サルナシ

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サルナシ
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サルナシ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ツバキ目 Theales
: マタタビ科 Actinidiaceae
: マタタビ属 Actinidia
: サルナシ A. arguta
学名
Actinidia arguta (Siebold et Zucc.) Planch. ex Miq. var. arguta (1867)[1]
シノニム
  • Actinidia tetramera auct. non Maxim. (1890)[2]
和名
サルナシ(猿梨)
シラクチカズラ
シラクチヅル[1]
コクワ[3]
ベビーキウイ
ミニキウイ
英名
Hardy kiwi
Hardy kiwifruit
Kiwi berry
Arctic kiwi
Baby kiwi
Dessert kiwi
Grape kiwi
Northern kiwi
Cocktail kiwi

サルナシ(猿梨、学名: Actinidia arguta)はマタタビ科マタタビ属の雌雄異株または雌雄雑居性のつる植物で、落葉性植物。別名:シラクチカズラシラクチヅル。果実はコクワともよばれる。

分布[編集]

日本列島朝鮮半島中国大陸などの東アジア地域に分布し、日本では北海道本州四国九州に分布する[3]。山地の林内に生える[3]。本州中部以南の温暖地では、概ね標高600メートル (m) 以上の山岳地帯に自生する。日本の本州中部(長野県)では、標高700 mから1400 m程度の筋から斜面上部まで分布する[4]。寒冷な地域においては標高100 mに満たない人里近く、いわゆる里山と呼ばれる領域にも自生する。

特徴[編集]

落葉つる性木本[3]。蔓は、赤茶色で、太くなると黒っぽい茶褐色になり樹皮が剥がれる。蔓が生長すると直径約5センチメートル (cm) 、長さは50 mにも伸びることがある。互生し、6 - 10 cmの広卵形で先が尖り、葉縁に細かい鋸歯があり[3]葉柄は赤茶色で2 - 8 cm。秋に黄葉して、落葉する。

花期は5 - 7月[3]雌雄異株または雌雄同株[3]は白色の5弁花で、直径1 - 1.5 cm、雄蕊は黒紫色をしている[3]果実キウィフルーツを無毛にしてかなり小さくしたような楕円形で、淡緑色の2 - 3 cm程度のものに熟する[3]。果実の味はキウィフルーツに似ている(系統上の近縁種である)。

野生動物の食料として重要な位置にあり、日本ではニホンザルツキノワグマ[5]ヒグマなどが好んで大量に摂食して種子散布に貢献する。クマ類がこればかりを大量に食べた後のの外見はキウィフルーツのジャムに酷似する。このように、ヒトを含む哺乳類味覚の嗜好に適する点、鳥類による種子散布[6]に頼る植物の果実の多くの色が赤色か黒色である点、哺乳類に発達した嗅覚を刺激する芳香を持つ点から、主として哺乳類の果実摂食による種子散布に頼る進化を遂げた植物であると考えられる。

日本での栽培[編集]

元々の生育場所が高冷山間地であるため、山間地域での栽培が容易であると考えられ、過疎対策として栽培される事が多い。

栽培特性の向上や食味改善を目論んで自生株(野生種)からの選抜[7]や近縁種との交配による新品種が作出され、長野県、岐阜県山形県香川県などで栽培されている[4][8]

2017年には、産地である福島県玉川村が中心となって産地9市町村が参加する「第1回さるなしサミット」が開かれた[9]

利用[編集]

熟した果実は甘酸っぱく、果実酒などに使用したり[3]ミニキウイ(あるいは、キウイベリーベビーキウイ[10]デザートキウイカクテルキウイなど)とよばれて生食されたりする。この他、ジュース砂糖漬けなども商品化されている[11]

かずら橋

蔓は非常に丈夫で腐りにくいことから、吊り橋イカダを縛るのに使われた[3]徳島県祖谷の「かずら橋」(吊橋)の材料にも使用されている。また、かつては河川で流送されてきた木材を回収する場所(網場)の網の親綱にも利用されていた[12]

水を吸い上げる能力が高く、蔓の中にも大量の樹液を含み、樹勢の強い時期に太い蔓を切ると大量の樹液が出てくる。山中で飲用水が不足した場合に用いられることもある。

食物アレルギー[編集]

キウィフルーツと同様なアレルギー症状を起こすことがある[10]

脚注[編集]

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Actinidia arguta (Siebold et Zucc.) Planch. ex Miq. var. arguta サルナシ(標準)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Actinidia tetramera auct. non Maxim. サルナシ(シノニム)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 257.
  4. ^ a b 長野県中南部に自生するサルナシ (Actinidia arguta (Sieb.et Zucc.) Planch. Ex Miq.) の果実形態と収量の系統間差異 信州大学農学部AFC報告 7: 11-19 (2009)
  5. ^ 鳥居春己:大井川上流域におけるツキノワグマの食性, 日本林学会誌 Vol.71 (1989) No.10 P417-420, JOI:JST.Journalarchive/jjfs1953/71.417
  6. ^ 北海道におけるエゾライチョウの食性 山階鳥類研究所研究報告 Vol.34 (2002-2003) No.1 P73-79
  7. ^ サルナシの自生系統の諸特性 (PDF) 東北農業研究 (54), 163-164, 2001-12-00
  8. ^ サルナシ (Actinidia arguta Planch) の栽培特性 (PDF) 山梨県森林総合研究所研究報告 26号, p.9-11, 2007年2月
  9. ^ 【食材ノート】「サルナシ 全国産地が結束/加工品開発、認知度向上へ」『日経MJ』2018年4月2日(フード面)。
  10. ^ a b ベビーキウイ(サルナシ)果実の特性 日本家政学会誌 Vol.61 (2010) No.8 p.501-504
  11. ^ サルナシの搾汁と飲料加工 東北農業研究 (56), 265-266, 2003-12-00
  12. ^ 斎藤栄吉「網場」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p11-12 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行

参考文献[編集]

  • 平野隆久監修 永岡書店編 『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、257頁。ISBN 4-522-21557-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]