]ロンドンを拠点に活動するウェールズの肖像画家のJamie Routleyは、映画に登場する肖像画を描いた[26]ダニー・エルフマンが音楽を担当した[27]

撮影[編集]

撮影は2014年の6月、7月にケント州コバム英語版コバム・ホール英語版ノーリッジ大聖堂英語版[21]ノーフォークホルカム英語版[28]エセックスティルベリー英語版サフォークケントウェル・ホール英語版パインウッド・スタジオで行われた[29]バッキンガムシャー州ハデナム英語版でも撮影が行われた。

公開[編集]

2015年5月、第68回カンヌ国際映画祭でフッテージが公開された[30]。2015年12月、アリシア・ヴィキャンデルクリストフ・ヴァルツをフィーチャーした最初のイメージが公開された[31]。2017年8月13日ロンドンSoho Houseでプレミア上映された[32]

延期[編集]

当初は2015年11月の公開が予定されていたが、2016年7月15日に延期され[33]、その後さらに2017年2月24日に延期されたのち[34][35]、一旦公開日が白紙となり[36]、後日、2017年8月25日公開と発表された[37]。2017年8月16日の発表でさらに1週間延期となり、9月1日の公開となった[38]

興行成績[編集]

2018年2月5日 (2018-02-05)現在、予算は2,500万ドルだったが、興行収入はアメリカ合衆国カナダで240万ドル、他の地域で590万ドルを売り上げ、合計で830万ドルとなっている[1]

北米では、公開初週末の興行収入は765館で100~200万ドルになると予測され[39]、最終的に120万ドルでのデビューとなった(レイバー・デーを含む週末4日間では150万ドル)[40]。2週目に7館が追加されたが、業績は75.4%減の285,300ドルとなり、史上37番目に大きい下落となった[41]

評価[編集]

映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには59件のレビューがあり、批評家支持率は10%、平均点は10点満点で4.39点となっている。サイトの批評家の見解の要約は「本作は独創性のない会話とやり過ぎなプロットで未完成な、贅沢に作られた時代物」としている[42]。また、Metacriticには、好ましくないというものを全般的に含む21件のレビューがあり、加重平均値は38/100となっている[43]

ローリング・ストーン誌の映画評論家ピーター・トラヴァースは4点満点で1点を与えた[44]

受賞[編集]

カテゴリー ノミネート 結果
2017
Fünf Seen Film Festival 観客賞
ジャスティン・チャドウィック
ノミネート

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ パラマウントは最初に権利を獲得したが、最終的にはスタジオクレジットのみとなった。

出典[編集]

