親韓

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親韓(しんかん、: Pro-South Korean)とは、大韓民国に好意的な立場を指す。対義語は嫌韓反韓

大韓民国と自国との間に多くの共通の利益や価値観を見出し、自国の国益追求よりも日韓関係の強化に重きを置く立場。

本項では、日本における親韓と考えられることについて述べる。

冷戦時代の右派による親韓[編集]

親米保守派は、韓国も日本と同じ米国側の資本主義西側諸国)の国であることから北朝鮮より韓国を朝鮮半島唯一の国家として支持する親韓のスタンスを取っていた。[1]

岸信介福田赳夫などが大きな存在感をもち、政界に限らず日本の政界と韓国軍事政権とは緊密な関係を保っており、日韓基本条約締結以後は独立祝金や企業による技術移転や多額の政府間経済協力(ODA円借款)も行なわれていた。現在の韓国の主要な産業が海運、造船、自動車、電子、機械、製鉄など金融以外の日本の産業と酷似しているのはそのためである。[2]また、当時の日本の右派陣営は韓国の政権との協調を優先した。例えば金芝河の行った解放運動や学園浸透スパイ団事件金大中拉致事件に対する対応とKCIAによって日本の主権を侵害されたことを抗議だけで済ませて日韓関係維持を優先してほとんど不問としたことなどが挙げられる。


対して、当時の日本の左派陣営は韓国には否定的で北朝鮮に好意的だった(拉致問題以後の現在でも北朝鮮に好意的な左派は存在する)。左派は「韓国を支配しているのは朴正煕の軍事独裁政権であり、日本や米国の支配層と癒着して民衆を抑圧している」と主張した。

韓国民主化以後の左派による親韓[編集]

韓国が民主化されると日本の左派陣営は韓国も好意的になった。さらに拉致問題以後の北朝鮮に好意的だと示すことによって、以後も親北より圧倒的に多い支持層の中道左派の反発を恐れて好意的に表だって出来くなった分、一部の拉致被害者帰還以後は韓国に特に心を置いている。下記のように共産党社民党民進党は党として親韓の言動をする。公明党2009年から2012年までのように自民党が野党になって連立として協議や配慮をしなくてよくなると態度が変わって他の左派政党と今度は協調して同じ言動を下記のように積極的にし始める。[3]

  • 1992年8月にソウルYMCA会館で開かれた『アジア連帯会議』は、松井やより福島瑞穂が仕切っていた。元慰安婦の女性たちは会議の席上、事前に日本人と韓国人のスタッフから指導された通りに、自身の悲劇的な体験と語り、日本政府を非難した。台湾人の元慰安婦が日本兵に優しくしてもらったことを話し出すと、松井や福島が慌てて発言を遮ろうとしたという。タイ人の女性が「日本の軍隊ばかり叩くな!」、「イギリス兵はもっと悪いことをした」と異論を述べた際も、松井や福島が抑え込んだ。[7]


  • 2002年7月18日、参議院内閣委員会で民主党・共産党社民党3党で共同提出された「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」について、岡崎トミ子議員は提案者を代表して趣旨説明を行った[8]。また、23日の審議には、慰安婦に名乗りを挙げている宋神道の書いた手紙をそのまま読み上げ、日本政府を糾弾した[9]
  • 2003年2月に岡崎トミ子議員は韓国への海外視察の際、元慰安婦と称する関係者が毎週水曜日に個人補償を求めて行う抗議行動(通称水曜デモ)に国会議員の立場として参加し、日本の国旗にバツ印がついたプラカードの前で、こぶしを突き上げながら、在大韓民国日本国大使館にて行われている反日デモを応援した。これについて、2010年10月14日に参議院予算委員会において西田昌司から「(岡崎の活動は)日本人の血税を使って日本(の慰安婦)でなく外国人のみお金を渡そうとする行動」「自国の利益を排して外国のために働く。これは売国という。辞書でもそう書いてある。」「国会議員としての資格はない。直ちに辞めるべき。」と批判された[10]
  • 2004年12月3日岡崎トミ子民主党副代表と神本美恵子は「被害者とともに『戦時性的強制被害者問題解決促進法案』の早期成立を求める集い」に参加[12]

集会後は、浅野勝人副大臣と李容洙を引き合わせて、促進法案の早期成立を求めた[14]

