那覇市営奥武山野球場
那覇市営奥武山野球場 (沖縄セルラースタジアム那覇) Naha City-run Ohnoyama Baseball Stadium (Okinawa Cellular Stadium Naha) | |
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施設データ | |
所在地 | 沖縄県那覇市奥武山町40番地1 |
座標 | 北緯26度12分12.7秒 東経127度40分23.42秒 / 北緯26.203528度 東経127.6731722度座標: 北緯26度12分12.7秒 東経127度40分23.42秒 / 北緯26.203528度 東経127.6731722度 |
開場 |
1960年11月30日(竣工) 2010年4月4日(改築) |
所有者 | 那覇市 |
管理・運用者 | NPO法人那覇市体育協会(指定管理者) |
グラウンド |
内野:クレー舗装 外野:天然芝 ファウルエリア:一部人工芝 |
照明 |
内野スタンド庇上投光器2基 外野照明塔4基 最大照度:投捕間2,000Lx |
設計者 | 国建・環境設計国建(共同企業体) |
建設者 | 大米建設他 |
使用チーム • 開催試合 | |
全国高等学校野球選手権沖縄大会など | |
収容人員 | |
約30,000人 | |
グラウンドデータ | |
球場規模 |
グラウンド面積: 両翼:100m、中堅:122m |
那覇市営奥武山野球場(なはしえい おうのやまやきゅうじょう)は、沖縄県那覇市の奥武山総合運動公園内にある野球場。施設は那覇市が所有し、NPO法人那覇市体育協会が指定管理者として運営管理を行っている。
1960年の竣工当初は沖縄県が所有且つ運営管理を行っていたが、改築を機に那覇市へ移管し、2010年4月4日に現施設が開場した。また改築後から施設命名権により、愛称を沖縄セルラースタジアム那覇(おきなわセルラースタジアムなは)としている(詳細は後述)。
歴史
1960年11月30日、沖縄県内初の本格的な野球場として完成。竣工当時、内野メインスタンドは左右非対称の構造となっており、三塁側スタンドは左翼ポール際付近まであったものの、一塁側は当時の技術的な問題などからダッグアウト付近でスタンドが途切れ、右翼ポール付近にかけて土盛りの芝生スタンドが設けられていた。また外野スタンドは芝生席で、バックスクリーンの右翼側隣にパネル式のスコアボードが設けられていた。
竣工以来、高校野球や社会人野球など県内のアマチュア野球公式戦が開催された。
また本土復帰前の1961年5月20日・5月21日には沖縄初のプロ野球公式戦として、パ・リーグ公式戦・西鉄ライオンズ対東映フライヤーズ戦が、翌1962年6月13日[1]・6月14日にも同公式戦・阪急ブレーブス対大毎オリオンズ戦が開催された。
その後本土復帰初のプロ公式戦として、1975年5月17日・5月18日にセ・リーグ公式戦・大洋ホエールズ対広島東洋カープ戦が開催された。ただ同年以降、後述の改築まで本球場および沖縄県内でのプロ公式戦は開催されなかった。
2006年からの大規模改築事業
その後施設の老朽化・陳腐化が著しくなり、県内でも長年にわたって問題視されてきた。内野スタンドには座席が無いため、観客はコンクリートに直接腰かける形となっていた上、屋根も設けられていなかったことから、日差しが特に強くなる夏場には不評を託っていた。さらにプレー上においても、内野には固く水捌けの悪い赤土を使用していたため、雨天時にはプレー条件が悪化することがかねてから指摘されていた。
このため、当球場は県から市に移管して改築される事が決定し、市は基本計画を立案。総事業費を77億円とし、両翼100m・中堅122m、内野には黒土、外野には天然芝を敷設したフィールドに加え、6基の照明設備、電光式スコアボードを設置するなど、プロ野球公式戦開催に対応した設備が整備されることになった。加えて野球場に隣接して57×66m・楕円形のフィールドを有する多目的屋内運動場を整備して、練習施設の充実も図られることになった。こうして2006年11月から旧施設の解体・撤去工事を行い、翌2007年10月に現施設の建設事業に着工、2010年3月に竣工した。なお、条例上の名称は「那覇市営奥武山野球場」に制定された。
メインスタンドのバックネット裏には約9000席分を覆う膜屋根が架設されている。また内野のクレー部には鹿児島県産の黒土を7割配合し、暗渠も整備して水捌けを確保している。一・三塁側のスタンド下には屋内ブルペンが設けられており、3人が同時に練習可能。1階の野球資料館には、沖縄県の野球史に関する様々な資料が展示・保存されている。
改築後の主な動き
那覇市では改築事業の着手以降、プロ野球公式戦や春季・秋季のキャンプ、さらにはオールスターゲームの誘致を進めており、NPBとセ・パ各球団に要請を進めている。
- プロ野球公式戦
2010年にはまず二軍の公式戦が編成され、4月17日・4月18日にファーム交流戦・読売ジャイアンツ対阪神タイガース2連戦が開催された(17日はナイター、18日はデーゲーム)。一軍公式戦は6月29日・6月30日、セントラル・リーグ公式戦・横浜ベイスターズ対東京ヤクルトスワローズ2連戦が開催された。1戦目は19時30分(当初は19時開始予定だったが雨で開始が遅れた)、2戦目は19時開始のナイトゲームで、沖縄県でのNPB一軍の公式戦としては史上初のナイター開催。試合開始を19時としたのは沖縄県の6月下旬の日没時刻が19時30分頃と遅く、猛暑を避けるためである。
