| 量子力学 |

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エヴェレットの多世界解釈(エヴェレットのたせかいかいしゃく、英: many-worlds interpretation; MWI)とは、量子力学の観測問題における解釈の一つである。 プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エヴェレット3世が1957年に提唱した定式を元に、ブライス・デウィット(英語版)によって提唱された。
ブライス・デウィットは、ヒュー・エヴェレットの論文に世界の分岐の概念を付加して、多世界解釈と名付けた[1]。 その後、Heinz-Dieter Zehによって提唱されたデコヒーレンスにより、世界の分岐の理論付けがされた[1]。
清水明は、自分自身がどれかひとつの分枝のみを知覚するとする現代多世界解釈は射影仮説と等価なことを仮定しておりコペンハーゲン解釈を言い換えているだけだとしている[2]。
コリン・ブルースは、多世界解釈は非局所的効果を含まないとしている[1]が、森田邦久は、世界全体が瞬時に別れるならそれは非局所的な効果であるとしている[3]。 和田純夫は、多世界解釈は概念的には確率と無縁になるとしている[1]。
ヒュー・エヴェレットの原論文[編集]
ヒュー・エヴェレットは、量子もつれと一貫した歴史を前提とした、射影仮説のない量子論の新しい定式化を試みた[4][1]。 エヴェレット自身はその論文中[4]でエヴェレットが提唱した理論は決定論的であると述べている。 論文によれば、量子もつれにより相関した多数の分枝を相対状態として波動関数に記述しており、それらの分枝同士はお互いに干渉できないまま常に並存している。 観測者のうちのひとつの分枝の主観では、それと相関した分枝のみが観測可能な世界であって、相関していない他の分枝は観測できない。
清水明は、射影仮説は実験事実と合致しかつ無矛盾な理論体系になるために必須であり[5]、ヒュー・エヴェレットの原論文には射影仮説がないのでユージン・ウィグナーの厳しい批判に遭ったとしている[2]。
多世界解釈の登場するSF[編集]
エヴェレットの多世界解釈の考え方はSFに多用されてきた。1976年SF誌『アナログ』がエヴェレットの理論を取り上げる。ドイチェは1985年平行世界の考えを使って計算する量子コンピュータを提唱した。ただ、量子コンピュータの原理は現在では量子力学の別の解釈でも説明可能でもある。ホーガンのSF『量子宇宙干渉機』もエヴェレットの多世界解釈で量子コンピュータを扱った作品である。
参考文献[編集]
- 別冊日経サイエンス161『不思議な量子をあやつる 量子情報科学への招待』(2008)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]