いつでも夢を (映画)

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いつでも夢を
監督 野村孝
脚本 下飯坂菊馬
田坂啓
吉田憲二
出演者 橋幸夫
吉永小百合
浜田光夫
松原智恵子
音楽 吉田正
主題歌 橋幸夫・吉永小百合
いつでも夢を
撮影 横山実
編集 鈴木晄
製作会社 日活日活調布撮影所
配給 日活
公開 日本の旗 1963年1月11日
上映時間 89分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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いつでも夢を』(いつでもゆめを)は、1963年昭和38年)公開の日本映画製作配給日活監督野村孝カラーシネマスコープ(2.35:1)、89分。前年に発売された楽曲『いつでも夢を』がヒットしたことを受けて製作された映画(ヒット曲映画化作品)のひとつで、同曲をデュエットした橋幸夫吉永小百合が主演した。同曲が本作のタイトルバック主題歌として使用されているほか、橋・吉永のヒット曲が作中で多数歌われる。

高度成長下の工場地帯を舞台に、貧しくとも幸せを求めてひたむきに生きる若者たちの恋と友情と青春が描かれる。

ストーリー[編集]

東京下町の町工場「森田機械製作所」では月1回、産業医・三原が厚意で無料健康診断を行っている。共にやって来る三原の養女で看護師見習いのひかるが大人気で、医務室には工員が殺到するのだった。工員の1人・勝利(かつとし)は、ひかると夜間高校の同級生でもあった。新任のトラック運転手・留次(とめじ)が工場への出入りを始め、勝利やひかると仲良くなる。父・長太郎が出奔したために働いて一家の生活を支える勝利は「全日制に負けない学力をつけて、一流会社に就職するのが夢だ」と留次に話す。留次は東北のある村で生まれた8人兄弟の末っ子で、生活のために故郷を出て以来勉学に縁がなく、夢に向かう勝利に秘かに敬意を抱く。

勝利と留次は、ひかるの誕生日会に呼ばれる。その帰途、留次は勝利にひかるに好意を持っていることを明かす。勝利の狼狽ぶりから同じようにひかるへの恋情を見て取った留次は、「これからは、彼女への態度は五分で張り合おうじゃないか」と告げ、友情を保ったまま恋のライバル関係となる。

そんな中、勝利の弟・和平が父・長太郎に偶然再会する。長太郎は家族を蔑ろにして一攫千金狙いの虚業に打ち込んだ末、姿を消していた。長太郎は「まとまった金を稼がなければ、勝利に合わせる顔がない」と話す。そうして和平と別れたきり、再び連絡が取れなくなる。

勝利は好成績が認められ、志望する大手商社・東洋物産の入社試験に臨むが、夜間高校出身の者は「世間ずれしている」という偏見により不採用となる。勝利は落ち込み、工場にも夜間高校にも現れなくなる。心配したひかるが自宅に引きこもる勝利を外に連れ出し、孤児であった自分の生い立ちを語り、「私たちはどんな目に遭っても、いつでも夢を見ていなければならないわ」と力付ける。そこに留次も現れる。「もう高校へは行かない。職工には学問なんかいらないからな」と口走る勝利を留次は殴り飛ばし、「試験に1回落ちたぐらいで甘ったれるんじゃねえ」と叫ぶ。

和平が息せき切って現れ、長太郎が交通事故で重傷を負い入院していることがわかったと告げる。一同は病院に急ぐ。長太郎は集まった一同にこれまでの身勝手な行動を謝罪する。それを聞いた勝利は黙って病院を去ろうとする。呼び止めたひかると留次に、勝利は「工場に行く。今からなら夜勤に間に合うだろう」と告げる。ひかると留次は元気を取り戻した勝利を見て喜ぶ。3人は手を握り合う。

出演者[編集]

  • :澄川透
  • 療養所の医師:小柴隆
  • 工員1:河瀬正敏
  • 事務員:久遠利三
  • 「ひさご亭」の客:三笠鉄郎
  • 流しA:本目雅昭
  • 男生徒1:糸賀靖雄
  • 男生徒2:石崎克巳
  • 女生徒1:武内悦子
  • 「ひさご亭」の女将:谷川玲子
  • 山本戻都子
  • 女生徒3:辻野房子
  • 流しB:織田俊彦
  • 工員3:芹沢辰夫
  • 男生徒3:沢井昭夫
  • :秋山茂
  • :田中滋

スタッフ[編集]

  • 技斗:峰三平
  • スクリプター:秋山みよ(クレジットなし)[1]
  • スチール:目黒祐司(クレジットなし)[2]

音楽[編集]

ロケ地[編集]

ほか

脚注[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]