エレニ・ダニリドゥ

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エレニ・ダニリドゥ
Eleni Daniilidou
エレニ・ダニリドゥ
基本情報
国籍 ギリシャの旗 ギリシャ
出身地 同・クレタ島
生年月日 (1982-09-19) 1982年9月19日(41歳)
身長 182cm
体重 72kg
利き手
バックハンド 片手打ち
ツアー経歴
デビュー年 1996年
引退年 2018年(最終出場年)
ツアー通算 8勝
シングルス 5勝
ダブルス 3勝
生涯通算成績 807勝708敗
シングルス 509勝431敗
ダブルス 298勝277敗
生涯獲得賞金 $2,929,165
4大大会最高成績・シングルス
全豪 4回戦(2003)
全仏 3回戦(2003)
全英 4回戦(2002)
全米 4回戦(2004)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2005)
全仏 ベスト4(2006)
全英 ベスト8(2006)
全米 2回戦(2004・07・11)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全豪 準優勝(2003)
全仏 1回戦(2007)
全英 2回戦(2006)
全米 2回戦(2003)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 14位(2003年5月12日)
ダブルス 21位(2007年1月29日)
2020年3月26日現在

エレニ・ダニリドゥEleni Daniilidou, ギリシア語: Λένα Δανιηλίδου, 1982年9月19日 - )は、ギリシャクレタ島生まれの女子プロテニス選手。2003年全豪オープン混合ダブルスで、トッド・ウッドブリッジオーストラリア)とペアを組んで準優勝した。WTAツアーでシングルス5勝、ダブルス3勝を挙げた。シングルス自己最高ランキングは14位で(2003年5月12日付)、当地の女子テニス選手としては最高位を記録している。身長182cmの長身を生かしたサービス・アンド・ボレーを武器にする選手。右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。

来歴[編集]

女子テニスツアー下部組織の大会での下積み生活を経て、2001年から女子テニスツアーに本格参戦を開始する。同年の全仏オープン4大大会にデビューし、全仏オープンでは予選の3回戦で止まったが、ウィンブルドンで予選3試合を勝ち上がって初の本戦出場を果たし、本戦2回戦で第6シードのアメリ・モレスモに挑戦した。続く全米オープンも予選を勝ち抜き、モニカ・セレシュとの3回戦まで勝ち進んだ。全米オープンの後、ダニリドゥは初めて世界ランキング100位以内に入る。

2002年にダニリドゥは急成長を遂げ、全豪オープンでは(4大大会で)2大会連続の3回戦に進出した。同年6月22日、ウィンブルドンの前哨戦であるオランダスヘルトーヘンボス大会でツアー初優勝を果たす。続くウィンブルドンで、エレニ・ダニリドゥはギリシャ人女子選手として初の4回戦進出を決めたが、第3シードのジェニファー・カプリアティに 1-6, 6-3, 1-6 で惜敗している。

2003年全豪オープンで、ダニリドゥは自身2度目の4回戦でセリーナ・ウィリアムズに 4-6, 1-6 で敗れた。この大会の混合ダブルスで、彼女はオーストラリアトッド・ウッドブリッジとペアを組み、ギリシャの女子選手として最初の4大大会決勝進出者になった。2人は決勝でリーンダー・パエスインド)とマルチナ・ナブラチロワのペアに 4-6, 5-7 で敗れ、ダニリドゥはテニス経歴で最大のチャンスを逃した。

ダニリドゥは2003年2004年の年頭に、ニュージーランドオークランドの大会で2連覇を果たし、これで彼女のツアー優勝は3勝となった。2004年に故国ギリシャで行われたアテネ五輪では、女子シングルス3回戦でアナスタシア・ミスキナ(当年度の全仏オープン優勝者)に敗れた。五輪に続く全米オープンで、ダニリドゥは自身3度目の4大大会4回戦進出を果たすが、日本浅越しのぶに 6-7, 6-4, 3-6 で敗れている。

2005年ウィンブルドン1回戦で、先の全仏オープンに2勝目を挙げたばかりのジュスティーヌ・エナン=アーデンを 7-6, 2-6, 7-5 で破る活躍があり、自身2度目のウィンブルドン3回戦に勝ち進んだ。しかしシーズン後半に入ってから、右手首の故障に悩むようになり、全米オープンでは1回戦でマリア・シャラポワに完敗してしまった。

その後しばらく体調不良の時期が続いたが、2006年夏に4大大会女子ダブルスで好成績を出した。全仏オープンウィンブルドン女子ダブルスで、ダニリドゥはアナベル・メディナ・ガリゲススペイン)とペアを組み、全仏ベスト4・ウィンブルドンベスト8を記録した。それから、10月に韓国ソウル大会の決勝で日本杉山愛を 6-3, 2-6, 7-6 で破り、2年9ヶ月ぶりの女子ツアー4勝目を挙げる。2008年1月にオーストラリア・ホバート大会で優勝し、ダニリドゥの女子ツアーシングルス優勝は5つになった。

2014年以降はランキングが下がり、女子ツアー下部大会でプレーしていた。2018年12月イタリアの下部大会に出場したのを最後に公式戦出場から遠ざかっている。

WTAツアー決勝進出結果[編集]

