イタリアのビール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

イタリアのビールイタリア語: Birra in Italia)では、イタリアで製造されるビールの概要について記す。

ワインと比較した場合、イタリアにおけるビールの歴史と伝統はずっと浅いと言わざるを得ない[1]。これはイギリスドイツベルギーといったヨーロッパでビール醸造の盛んな国々と比較した場合、イタリアはずっと南に位置しており、ブドウの栽培にも適していることからワイン醸造が盛んだという理由もある。

歴史[編集]

ピエモンテ州ノヴァーラ県ポンビアにある紀元前560年の墓の遺跡からはビールの痕跡が発掘された。大プリニウスの『博物誌』にはガリアヒスパニアエジプトといった属州でビール(穀物を水に付けた酒)が呑まれているという記述もあるが、ローマで呑まれているというような記述は無い。このため、ビールは少量醸造されていたが、ワインと比べるとほとんど呑まれていなかったのではないかと推測されている。

15世紀ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァが自身の結婚式でビールを振る舞った記録が残っている。

ビールの消費[編集]

イタリアではビールの消費は若い世代を中心に好まれており、夜になってパブなどで友人たちとおしゃべりしながら呑んだり、ピッツェリアピザを食べながら呑むことが多い[1]。南イタリア、ナポリではタラーリのように塩味のスナックがビールとの相性が良いと好まれている[1]。よく冷えた飲み物を飲む習慣はイタリアには薄く、ビールもそれほど冷やさずに呑まれている[1]

イタリア国内のビールの年間消費量は約30リットル[2]。これはイギリス国内やドイツ国内のビール年間消費量と比べると3分の1程度である[2]

イタリアでは下面発酵ピルスナースタイルが好まれている[3]

ビールの醸造[編集]

イタリア国内のビール業界シェアの1位、2位を競う代表的なイタリア国内のビール醸造メーカー[4]について記す。詳細は各メーカーの記事を参照。

ペローニ
1846年創業。
特にペローニ(ペールラガースタイル)とナストロ・アズーロ(ピルスナースタイル)の銘柄はイタリア国内のほとんどのスーパーマーケットで販売している[1]
モレッティイタリア語版
1859年創業。
社名と同じモレッティ(ピルスナースタイル)の銘柄は、ナストロ・アズーロと共にイタリアの定番ビールである[5][6]

マイクロブリュワリー[編集]

イタリアにおいてもマイクロブルワリー地ビールの隆盛が1990年代半ばから起こっており、2000年代初頭に大きく成長している[2]イタリアビール麦芽業者協会(AssoBirra)の発表に依れば、イタリア国内でのマイクロブルワリーは2014年時点で500を超えていおり、イタリア国内のビール市場の2%を占めるようになっている[2]。2016年にはこういった地ビールの醸造所は1000を超える[7]。短期間の隆盛でありながら、副原料にブドウを使ったり栗を使ったりと、醸造されるビールのバリエーションが豊富なのが特徴であり、他国のブルワリーからも参考とされている[7]

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d e 河村英和 (2014年7月22日). “イタリア伝統の味!国民的ビール会社ビッラ・ペローニ”. allabout. 2017年9月4日閲覧。
  2. ^ a b c d ALICE DUTTO (2014年2月28日). “イタリアで地ビールが急成長中”. wired.jp. 2017年9月4日閲覧。
  3. ^ 世界のビールの特徴”. ビリー・バルーズ・ビア・バー. 2017年9月4日閲覧。
  4. ^ “アサヒ 巨額買収の焦燥”. 週刊東洋経済 (東洋経済新報社) (2016年9月24日号): 91. 
  5. ^ 『るるぶイタリア'15』 JTBパブリッシング2014年、27頁。ISBN 9784533100109
  6. ^ 『ララチッタ ローマ・フィレンツェ(2017年版)』 JTBパブリッシング2016年、27頁。ISBN 9784533116193
  7. ^ a b 安西洋之 (2016年6月5日). “「イタリアにビールってあるの?」 デザイン発達史とまったく同じ (1/3ページ)”. サンケイビズ. 2017年9月5日閲覧。