第10特科連隊

第10特科連隊
創設	1957年（昭和32年）2月1日
所属政体	日本
所属組織	陸上自衛隊
部隊編制単位	連隊
兵科	特科
所在地	愛知県、豊川市
編成地	姫路
上級単位	第10師団
担当地域	東海地方

第10特科連隊（だいじゅうとっかれんたい、JGSDF 10th Artillery Regiment）は、愛知県豊川市の豊川駐屯地に駐屯する第10師団の隷下部隊である。

概要

三河警備隊区（愛知県東部の三河地方18市町村）の防衛警備・災害派遣を担当し、静岡県西部を災害時緊急赴援地域としている。なお連隊長は、担当隊区が旧国名の三河地域とほぼ重なり、国衙（こくが）があったとされる愛知県豊川市に駐屯していることから、別名「三河守（みかわのかみ）」と呼ばれる事がある。 かつては本州唯一の完全編制（火砲60門）の特科連隊として方面特科隊としての任務も有してきたが、平成25年度末の師団改編（即応予備自衛官訓練の終了）により5個大隊から3個大隊に縮小された。

沿革

• 1957年（昭和32年）2月1日：姫路駐屯地にて、第3管区総監直轄部隊として「第10特科連隊」が編成。
• 1957年（昭和32年）3月5日：大久保駐屯地に移駐。
• 1958年（昭和33年）6月26日：第10混成団の隷下に入る。
• 1960年（昭和35年）3月31日：豊川駐屯地に移駐。
• 1962年（昭和37年）1月18日：師団改編に伴い、第5・第6大隊が編成。
• 1988年（昭和63年）3月25日：本部中隊情報小隊が情報中隊に改編。
• 1991年（平成3年）3月29日：第6大隊が第10高射特科大隊として分離独立。
• 2004年（平成16年）3月29日：第4大隊及び第5大隊第12中隊のコア部隊が編成。
• 2014年（平成26年）3月26日：第10師団の即応近代化改編（即自訓練終了）に伴い、第4・第5大隊を廃止。

部隊編成

• 連隊本部
• 本部中隊
• 情報中隊
• 第1特科大隊
  • 本部管理中隊
  • 第1射撃中隊
  • 第2射撃中隊
• 第2特科大隊
  • 本部管理中隊
  • 第3射撃中隊
  • 第4射撃中隊
• 第3特科大隊
  • 本部管理中隊
  • 第5射撃中隊
  • 第6射撃中隊

主要幹部

職名	階級	氏名	補職発令日	前職
第10特科連隊長 兼 豊川駐屯地司令	1等陸佐	上田俊博	2014年8月5日	陸上幕僚監部監理部総務課企画班長

歴代の第10特科連隊長（1等陸佐、豊川駐屯地司令兼補）

代	氏名	在任期間	出身校・期	主な後職	備考
1	廣瀬榮一	1957.2.1 - 1958.5.12	陸士43期・ 陸大52期	富士学校長、第12師団長、 北部方面総監	元幹部学校長 廣瀬清一陸将の父
2	原木敏雄	1958.5.13 - 1959.7.31	陸士46期・ 陸大58期	陸上自衛隊航空学校長
3	高橋義彦	1959.8.1 - 1962.7.31			移駐・改編
4	篠田寿彦	1962.8.1 - 1964.7.15
5	馬來祥介	1964.7.16 - 1966.7.15	陸士53期	第9師団長	初代第1大隊長
6	加藤謙二	1966.7.16 - 1968.7.15			隊歌制定
7	安岡幸吉	1968.7.16 - 1970.3.15
8	石原常保	1970.3.16 - 1972.3.15			市中パレード
9	菊本齋	1972.3.16 - 1974.3.15
10	近藤俊彦	1974.3.16 - 1975.7.15		第12師団長
11	平岡浩實	1975.7.16 - 1977.3.15
12	松井謙二郎	1977.3.16 - 1979.3.15
13	合原博見	1979.3.16 - 1980.6.31		第1特科団長、第12師団長	陸将補
14	佐藤十郎	1980.7.1 - 1982.8.1	防大1期	第1教育団長
15	松友正隆	1982.8.2 - 1984.7.31	防大1期	練馬駐屯地業務隊長
16	永井博	1984.8.1 - 1986.7.31	防大3期	守山駐屯地業務隊長
17	樋山周造	1986.8.1 - 1988.3.31	生徒3期・ 防大8期	第5師団長、 西部方面総監	30周年･改編
18	瀬戸熊矗	1988.4.1 - 1990.3.31	防大8期
19	清水蔦男	1990.4.1 - 1992.3.31	防大		改編
20	高橋饒	1992.4.1 - 1994.7.31	防大11期	第2混成団副団長
21	山崎召三	1994.8.1 - 1996.12.15	防大12期	第6師団副師団長
22	坂本恒雄	1996.12.16 - 1998.7.	防大16期	長崎地方連絡部長	元第1大隊長
23	君塚栄治	1998.7. - 1999.12.15	防大20期	東北方面総監、陸上幕僚長
24	野末紀明	1999.12.16 - 2002.3.	生徒16期・ 防大21期	北海道補給処副処長、 北部方面総監部装備部長
25	向坊誠	2002.3. - 2003.12.4	防大23期	第7師団司令部幕僚長、 中央情報隊副隊長
26	永井昌弘	2003.12.5 - 2005.12.4	防大25期	第1空挺団長	改編
27	藤田穣	2005.12.5 - 2008.3.31	生徒20期・ 防大25期	自衛隊三重地方協力本部長、 第3教育団長	50周年
28	權藤三千蔵	2008.4.1 - 2009.11.30	防大29期	第1高射特科団長
29	岡本浩	2009.12.1 - 2011.7.31	防大31期	東北方面総監部人事部長
30	山根寿一	2011.8.1 - 2012.7.25	防大33期	自衛隊沖縄地方協力本部長
31	福元洋一	2012.7.26 - 2014.8.4			4大・5大廃止
32	上田俊博	2014.8.5 -