  • 2007年平成19年)8月14日土肥隆一は日韓キリスト教議員連盟の日本側代表として「2007釜山板門店平壌(PPP)十字架大行進」に参加し、「日本人は天皇を現人神とする偶像崇拝の罪を犯し、韓国人にも偶像崇拝を強要しただけでなく、植民地占領地に神社神宮を立て参拝を強要した。過去を振り返り、われわれ日本人が犯した罪を主の名の下に告白し、謝罪する」と日本人への許しを請うが、韓国の金泳鎮農林部長官らは「許しは被害者が加害者に与えられる最高の贈り物。祖先が受けた苦痛の記憶を忘れてはならないが、われわれがキリストの十字架精神をみせるとき、韓国と日本は本当に近い国になれるだろう」と述べるにとどまった[15]
  • 2008年6月10日、神本美恵子議員は戦時性的強制被害者問題解決促進法案を参議院へ提出[16]
  • 2008年8月11日、神本美恵子議員は福岡市カトリック教会で開催されたシンポジウム「アメリカ議会決議1周年を迎えて 『慰安婦』問題の解決へ向けいま私たちができること」に参加し、「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」への賛同を訴えた[17]
  • 2009年11月28日、日韓キリスト教議員連盟の日本側会長として土肥隆一議員は韓国側会長の民主党・金泳鎮議員と共に韓国の国会で記者会見し、「バラク・オバマ米大統領が日本訪問の際、天皇に丁寧なお辞儀をしたのは、日本の右傾化を助長し、韓国及び東アジアの国民に苦痛を与えた行動である」と述べた。更に、「オバマ大統領はこの行為を謝罪し、立場を表明しなければならない」として、日韓両国議員連名でオバマ大統領に公開書簡を送ることを発表した[22]
  • 千葉景子法務大臣は特例による金賢姫元死刑囚の入国許可 した。

日本の入管法5条4号は、日本への上陸拒否事由として「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」を掲げている。1987年昭和62年)の大韓航空機爆破事件の実行犯の一人である金賢姫は、日本の偽造パスポートを使用・行使し、テロを実行・完遂している。そのため、日本の公文書偽造罪旅券法違反に当たる他、韓国において死刑判決を受けており、この上陸拒否事由に該当する。しかも、日本国外に居た為に、刑法の規定により公訴時効は停止したままである。しかし、2010年(平成22年)7月20日、拉致被害者田口八重子に関する情報を、北朝鮮の工作員であった金から聞き出すという名目で、金が来日する際に上陸の可否が問題となった。千葉景子法務大臣は超法規的処置として金の入国を認めた[23]

笠井は「朝鮮王室儀軌」引き渡しに奔走した日本の主役として「今回返還されるものは日本政府が当然返還しなければならない。」朝鮮王室儀軌が持ち出されたのは日本共産党創立の年でもある1922年ということで「帝国主義戦争と植民地支配に反対して結成された共産党が、儀軌返還の主役になろうと決心した。」と語った。さらに笠井議員は「日本と韓国は文化的・経済的に家族のような存在。日本が反省してこそ、新たな関係に発展させることができる」と述べている。[27]

  • 2011年5月13日に「儀軌」を含む朝鮮半島由来の図書1205冊を韓国側に引き渡す (日韓図書協定」が4月28日に衆議院本会議で可決したことで参議院でも可決されれば、6月までに返還されることを受けて、韓国市民団体「朝鮮王朝還収委員会」が東京で返還実現を記念するレセプションを開き日朝協会の渡辺貢会長ら返還のために努力した日韓の功労者に感謝の記念品を贈呈した。

日本の国会議員では、日本共産党からは尽力した副委員長(元参院議員)の緒方靖夫笠井亮、民主党の石毛鍈子、社民党の服部良一の衆院議員らが表彰された。  日本共産党からは、二人以外に井上哲士穀田恵二山下芳生が出席した

  • 2012年10月20日に笠井亮議員は京畿道広州市ナヌムの家李氏朝鮮時代の文化財の返還問題で交流してきた李源(イ・ウォン)ともに訪問した。元慰安婦を称する韓国人6人に対して「6人が生きている間に、日本政府の謝罪と賠償が行われるよう努力する」と表明した。

笠井の訪問はナヌムの家からの招待によるもので日本の全国会議員に招待状を送ったものの実際に訪問したのは笠井が初めてだった。 笠井は「過去の植民地支配への根本的反省と清算が、苦しみと悲しみにこたえる道で日韓関係の諸問題の解決につながる」と語った。 [28]

韓国民主化以後の右派による韓国批判[編集]

日本の保守派議員は冷戦時代は基本的に親韓であったが、韓国の民主化冷戦の終結により日本を貶めて快哉を叫ぶ韓国の国民的運動[31]など反日卑日の韓国の実態が知られると[32]、韓国へ距離を置いたり批判することが目立つようになった。保守系団体や右翼団体では反韓国のスローガン(比較的友好だった時代は棚上げされていた竹島奪還や在日特権廃止など)を掲げる団体も発生した。

在韓30年以上の黒田勝弘産経新聞ソウル駐在客員論説委員による朴槿恵大統領に対する名誉毀損で韓国検察当局が産経新聞前ソウル支局長への起訴について、韓国で軍人政権時代が終わって言論の自由のある民主化以後に日本のメディアが法廷に立たされるのはこれが2件目である。そしてその1件目は金泳三政権の1993年にフジテレビ・ソウル支局長が逮捕、起訴されているが、いずれも本来は保守親韓的だった フジサンケイグループが韓国の法的処罰の対象にされるというのは皮肉であるとしている。[33]

