アルマゲドン・タイム ある日々の肖像
アーマゲドン・タイム(日本語タイトル未定) | |
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Armageddon Time | |
監督 | ジェームズ・グレイ |
脚本 | ジェームズ・グレイ |
製作 |
ジェームズ・グレイ マーク・バタン アンソニー・カタガス ホドリゴ・テイシェイラ アラン・テルピンス |
製作総指揮 |
フェランチェスコ・チヴィータ グスタヴォ・デブス ベト・ガウス ロドリゴ・グティエレス アレックス・ヒューズ Marco Tulio Kehdi リカルド・マダロッソ ロウレンソ・サンターナ ダグ・トレス |
出演者 |
アン・ハサウェイ アンソニー・ホプキンス ジェレミー・ストロング |
音楽 | クリストファー・スペルマン |
撮影 | ダリウス・コンジ |
編集 | スコット・モリス |
製作会社 |
フォーカス・フィーチャーズ RTフィーチャーズ |
配給 | フォーカス・フィーチャーズ |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
『アーマゲドン・タイム』(原題:Armageddon Time)は2022年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画である。監督はジェームズ・グレイ、主演はアン・ハサウェイが務めた。本作はグレイ監督が1980年代初頭に通っていたキーフォレスト校[注 1]での体験を基にした半自伝的映画でもある。
概略
1980年、ニューヨークのクイーンズ地区。11歳のポールはウクライナ系ユダヤ人の一家に生まれ育ち、同地にある公立学校に通っていた。父親のアーヴィングはアメリカン・ドリームを現実のものにすべく日々懸命に働いており、決して悪い父親ではなかったが、短気に過ぎるところがあった。そのせいもあってか、ポールは祖父のアーロンに人生の導き手を見出していた。
ポールは芸術への高い関心を有していたが、その手の生徒の例に漏れず、学校の雰囲気に上手く馴染むことができずにいた。ただ、自分同様に問題児扱いされていた黒人生徒、ジョニーとは打ち解けることができた。ところが、学校のトイレでタバコを吸ったことをきっかけに、2人の友情は崩れ去っていくこととなった。そして、2人の人生の明暗もここからはっきり分かれてしまう。中流家庭に育った白人であるポールは私立学校への転校によって立ち直ることができたが、黒人の貧困家庭に育ったジョニーはそのまま転げ落ちていくしかなかったのである。
キャスト
- エッシャー・グラフ(ポールの母親):アン・ハサウェイ
- アーロン・グラフ(ポールの祖父):アンソニー・ホプキンス
- アーヴィング・グラフ(ポールの父親):ジェレミー・ストロング
- ポール・グラフ[注 2]:バンクス・レペタ
- ジョニー:ジェイリン・ウェッブ
- テッド・グラフ(ポールの兄):ライアン・セル
- トッパー・ローウェル:デイン・ウェスト
- ターケルトーブ先生:アンドリュー・ポーク
- ミッキー・グラフ(ポールの祖母):トヴァ・フェルドシャー
- ドメニク・ランンバルドッツィ
- フレッド・トランプ:ジョン・ディール
- マリアン・トランプ・バリー:ジェシカ・チャステイン
製作
ジェームズ・グレイ監督は『アド・アストラ』の撮影中に本作の構想を練り始めていた。そして、2019年5月16日、正式に企画が始動したと報じられた[2]。2020年5月、ケイト・ブランシェットが本作に出演すると決まった[3]。6月16日、ロバート・デ・ニーロ、オスカー・アイザック、アン・ハサウェイ、ドナルド・サザーランドの起用が発表された[4]。
当初、本作の主要撮影は2021年1月にニューヨークで始まる予定だった[5]。しかし、撮影の開始は同年10月にずれ込み、ロケ地もニュージャージー州に変更された[6]。この間に、ブランシェット、デ・ニーロ、アイザック、サザーランドの4名は降板してしまった[7]。
2021年10月、アンソニー・ホプキンスとジェレミー・ストロングの出演が決まると共に、バンクス・レペタ、ジェイリン・ウェッブ、ライアン・セルという3名の新人俳優が起用されることになった[8]。2022年3月には、ドメニク・ランンバルドッツィのキャスト入りも判明した[9]。5月9日、クリストファー・スペルマンが本作で使用される楽曲を手掛けるとの報道があった[10]。
公開
2022年5月19日、本作は第75回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、観客から約7分間のスタンディングオベーションを受けた[11]。
評価
本作は批評家から高く評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには39件のレビューがあり、批評家支持率は90%、平均点は10点満点で7.0点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ジェームズ・グレイ監督が自らの過去を掘り下げていった結果、『アーマゲドン・タイム』というドラマが作り出された。俳優たちの演技は上々のもので、その郷愁の解放の仕方も新鮮である。」となっている[12]。また、Metacriticには19件のレビューがあり、加重平均値は74/100となっている[13]。
『タイムアウト』のロウ・トーマスは本作に5つ星評価で星4つを与え、「少年の成長譚は映画というジャンルにおいては廃れてしまった。しかし、ジェームズ・グレイはそこに新たな命を吹き込んでくれた」と評している[14]。
脚注
注釈
出典
- ^ “Jessica Chastain Plays Surprise Role as Maryanne Trump, Donald Trump’s Sister, in ‘Armageddon Time’”. Variety (2022年5月19日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ “James Gray Writing, Directing ‘Armageddon Time’ (EXCLUSIVE)”. Variety (2019年5月16日). 2022年6月4日閲覧。
- ^ “Cate Blanchett Joins James Gray, Adam McKay’s Next Films (EXCLUSIVE)”. Variety (2020年5月11日). 2022年6月4日閲覧。
- ^ “Robert De Niro, Oscar Isaac, Donald Sutherland & Anne Hathaway Join Cate Blanchett In James Gray’s ‘Armageddon Time:’ Hot Virtual Cannes Package”. Deadline.com (2020年6月16日). 2022年6月4日閲覧。
- ^ “Focus Features Closes Deal for James Gray’s ‘Armageddon Time’ (Exclusive)”. The Wrap (2020年7月28日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “Film Starring Anne Hathaway, Anthony Hopkins, and Jeremy Strong Seeks NJ Kids Between 12-17 In Bayonne/Jersey City Area”. New Jersey Stage (2021年10月11日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “Anthony Hopkins and Jeremy Strong Join James Gray’s ‘Armageddon Time’ With Anne Hathaway”. The Wrap (2021年10月12日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “Anthony Hopkins and Jeremy Strong Join Anne Hathaway In James Gray’s ‘Armageddon Time’ For Focus”. Deadline.com (2021年10月12日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “‘Tulsa King’: Max Casella, Domenick Lombardozzi, Vincent Piazza & Jay Will Join Sylvester Stallone In Paramount+ Series”. Deadline.com (2022年3月24日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “Christopher Spelman Scoring James Gray’s ‘Armageddon Time’”. Film Music Reporter (2022年5月9日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “Anne Hathaway, James Gray Tear Up During Seven-Minute Emotional Cannes Standing Ovation for ‘Armageddon Time'”. Variety (2022年5月19日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ “Armageddon Time”. Rotten Tomatoes. 2022年6月26日閲覧。
- ^ “Armageddon Time”. Metacritic. 2022年6月26日閲覧。
- ^ “Armageddon Time”. Time Out (2022年5月20日). 2022年6月26日閲覧。