災害派遣

• 昭和34年9月26日-12月10日：伊勢湾台風
• 昭和37年7月2日-7日：三河地方集中豪雨
• 昭和38年1月23日-2月18日：北陸豪雪（昭和38年1月豪雪）
• 昭和40年3月10日：渥美郡赤羽根町山林火災
• 昭和41年10月12日-13日：東三河集中豪雨
• 昭和43年8月20日-10月4日：飛騨川バス転落事故
• 昭和46年8月31日-9月6日：台風23号（岡崎市、宝飯郡御津町）
• 昭和47年7月13日-28日：47.7豪雨（西加茂郡小原村・藤岡村）
• 昭和49年7月：静岡西部集中豪雨（昭和49年台風第8号：七夕豪雨）
• 昭和51年9月11日-15日：51.9濃尾集中豪雨（昭和51年台風第17号）
• 昭和56年1月8日-20日：五六豪雪
• 昭和57年2月25日：豊川市平尾地区山林火災
• 昭和59年3月30日-31日：南設楽郡鳳来町山林火災
• 平成5年2月15日：鳳来町山林火災
• 平成7年1月17日-4月27日：兵庫県南部地震
• 平成8年3月：渥美郡渥美町大山山林火災
• 平成8年4月14日：新城市林野火災
• 平成9年1月：ナホトカ号重油流出事故
• 平成9年1月24日：民間ヘリ捜索（岡崎市）
• 平成12年9月：東海豪雨
• 平成16年9月：三重県多気郡宮川村豪雨
• 平成16年10月：新潟県中越地震
• 平成18年8月：広島県送水トンネル崩落事故
• 平成19年7月：新潟県中越沖地震
• 平成20年8月29日-30日：平成20年8月末豪雨（岡崎市・額田郡幸田町）
• 平成23年3月11日-5月27日：2011年東北地方太平洋沖地震

国際貢献

• 平成4年9月11日-平成5年4月14日：カンボジア国際平和協力業務（第1次）
• 平成15年3月-10月：東ティモール国際平和協力業務（第3次）
• 平成17年2月5日-6月5日：イラク人道復興支援活動（第5次）
• 平成18年6月1日-21日：ジャワ島中部地震国際緊急援助活動
• 平成23年8月-：ゴラン高原派遣輸送隊（第32次）

民生協力

• 昭和37年10月20日-21日：豊橋まつり支援
• 昭和38年4月5日-21日：豊川まつり支援
• 昭和39年7月13日-11月7日：1964年東京オリンピック支援
• 昭和41年7月1日：岡崎市制50周年記念行事支援
• 昭和52年7月23日-30日：海洋少年団全国大会支援
• 昭和53年7月24日：第７回日本ジャンボリー大会支援
• 平成元年5月：おいでん祭支援
• 平成6年10月29日-11月3日：第49回国民体育大会（わかしゃち国体）支援
• 平成16年11月：設楽町商工会「商工感謝祭」支援
• 平成18年11月：岡崎秋の市民まつり支援

主要装備

• 155mmりゅう弾砲 FH70
• 中砲けん引車
• 対砲レーダ装置 JTPS-P16
• 対迫レーダ装置 JMPQ-P13
• 82式指揮通信車
• 油圧ショベル
• 中型セミトレーラ
• 91式携帯地対空誘導弾
• 110mm個人携帯対戦車弾
• 12.7mm重機関銃M2
• 73式小型トラック
• 73式中型トラック
• 73式大型トラック
• 89式5.56mm小銃

参考文献及び脚注

• 豊川駐屯地　三河史料館

外部リンク

• 第10師団ウェブサイト内の第10特科連隊紹介ページ