しかし、2014年の日韓関係の時でさえセヌリ党、統一教会及びその関連団体の国際勝共連合世界平和女性連合など、韓国の政治家や宗教団体との関係が深い保守系議員も少ないが存在している(野田毅河村建夫谷川弥一ら)。特異な例として次世代の党田沼隆志は、歴史問題等での反韓国のスタンスの一方、統一教会主催のイベント「グローバル・ユース・フェスティバル2014」に来賓として参加し挨拶を行うなど統一教会への友好的な態度を示している[34]

脚注[編集]

  1. ^ http://www.huffingtonpost.jp/foresight/park-geun-hye_b_5968892.html
  2. ^ http://toyokeizai.net/articles/-/9665
  3. ^ http://www.liveinpeace925.com/sex_slavery/innai_shukai091028.htm
  4. ^ 1992年1月11日付朝日新聞
  5. ^ 【阿比留瑠比の極言御免】慰安婦問題の発火点、日本人弁護士の画策(1/3ページ)”. 産経新聞 (2013年11月15日). 2013年11月15日閲覧。
  6. ^ 【阿比留瑠比の極言御免】慰安婦問題の発火点、日本人弁護士の画策(3/3ページ)”. 産経新聞 (2013年11月15日). 2013年11月15日閲覧。
  7. ^ 週刊新潮 2014・7・3号
  8. ^ 民主党:【参院内閣委】岡崎議員、戦時性的強制被害者問題法案の趣旨を説明[1]
  9. ^ 民主党:【参院内閣委】戦時性的強制被害者問題法案、審議入り [2]
  10. ^ 2010年10月14日 参議院予算委員会
  11. ^ 神本みえ子 公式サイト "人権教育と慰安婦問題で政府の姿勢を質す" [2004年3月18日][3]
  12. ^ 民主党:岡崎副代表、戦時性的強制被害者問題解決促進法案早期成立へ決意 [4]
  13. ^ 神本みえ子 公式サイト "官房長官、「心より反省し、お詫び申し上げる」 [2004年12月3日]" [5]
  14. ^ 朝鮮新報 国会議員、市民団体ら 参院議員会館で集会 「慰安婦」解決促進法、早期制定を [6]
  15. ^ 日本の土肥隆一議員ら、過去史に対する謝罪文発表”. 聯合ニュース (2007年8月14日). 2010年9月14日閲覧。
  16. ^ 神本みえ子 公式サイト [7]
  17. ^ [8]
  18. ^ 日本共産党は外国人の国政への参政権を認めていないが、地方参政権に関しては最高裁判例に従い認めている
  19. ^ しんぶん赤旗 民団の新年会に志位委員長が出席
  20. ^ 永住外国人に地方参政権求め集会 在日本大韓民国民団東京本部
  21. ^ フォーラム平和・人権・環境『永住外国人の地方参政権法案の早期立法化を求める緊急院内集会』[9]
  22. ^ “キムヨンジン議員、日本の国会議員・土肥隆一議員と共同で、オバマ大統領に謝罪を要求”. 東亜日報. (2009年11月29日). http://news.donga.com/3/all/20091129/24453043/1 2011年3月12日閲覧。 
  23. ^ “金賢姫元死刑囚:入国、政治判断でクリア 「特例」で”. 毎日新聞. (2010年7月20日). オリジナル2010年7月21日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20100721103055/http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100720k0000e040045000c.html?link_id=RAH03 2010年7月24日閲覧。 
  24. ^ 「韓国・朝鮮の遺族とともに」全国連絡会遺族招へい行動・第3回証言集会|集会等の報告|フォーラム平和・人権・環境 [10]
  25. ^ 韓国新聞・政治-韓日国会議員、東京でサハリン残留韓国人問題を論議/wowkorea.jp[11]
  26. ^ 強制徴用被害者への補償、韓日官民の共同解決を推進(聯合ニュース)[12]
  27. ^ 「朝鮮王室儀軌」引き渡しに奔走した韓日の主役たち(下) 朝鮮日報 2011年4月29日
  28. ^ 「謝罪聞くまで死ねない」笠井議員に「慰安婦」女性、涙の訴え「ナヌムの家」訪問(しんぶん赤旗 2012年10月20日)
  29. ^ 聯合ニュース日本語電子版「韓国女性家族部長官が日本議員と面談=慰安婦問題で」
  30. ^ 女性家族部長官、日本政府に日本軍慰安婦被害者問題解決要求
  31. ^ これが「卑日」だったのか――世界遺産妨害の次は天皇提訴”. 日経ビジネスオンライン (2015年7月23日). 2015年7月25日閲覧。
  32. ^ 「目下の日本」からドルは借りない 韓国は「反日」から「卑日」国家へ”. 日経ビジネスオンライン (2015年2月15日). 2015年7月25日閲覧。
  33. ^ http://www.huffingtonpost.jp/foresight/park-geun-hye_b_5968892.html
  34. ^ 統一教会が幕張で大集会、自民・次世代の現職国会議員も出席やや日刊カルト新聞、2014年9月

関連項目[編集]