セント・ギガ

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セント・ギガ
基本情報
略称(愛称) St.GIGA
運営(番組供給)事業者 衛星デジタル音楽放送株式会社
放送(配信)開始 1991年3月31日
放送(配信)終了 2003年3月31日
視聴料金 年間7200円
アナログ放送(BS、放送終了)
チャンネル番号 5ch
放送開始 1991年3月31日
放送終了 2003年3月31日
衛星基幹放送(BSデジタル放送)
物理チャンネル 333ch
633ch(番組案内)、636ch(チャンネル案内)
放送開始 2000年12月1日
放送終了 2003年3月31日
特記事項:
2003年4月1日から「クラブコスモ」へ改称。

セント・ギガ(St.GIGA)は、衛星デジタル音楽放送株式会社が開局した、世界初の衛星放送によるデジタルラジオ放送局。1990年11月より試験放送、1991年3月30日、本放送を開始。同年9月1日、有料放送を開始した。

放送内容[編集]

潮の干満月の運行を組み合わせた「タイド・テーブル」を基本とし、独自にサンプリングしたPCMによる高品質な世界各地の自然音と、「Voice」と呼ばれる詩のナレーション、サウンド・デザイナーの選んだデジタル音源の音楽とがミックスされた「音の潮流」を放送した。全時間帯で時報なし・ニュースなし・DJなし・トークなしの番組が絶え間なく送り出される[1]異色の編成[2]でスタート。番組構成を担当していたのは、J-WAVE出身の横井宏・桶谷裕治ら。

ステーションコールカート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』に登場するハーモニウムの発するメッセージから採った「"I'm here." "I'm glad you're there." "We are St. GIGA"」[3]

1993年頃には一般のラジオ局と同様のヒットチャートなどを扱う番組が現れ、終日タイド・テーブルとしていた時間編成はこの時点で崩れることとなった。

衛星データ放送[編集]

1995年4月23日から任天堂と共同で広告収入による無料の衛星データ放送を行っていた時期がある。任天堂のゲーム機スーパーファミコンに専用周辺機器サテラビューを接続し受信端末とするもので、「スーパーファミコンアワー」の名称で放送が開始された。

この際、音楽放送にはデータ放送との連動を目的とした「サウンドリンクゲーム」の時間帯が設けられた。タレントやアイドルを多数起用した情報トーク番組、バラエティ番組を盛り込み、中高生を中心とした聴取者を若干ながら増加させたものの、これらは有料放送の加入者増につながることはなかった。さらにタイド・テーブルを好む従来の聴取者からは反感を買う結果となった。

規模を縮小しながらも放送は継続されたが、衛星デジタル音楽放送の株主である旧経営陣と任天堂間の経営再建をめぐる確執の末、1999年4月には任天堂が撤退したため「セントギガ衛星データ放送」へ名称を変更し、2000年6月30日を以って放送を終了した。

※このデータ放送の影響により、NEC・SONY・Panasonic・富士通ゼネラル製の一部のチューナーに不具合が発生した。メーカーは不具合を申し出たユーザーに対し、個別に対応(部品交換等)した。

資本構成[編集]

企業・団体の名称、個人の肩書は当時のもの。出典:[4][5]

2003年3月31日[編集]

資本金 授権資本 1株 発行済株式総数 株主数
2259万円 12億2590万円 5万円 451.80株 102
株主 株式数 比率
メースペアソンプライベートエクイティリミテッド 80.00株 17.70%
マザーエンタープライズ 53.00株 11.73%
ベネッセコーポレーション 40.00株 08.85%
スクウェア 30.00株 06.64%
マザーアンドチルドレン 22.28株 04.93%
松尾信一 [6] 11.00株 02.43%
スーパーモラル 10.32株 02.28%

1992年3月31日[編集]

資本金 授権資本 1株 発行済株式総数 株主数
21億円 40億円 5万円 42,000株 112
株主 株式数 比率
日本衛星放送 2,000株 4.76%
通信・放送衛星機構 2,000株 4.76%
マザーエンタープライズ 2,000株 4.76%
グランドマザーミュージックビジョン 2,000株 4.76%
ジャグラー 2,000株 4.76%
日本興業銀行 1,020株 2.42%
田辺エージェンシー 1,000株 2.38%
キティグループ 1,000株 2.38%

経営難[編集]

衛星デジタル音楽放送株式会社は開局当初から有料契約者の低迷と脆弱な経営基盤を改善することができず、BSデジタル音声放送参入による設備投資負担に耐えかねる格好で2001年7月に民事再生法申請により事実上倒産。2002年5月に株式会社ワイヤービーの子会社となり、2003年3月31日付をもって吸収合併され消滅した。

2003年4月からはワイヤービー衛星音楽放送事業部門として局名を「クラブコスモ(Club COSMO)」と改め、放送が継続された。しかしわずか半年後の同年10月1日、同部門の営業権および無線局免許は別会社のWorld Independent Networks Japan株式会社(WINJ)に譲渡し、ワイヤービーは事業譲渡の直後に破産した。

WINJへの譲渡内容に含まれていなかった番組と自然音のDATは同社が占有したが、破産管財人によって241本の自然音テープが競売にかけられ、WINJが500万円で落札した[7]

WINJは2006年11月1日、放送機器メンテナンスの名目で放送を休止(この時点で事実上の放送終了)。2007年度中の再開を予定していたが、2007年11月14日、放送法第52条の24第2項に基づく委託放送事業者の認定取消し[8]となり、名実共に放送終了となった。

コールサイン[編集]

アナログ放送のコールサインは以下の通り。

  1. 1991年平成3年) - 1997年平成9年)
    • PCM音声多重放送 JO33-BS-TAM1
    • データ放送(1995年平成7年) - ) JO33-BS-TDM1
  2. 1997年平成9年)以降
    • PCM音声多重放送 JO23-BS-TAM1
    • データ放送 JO23-BS-TDM1( - 2000年平成12年))

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 日本衛星放送(旧・JSB)とBSアナログ放送周波数帯域を共有していた関係上、WOWOWで「Bモード」音声を使用したクラシック音楽などの番組が放送される時間帯は「音の潮流」は休止となっていた
  2. ^ いわゆる番組の境界を設けない「ワンフォーマット」編成は、日本の放送局としてはKBCラジオ1990年度-1992年度に「KBC-INPAX」として事実上の同等の編成を実施)に次ぐものであった
  3. ^ 原典では"Here I'm."と"So glad you're"
  4. ^ 日本民間放送連盟 『日本民間放送年鑑2003』 コーケン出版、2003年11月、253頁。
  5. ^ 日本民間放送連盟 『日本民間放送年鑑'92』 コーケン出版、1992年11月、243頁。
  6. ^ 衛星デジタル音楽放送 代表取締役社長
  7. ^ 同時に予定されていた番組テープ1588本の競売は、権利関係が複雑すぎるという破産管財人の判断で中止となった
  8. ^ 現 第104条に基づく認定基幹放送事業者の認定取消し