  1. ^ a b c Tulip Fever (2017)”. Box Office Mojo. 2017年11月21日閲覧。
  2. ^ The Long, Strange Trip of Tulip Fever to Theaters”. The Atlantic (2017年8月31日). 2018年4月19日閲覧。
  3. ^ 『キネマ旬報』2019年3月下旬特別号 p.66
  4. ^ チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 (2017) - シネマトゥデイ
  5. ^ チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 ブルーレイ”. 2019年3月2日閲覧。
  6. ^ Judi Dench to star in Tulip Fever movie”. bbc.co.uk (2014年6月6日). 2014年6月6日閲覧。
  7. ^ Why 'Tulip Fever' Took Nearly 20 Years to Reach the Screen (Guest Column)”. The Hollywood Reporter (2017年8月30日). 2017年8月31日閲覧。
  8. ^ Bamigboye, Baz (2013年7月8日). “Go on, Rupert, give Mojo a go! Grint could swap Potter for grisly gangland murder”. Daily Mail. 2016年5月13日閲覧。
  9. ^ Jagernauth, Kevin (2013年7月8日). “Alicia Vikander To Star In Long-Developing 'Tulip Fever,' Matthias Schoenaerts Sought For Role”. indiewire.com. 2014年4月26日閲覧。
  10. ^ In Conversation: Alison Owen (Producer of Saving Mr. Banks, Shaun of the Dead, Tamara Drewe)”. Film Doctor (2014年5月21日). 2014年6月27日閲覧。
  11. ^ a b Walsh, John (2015年7月4日). “‘If only men realised how easy it is to get any woman just by having a natter': Deborah Moggach on her Best Exotic stories”. Daily Mail. http://www.dailymail.co.uk/home/event/article-3147304/Deborah-Moggach-Best-Exotic-stories-men-realised-easy-woman-just-having-natter.html 2015年7月10日閲覧。 
  12. ^ Bambigboye, Biz (2013年10月31日). “Colin Firth and 'sea widow' Kate Winslet hit choppy waters in new film”. Dailymail. 2016年6月2日閲覧。
  13. ^ Jaugernauth, Kevin (2013年10月31日). “Dane DeHaan Feeling 'Tulip Fever,' Melisandre Feels 'Incarnate,' Alan Arkin & Amanda Seyfried Have A 'Wonderful Time' & More”. Indiewire. 2016年6月2日閲覧。
  14. ^ Kemp, Stuart (2014年2月8日). “Christoph Waltz Picks 'Tulip Fever' (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. 2014年4月26日閲覧。
  15. ^ Yamato, Jen (2014年4月24日). “UK Model Cara Delevingne In Talks For ‘Tulip Fever’ & ‘Pan’ Roles”. deadline.com. 2014年4月26日閲覧。
  16. ^ Williams, Owen (2014年2月21日). “Holliday Grainger Has Tulip Fever”. empireonline.com. 2014年4月26日閲覧。
  17. ^ Bamigboye, Baz (2014年3月14日). “Naomie Harris spies new secret service role: Bond star becomes Ms Perkins”. Daily Mail. http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-2580457 2014年4月26日閲覧。 
  18. ^ Judi Dench to star in Tulip Fever movie”. bbc.co.uk (2014年6月6日). 2014年6月11日閲覧。
  19. ^ Milan, Mark Robert (2014年6月11日). “Cressida Bonas Cast In New Weinstein Movie Prince Harry’s ex sets sights on Hollywood”. www.royal-fans.com. 2014年7月10日閲覧。
  20. ^ Anna Kendrick To Voice Lead In 'Trolls'; David Harewood Joins 'Tulip Fever' Cast”. www.deadline.com (2014年6月16日). 2014年7月9日閲覧。
  21. ^ a b Knights, Emma (2014年6月13日). “Filming begins for Tulip Fever at Norwich Cathedral”. eveningnews24.co.uk. 2014年6月14日閲覧。
  22. ^ a b Campbell, Tina (2014年8月20日). “One Direction star Harry Styles could have been in a movie kissing Cara Delevingne, but hey, didn’t have the time”. metro.co.uk. http://metro.co.uk/2014/08/20/one-direction-star-harry-styles-could-have-been-in-a-movie-kissing-cara-delevingne-but-hey-didnt-have-the-time-4839956/ 2014年8月20日閲覧。 
  23. ^ Jaafar, Ali (2016年3月11日). “One Direction Singer Harry Styles Offered Role In Christopher Nolan’s ‘Dunkirk’”. Deadline.com. http://deadline.com/2016/03/harry-styles-christopher-nolan-dunkirk-one-direction-world-war-2-1201718557/ 2017年5月1日閲覧。 
  24. ^ Tulip Fever”. cathedral.org.uk (Norwich Cathedral). 2014年6月20日閲覧。
  25. ^ Williams, Owen (2014年6月6日). “Judi Dench Has Tulip Fever”. empireonline.com. 2014年6月20日閲覧。
  26. ^ Tulip Fever starring Alicia Vikander, Christoph Waltz & Dane DeHaan ... coming soon? (First look)”. chapter1-take1.blogspot.co.uk (2016年1月5日). 2016年3月5日閲覧。
  27. ^ Danny Elfman to score Justin Chadwick's Tulip Fever”. Film Music Reporter (2014年9月27日). 2016年6月2日閲覧。
  28. ^ Filming for Tulip Fever takes place in Holkham as well as Norwich Cathedral”. edp24.co.uk (2014年6月25日). 2014年6月25日閲覧。
  29. ^ Britcher, Chris (2014年4月23日). “Film extras from Kent wanted for Tulip Fever movie”. yourmedway.co.uk. http://www.yourmedway.co.uk/news/film_extras_from_kent_wanted_for_tulip_fever_movie_1_3569546 2014年4月26日閲覧。 
  30. ^ Furness, Hannah (2015年5月15日). “Cannes: Cressida Bonas's screen career blooms with Tulip Fever”. telegraph. https://www.telegraph.co.uk/film/cannes-festival/Cressida-Bonas-makes-film-debut-at-cannes/ 2015年5月20日閲覧。 
  31. ^ Alicia Vikander : The Danish Girl Star Jumps Out of a Plane and Talks Overnight Fame”. Vogue.com (2015年12月14日). 2015年12月14日閲覧。
  32. ^ “Alicia Vikander goes glam in gothic gown as she leaves boyfriend Michael Fassbender at home to attend star-studded screening for Tulip Fever”. The Daily Mail. (2017年8月13日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-4787154/Oscar-winner-Alicia-Vikander-looks-glam-gothic-gown.html 2017年8月16日閲覧。 
  33. ^ McClintock, Pamela (2016年4月26日). “Alicia Vikander's 'Tulip Fever' Gets Summer Release Date”. The Hollywood Reporter. 2016年4月26日閲覧。
  34. ^ Busch, Anita (2016年7月6日). “Alicia Vikander-Starring ‘Tulip Fever’ Moved To 2017 By TWC”. Deadline.com. 2016年7月7日閲覧。
  35. ^ Bramesco, Charles (2016年6月30日). “What to See at the Movies in July”. Rolling Stone. 2016年7月1日閲覧。
  36. ^ Winfrey, Graham (2017年2月13日). “The Weinstein Company’s ‘Tulip Fever’ Release Date Pushed Back to Later in 2017”. Indiewire.com. 2017年2月14日閲覧。
  37. ^ Weinstein Co. Replanting ‘Tulip Fever’ In The Summer”. Deadline.com. 2017年2月22日閲覧。
  38. ^ ‘Tulip Fever’ Release Date Shifts Into September”. Deadline.com (2017年8月16日). 2018年4月19日閲覧。
  39. ^ “Box office: Hitman's Bodyguard to threepeat over tepid Labor Day weekend”. Entertainment Weekly. (2017年8月31日). http://ew.com/movies/2017/08/31/box-office-labor-day-hitmans-bodyguard-tulip-fever/ 
  40. ^ D'Allesandro, Anthony (2017年9月3日). “Labor Day Weekend The Worst Since 1998 As ‘Hitman’s Bodyguard’ Holds No. 1 For 3rd Weekend With $12.9M”. Deadline.com. 2018年4月19日閲覧。
  41. ^ Crazed Clown Cashes Smashes Sept., Genre Records As Stephen King’s ‘It’ Pulls In $123M+ Opening”. Deadline.com. 2017年9月10日閲覧。
  42. ^ Tulip Fever (2017)”. Rotten Tomatoes. Fandango. 2019年9月23日閲覧。
  43. ^ Tulip Fever reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2017年9月17日閲覧。
  44. ^ Travers, Peter (September 1, 2017). “'Tulip Fever' Review: This D.O.A. Period Piece Should've Died on the Vine”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/movies/reviews/peter-travers-tulip-fever-should-have-died-on-the-vine-w500280 2017年9月5日閲覧。. 

外部リンク[編集]