また横浜の笹川博球団取締役は「18時開始では照明を点灯する時間を長く取れないまま、試合が終わってしまう可能性がある」とも説明している。
沖縄県でのプロ野球一軍公式戦は前述の1975年に開催された大洋対広島戦以来、実に35年ぶりだった。なお2011年シーズンは7月5日・7月6日に横浜ベイスターズ対広島東洋カープ2連戦が開催された。
2012年シーズンは、横浜DeNAベイスターズ対東京ヤクルトスワローズの2連戦が予定されている。
- プロ野球キャンプ
一方、キャンプについては2011年以降の春季キャンプ誘致を目指してNPB各球団に対し活動を進めた結果、2008年12月11日に読売ジャイアンツ(巨人)が、奥武山野球場を中心とする沖縄県営奥武山公園を2011年春季から第2次キャンプ地として使用する旨を発表した[2]。
巨人は1959年以来、宮崎県宮崎市で春季キャンプを実施しているが、2010年現在沖縄県で春季キャンプを実施しているのは12球団中、実に9球団にのぼる。それを踏まえて、当時の巨人の球団代表清武英利はこの那覇キャンプ決定について「(巨人軍としては)宮崎から撤退することはないが、各球団が沖縄でキャンプを張っていることや、温暖な気候で実戦経験が積めること、あるいは施設の充実などを考え、沖縄でのキャンプを行うことは選手の強化、育成上メリットがある」とコメントしていた。
2011年シーズンの巨人・那覇2次キャンプは練習試合やオープン戦など実戦中心の内容で2月20日から2月27日まで実施され、このうち2月26日に開催されたオープン戦・対横浜戦は横浜の主催ながら、巨人のキャンプ地であることなどを考慮してホームの横浜が三塁側ダッグアウトを使用した。衛星放送でのテレビ中継もこれに配慮して、本来横浜主管試合を放送するTBSニュースバードではなく日テレG+から行われた。この試合は4-1で横浜が勝利を収めている。
- オールスターゲーム
また前述の横浜対ヤクルト戦が開催された6月29日、那覇市の翁長雄志市長は、早ければ2014年にもオールスターゲームを開催したい意向を表明した。2009年末にはNPBの加藤良三コミッショナーに対し要望を済ませており、引き続き開催要請を進める方針である。
施設命名権
那覇市は当球場の改築事業にあたり、施設の維持管理コストの削減や市民のスポーツ・レクリエーション活動の普及・振興を目的に施設命名権を導入する方針を示していた。
これを受け、市は2010年2月10日に開かれた市長定例記者会見において、野球場・屋内運動場両施設の愛称を対象とした命名権のスポンサー募集を同日より開始すると発表。市教育委員会を窓口とし、年額1,000万円以上・契約期間3年程度・名称に「那覇」を含めること(表記は漢字・カナ・かな・ローマ字いずれも可)などを条件として2月26日まで公募が行われた。
その結果沖縄県内の3社から応募があり、3月8日に開かれた審査委員会において選定した結果、年額1,200万円・契約期間3年間と最も好条件を示し、加えて命名権企業に付与される球場使用日を一般開放に充当するなどの案を示した沖縄セルラー電話を売却先に決定し、同社は3月17日に市と契約を締結。愛称は野球場が沖縄セルラースタジアム那覇、屋内運動場が沖縄セルラーパーク那覇にそれぞれ決定し、4月1日付で採用された[3][4]。
NPB公式戦開催結果(改修後)
- 2010年6月29日 横浜0-10東京ヤクルト
- 2010年6月30日 横浜2-3東京ヤクルト
- 2011年7月5日 横浜3-6広島
- 2011年7月6日 横浜4-0広島
施設概要
- 両翼:100m、中堅:122m
- 内野:クレー舗装、外野:天然芝
- 収容人員:30,000人(内野固定席15,000人、外野15,000人収容)
- 照明設備:内野スタンド庇上投光器2基、外野照明塔4基(最大照度:投捕間2,000Lx)
- スコアボード:全面フルカラーLED方式
- イニングスコア・選手名表示部を使用した多目的表示に対応(ただし、選手名表示部は各行にスペースがあるため視認性は余り良好ではない)
交通
- 那覇空港から車で約15分
- 沖縄都市モノレール線(ゆいレール)・奥武山公園駅または壺川駅から徒歩約10分
- 公園前バス停で下車。那覇空港からの発着路線(25番、99番、113番、120番、123番)は111番以外全て停車する。
- 上記以外(主に中北部地区からのバスは那覇バスターミナル下車徒歩15分)
- (参考:バスマップ沖縄)
脚註
- ^ ダブルヘッダー。第2試合は日没のためサスペンデッドゲームとなった。本来は翌日の当初予定された試合前に行うが、本拠地以外での開催であったための特例として翌日14日には順延せず、7月7日に西宮球場で続きを行った
- ^ 読売巨人軍2011年那覇キャンプ開催決定 那覇市ホームページ
- ^ 那覇市営奥武山野球場及び屋内運動場に対するネーミングライツスポンサーの決定について那覇市 2010年3月17日記者会見資料
- ^ 新奥武山球場の愛称決定 沖縄セルラースタジアム那覇 沖縄タイムス 2010年3月18日