シングルス: 6回 (5勝1敗)[編集]

大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-0)
ティア II (0–1) プレミア (0–0)
ティア III (1–0) インターナショナル (0–0)
ティア IV & V (4–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2002年6月22日 オランダの旗 スヘルトーヘンボス ロシアの旗 エレーナ・デメンチェワ 3–6, 6–2, 6–3
準優勝 1. 2002年9月14日 ブラジルの旗 バイーア ハード ロシアの旗 アナスタシア・ミスキナ 3–6, 6–0, 2–6
優勝 2. 2003年1月5日 ニュージーランドの旗 オークランド ハード 大韓民国の旗 趙倫貞 6–4, 4–6, 7–6
優勝 3. 2004年1月10日 ニュージーランドの旗 オークランド ハード アメリカ合衆国の旗 アシュリー・ハークルロード 6–3, 6–2
優勝 4. 2006年10月1日 大韓民国の旗 ソウル ハード 日本の旗 杉山愛 6–3, 2–6, 7–6(3)
優勝 5. 2008年1月11日 オーストラリアの旗 ホバート ハード ロシアの旗 ベラ・ズボナレワ 不戦勝

ダブルス: 12回 (3勝9敗)[編集]

結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2003年5月4日 ポーランドの旗 ワルシャワ クレー イタリアの旗 フランチェスカ・スキアボーネ ブルガリアの旗 マグダレナ・マレーバ
南アフリカ共和国の旗 リーゼル・フーバー
6–3, 4–6, 2–6
準優勝 2. 2004年2月22日 ベルギーの旗 アントワープ カーペット (室内) スイスの旗 ミリアム・カサノバ ジンバブエの旗 カーラ・ブラック
ベルギーの旗 エルス・カレンズ
1–6, 2–6
優勝 1. 2004年6月12日 アメリカ合衆国の旗 スタンフォード ハード オーストラリアの旗 ニコル・プラット ルクセンブルクの旗 クローディーヌ・ショール
チェコの旗 イベタ・ベネソバ
6–2, 6–4
準優勝 3. 2005年6月12日 イギリスの旗 バーミンガム アメリカ合衆国の旗 ジェニファー・ラッセル 日本の旗 杉山愛
スロバキアの旗 ダニエラ・ハンチュコバ
2–6, 3–6
準優勝 4. 2006年11月5日 ベルギーの旗 ハッセルト ハード
(室内)
ドイツの旗 ジャスミン・ヴェール アメリカ合衆国の旗 リサ・レイモンド
オーストラリアの旗 サマンサ・ストーサー
2–6, 3–6
準優勝 5. 2007年9月30日 大韓民国の旗 ソウル ハード ドイツの旗 ジャスミン・ヴェール チャイニーズタイペイの旗 荘佳容
チャイニーズタイペイの旗 謝淑薇
2–6, 2–6
準優勝 6. 2008年1月11日 オーストラリアの旗 ホバート ハード ドイツの旗 ジャスミン・ヴェール スペインの旗 ビルヒニア・ルアノ・パスクアル
スペインの旗 アナベル・メディナ・ガリゲス
2–6, 4–6
優勝 2. 2010年8月2日 トルコの旗 イスタンブール ハード ドイツの旗 ジャスミン・ヴェール ロシアの旗 マリア・コンドラチェワ
チェコの旗 ブラディミラ・ウーリロバ
6–4, 1–6, [11–9]
準優勝 7. 2011年4月30日 ポルトガルの旗 エストリル クレー オランダの旗 ミハエラ・クライチェク ロシアの旗 アリサ・クレイバノワ
カザフスタンの旗 ガリナ・ボスコボワ
4–6, 2–6
優勝 3. 2011年9月17日 ウズベキスタンの旗 タシケント ハード ロシアの旗 ビタリア・ディアチェンコ ウクライナの旗 リュドミラ・キチェノク
ウクライナの旗 ナディヤ・キチェノク
6–4, 6–3
準優勝 8. 2013年7月21日 オーストリアの旗 バートガシュタイン クレー ドイツの旗 クリスティナ・バロイス オーストリアの旗 サンドラ・クレメンシッツ
スロベニアの旗 アンドレヤ・クレパーチ
1–6, 4–6
準優勝 9. 2013年7月28日 アゼルバイジャンの旗 バクー ハード セルビアの旗 アレクサンドラ・クルニッチ ウクライナの旗 イリナ・ブリャコク
ジョージア (国)の旗 オクサナ・カラシュニコワ
6–4, 6–7(3), [4–10]

4大大会シングルス成績[編集]

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 通算成績
全豪オープン A 3R 4R 3R 1R 1R 1R 1R LQ LQ LQ 2R 2R LQ 9–9
全仏オープン LQ 2R 3R 1R 1R 1R 1R A A LQ 1R 1R LQ A 3–8
ウィンブルドン 2R 4R 2R 1R 3R 1R 2R A A 1R 2R 1R LQ A 9–10
全米オープン 3R 1R 1R 4R 1R 2R 2R 1R A LQ 1R 1R 1R A 7–11

外部リンク[編集]