風雲黙示録
『風雲黙示録』(ふううんもくしろく)は、SNKからネオジオ基板(MVS)で1995年4月25日に発売された対戦型格闘ゲームの名。メインタイトルの後に『格闘創世』というサブタイトルがあり全体では『風雲黙示録 格闘創世』となる。
欧米版のタイトルは『SAVAGE REIGN』だが、その欧米版のタイトル画面でも「SAVAGE REIGN」というロゴの奥に大きな文字(日本版のタイトル画面にあるロゴとはまた違った字体である)で「風雲」とある。
概要
本作は各キャラクターが武器を装備しているいわゆる“武器格闘ゲーム”であるが、「剣道」や「槍術」といった普通の武器を使う武道の使い手は一人もおらず、素手の格闘技を習得した上で武器を用いる独自の格闘スタイル(例えば主人公のハヤテは「空手+ブーメラン」という組み合わせ)を持っている。
システムは『餓狼伝説』シリーズに似た2ラインバトル制。だがその奥側のラインは中央で途切れていたり、通常の足場ではなくパイプ(立つのではなく両腕でぶら下がる)だったり、稼動中のローラーコースターのレール上であったりと多様性がある。また『龍虎の拳』シリーズ、『サムライスピリッツ』シリーズのようなキャラクター同士の間合いに応じた画面の拡大縮小も取り入れている。なお『龍虎の拳』からは脱衣KOという要素も受け継いでいるが、キングやユリといった女性キャラクターの服が破れた『龍虎の拳』とは反対で、服が破れるのは本作では男性キャラクターである。
同じSNKの『餓狼伝説』と『龍虎の拳』の世界に繋がりがある様に、本作もまた他の格闘ゲーム系作品と世界が繋がっており、続編である『風雲スーパータッグバトル』にはキム・カッファンの子孫が登場する。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ストーリー
時代は未来、21世紀前半。世界は20世紀とは全く違う姿になっていた。ジパングシティーにて、謎の男『獅子王』により突如開催を告げられた格闘大会、その名も『獣神武闘会』。その優勝者には富と最強の栄誉が贈られるという。世界各地からそれぞれの思惑を胸に強者達が集まるのだった。
登場キャラクター
通常キャラクター
- ショー・疾風(ショー・ハヤテ)
- 声 - 林健一
- 武器:ブーメラン
- 本作の主人公。父の編み出した実戦空手にブーメランを融合させた新格闘技「風雲拳」の継承者。特に獅子王との因縁は無いが、風雲拳の最強を証明したいという武道家としての動機で獣神武闘会への出場を決めた。
- マックス・イーグル
- 声 - 辰巳邦彦
- 武器:ヘラクレス・アックス
- 人気実力ともに頂点を極めるプロレスラー。獣神武闘会の開催を告げるテレビ中継の獅子王の姿が消息不明の兄に似ている事に気づき、直接会って確かめるために獣神武闘会への出場を決めた。所属団体「SWF」は『ファイヤースープレックス』の舞台になっている団体。
- キャロル・スタンザック
- 声 - 大島榎奈
- 武器:ジムナス・ボール
- 本作の紅一点。親が勝手に承知してしまった獅子王との婚約を破棄すべく、獣神武闘会でその相手本人を倒してしまう事を決めた。合気道の技と新体操のボールを武器にする「ジムナスアーツ」を格闘スタイルにしている。
- ゴードン・ボウマン
- 声 - 東尚徳
- 武器:スタン・トンファー
- ジパングシティーの制服警官。病に冒された娘・カンピーの治療費を獣神武闘会の優勝で得ようとする。見た目に寄らず、今は亡き妻を愛する優しい一面がある。
- 中白虎(チュン・パイフー)
- 声 - 丹波文雄
- 武器:炎の杖
- 無敗のまま引退した格闘家だったが今は世捨て人となっている老人。若い頃に“伝説の狼”と呼ばれた格闘家からもらった帽子をかぶっており、試合中、その帽子が飛ばされると激怒する。武器の杖から不思議な力で火炎弾を発射する。
- ニコラ・ザザ
- 声 - 大島榎奈
- 武器:パワー・フリスビー
- 本作のみ登場する。まだ12歳であるが、自ら開発したプロテクタースーツを着用して戦う、大企業の御曹司でもある天才児。スーツのテストを兼ねて獣神武闘会に出場する。彼とそっくりな双子の兄・パコラがいて、エンディングに姿を見せるなどの出番がある。
