アカルチュレーション

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文化変容の4つの基本的な形式:1-分離、2-統合、3-同化、4-マージナリゼーション

アカルチュレーション英語: acculturation)または文化変容(ぶんかへんよう)は、「異なった文化をもった人びとの集団どうしが互いに持続的な直接的接触をした結果、その一方または両方の集団のもともとの文化型に変化を起こす現象」[1]のこと。

1935年アメリカ合衆国の社会科学調査会議において、メルヴィル・ハースコヴィッツ英語版ラルフ・リントンロバート・レッドフィールドの3人の人類学者によって定義された言葉概念日本語では「文化の接触変化」「文化触変」「文化変容」などと訳される。

アカルチュレーションには、反作用の「コントラアカルチュレーション(contra-acculturaton)」がある。「反文化変容運動」と訳され、「土着運動(nativistic movement)」「千年王国運動(millenarian movement)」などとも呼ぶ。

少数民族の移住現象を文化変容理論で解釈しようとする学者もいるが、この大前提の正確性は確認されていない[2]

アカルチュレーションの例
コントラアカルチュレーションの例

この他、19世紀の市場経済化による欧米の変化を、インド村落共同体の破壊やインディアン居留地など欧米以外の地域におけるアカルチュレーションと同質であるとする指摘もある[3]

関連人物[編集]

関連項目[編集]

出典・参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 定義。『文化人類学入門』 祖父江孝男 中公新書 P194-195)
  2. ^ Bierwiaczonek, Kinga; Kunst, Jonas R. (2021-09). “Revisiting the Integration Hypothesis: Correlational and Longitudinal Meta-Analyses Demonstrate the Limited Role of Acculturation for Cross-Cultural Adaptation” (英語). Psychological Science 32 (9): 1476–1493. doi:10.1177/09567976211006432. ISSN 0956-7976. http://journals.sagepub.com/doi/10.1177/09567976211006432. 
  3. ^ カール・ポランニー『大転換』第2部