オヒョウ (植物)

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オヒョウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: イラクサ目 Urticales
: ニレ科 Ulmaceae
: ニレ属 Ulmus
: オヒョウ U. laciniata
学名
Ulmus laciniata
和名
オヒョウ
英名
Manchurian Elm

オヒョウ(於瓢、学名:Ulmus laciniata)はニレ科ニレ属落葉性高木日本列島から東北アジアの山地に分布する。日本北海道に多い。

別名アツシノキ(厚司の木)、ヤジナ(矢科)、ネバリジナ(粘科)。

アイヌ語ではオヒョウの樹皮と繊維をアッ(at)、オヒョウの木をアッニ(atni)と呼ぶ。樺太の方言ではそれぞれアハ(ax)、アハニ(axni)という。また白浦地方では樹皮をオピウ(opiw)とも呼び、「オヒョウ」の名称はこれに由来する[1]。(オピウ opiw→ op-i-u→ iの後ろにuの重母音になるためuが子音化してwとなった。op: 尻のもの→ (ヤリ)の穂先の後ろに付いている木の棒のこと。オプでたいてい槍を指す。i: それ。 u: 両数。こちらとあちら。槍とその持ち手のこと。つまり、獲物に刺さった槍が引っ張られて持って行かれた時のためヒモが付けてあって、持ち手はヒモを送り出したり手繰ったりして獲物を捕らえる。そのためのヒモの材料にオヒョウニレの内皮を使っていたところからの呼び名ではないかと推論される。)

特徴[編集]

高さ約25m。樹皮は縦に浅く裂け、剥がれ落ちる。樹皮の繊維は強靭。は広倒卵型で先端が3(〜9)裂し、縁には重鋸歯が見られる。両面に白い短毛がびっしり生え、ざらついた手触り。4-5月、新葉の出る前に、淡紅色の小が束状に咲く。果実は長さ2cmほどの扁平な楕円形をした翼果で、6月頃、褐色に成熟する。

樹皮(靭皮)の繊維は強靭で、アイヌはこれを染色して、アットゥシ(attus 厚司)という布や衣類を織る(同じ用途のシナノキより高級・希少とされる)[2]。別名のアツシノキはこのことに由来。

樹木は器具材、薪炭材パルプに利用できる。

脚注[編集]

  1. ^ 知里真志保『分類アイヌ語辞典』
  2. ^ 貝澤雪子「アットゥシ 紡ぐ木のぬくみ◇アイヌ民族伝統の樹皮の織物制作し60年◇」日本経済新聞』朝刊2018年12月13日(文化面)2019年2月27日閲覧。