- ジョーカー
- 声 - 古久保武志
- 武器:マジック・アイテム
- 盗賊団「マジカル・ヒポポ」のリーダー。元は大道芸人だったので、ピエロのような笑い顔のメイクをして、大道芸の道具で戦う。獅子王のカリスマ性を憎んでおり、目立ちたがりやの彼は獅子王を倒して自ら世間の注目を浴びる事を目指すために獣神武闘界に参戦する。
- 牛頭(ゴズウ)
- 声 - 林健一
- 武器:カギ爪
- テロリスト組織「邪呀(ジャガ)」に所属する忍者で、馬頭の兄。殺された末弟・鹿頭(カズウ)の仇を取るため、獅子王の命を狙っている。忍術で炎を操って戦う。ガスマスクのような仮面で素顔を隠している。
- 馬頭(メズウ)
- 声 - 林健一
- 武器:カギ爪
- テロリスト組織「邪呀」に所属する忍者で、牛頭の次弟。殺された弟・鹿頭の仇を取るため、獅子王の命を狙っている。忍術で水を操って戦う。下の尖った仮面で素顔を隠している。
- 獅子王(ししおう)
- 声 - 中塚勝久
- 武器:ソード・オブ・レオ
- 『獣神武闘会』主催者である謎の男。その格闘スタイルはボクシングの動きに剣を組み合わせている。通常使用キャラクターだが本作の中ボスでもあり、対CPU戦では必ず最終ボス戦の1つ手前で戦う事になる。
ボスキャラクター
- 真・獅子王(しんししおう)
- 声 - ジョン・フラトン
- 武器:ゴッド・オブ・レオ
- 影武者である獅子王を倒した後に現れる金色の甲冑をまとった真の獅子王。マックス・イーグルの実兄で、本作の最終ボス。機械やドーピングによって人工的に作り出した筋肉を持つ。その格闘スタイルは影武者に身につけさせたのと同じものだが、「ハンターキラー」「キングアッパー」など独自の技を持ち、全ての面で影武者とは比較にならない力を持っている。裏技により、家庭用の対戦モードのみプレイヤーキャラクターとして使用可能。
家庭用移植版
- ネオジオROMカセット版(1995年5月26日発売、29,800円)
- 本体がアーケード版と同一規格のマシンなので移植というより同じものであるが、家庭用としてクレジットが4つまでに設定されていたり、難易度のレベルがMVS版に加えて家庭用オリジナル用のものも用意されている。
- ネオジオCD版(1995年6月16日発売、8,800円)
- ROMカセットよりは数段安価だが、その代わり読み込み時間が非常に長い。BGMはアレンジバージョンである。
- バーチャルコンソール(2011年5月31日配信開始、900Wiiポイント)
関連作品
- 風雲スーパータッグバトル
- 本作の続編。
- NEOGEO オンラインコレクション
- 本作と『風雲スーパータッグバトル』がセットのプレイステーション2用ソフト『風雲スーパーコンボ』が2007年6月21日に発売。
- ネオジオバトルコロシアム
- SNKのネオジオ作品のキャラクターを始め、他社のネオジオ作品からのキャラクターも参戦するタッグバトル形式の格闘ゲーム。本作からは獅子王と真・獅子王が参戦している。獅子王が普通のプレイヤーキャラクターとして使えるのに対し、真・獅子王はアーケード版・PS2版ともにCPU専用キャラクターである。
- ザ・キング・オブ・ファイターズ XI
- ある条件を満たすと3試合目後にハヤテが乱入してくる。隠しキャラクターとして使用可能。
関連書籍
- 風雲黙示録 格闘創世(工藤治著、ログアウト冒険文庫、アスペクト) - 本作品の小説版。
- 風雲黙示録 格闘創世 公式ガイドブック(ファミコン通信)
関連項目
外部リンク
- 風雲 SUPER COMBO:NEOGEO オンラインコレクション
- SNKプレイモア『ネオジオ バトルコロシアム』公式サイト
- 獅子王、真・獅子王が登場している関係で「NBCミュージアム」のコーナーに本作の情報がある。
- SNKプレイモア『ザ・キング・オブ・ファイターズ XI』公式サイト
- ハヤテのプロフィールが見られる。なお『Flash Player』をパソコンにインストールしていないと閲覧できない。
- バーチャルコンソール 風雲黙示録