真かまいたちの夜 11人目の訪問者

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真かまいたちの夜 11人目の訪問者
ジャンル サウンドノベルミステリー
対応機種 PlayStation 3
PlayStation Vita
開発元 チュンソフト
発売元 チュンソフト
人数 1人
発売日 2011年12月17日
対象年齢 CEROD(17才以上対象)
コンテンツ
アイコン
セクシャル
売上本数 PS3:74,478本[1]
PS Vita:41,685本[1]
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真かまいたちの夜 11人目の訪問者』(しんかまいたちのよる じゅういちにんめのサスペクト)は、チュンソフトから発売されたゲームソフト。2011年12月17日PlayStation 3版およびPlayStation Vita版が発売された。

概要

『かまいたちの夜』シリーズの第4作。前作『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』で物語が完結していることもあり、登場人物や舞台を一新して作られている。原点回帰をテーマとしており、吹雪で閉ざされたペンションが舞台となるなど、第1作『かまいたちの夜』に雰囲気を似せている[2]

シリーズで初めてキャラクターボイスを採用。ただし、ミステリーとしての面白さが損なわれるとの理由でフルボイスではなく、キャラクターが喋るのは重要なシーンでのみ[2]

一部のサイドシナリオは課金ダウンロードコンテンツとなっており、別途料金が必要となる。

ストーリー

ミステリー編
本編にあたるメインシナリオ。小説家志望の坂巻快人は、作品の取材のため岩手県遠野市にあるペンション・ブラウニーへ訪れる。予定宿泊客が10人のはずのブラウニーに、なぜか11人訪れている不可解な状況の中、宿泊客の一人赤城恵美が風呂場で死体となって発見された。偶然再会した大学時代の友人立花京香と共に、事件の真相を探り始める。
ビンゴ編
坂巻快人はこれまで不幸な出来事の連続で、執筆した小説を7本も紛失していた。最後のチャンスとの思いで遠野を訪れ、立ち寄った卯子酉神社でお参りをすると「ビンゴ!」という謎の掛け声を聞く。その後、極めて不可解な体験のもと、無くしていた小説が次々に戻ってくる不思議な物語。
ミステリー編の「完」エンディングを見ることでプレイ可能。
スパイ編
ブラウニー内に隠された「あるもの」の奪取するため、日本政府の諜報機関の一員であった立花京香がテロリスト組織に捕らわれてしまう。京香の同僚である梅園みゆきから、麻酔銃とペンションの地図を渡され、占拠されたブラウニーを舞台に、テロリスト達と対決するサスペンス色の強い物語。
ミステリー編の「完」エンディングを見ることでプレイ可能。
死神編
ブラウニーの露天風呂で、宿泊客の一人赤城恵美の死体が発見される。その直後から黒井爽一郎が行方不明となり、彼を犯人と決め付けた池谷雅也を中心に、ペンション内外の捜索が始まる。
《死神のルール》という謎の制約の中、エンディングを見るには選択肢の選び方が重要となる。
ビンゴ編とスパイ編の「完」エンディングを見ることでプレイ可能。
妖怪編
皆が食堂に集まった中、奇天烈な格好をしたオーモリが、奇声を上げながら廊下を歩いてきた。何やら様子がおかしい彼に事情を聞くと、自分の部屋にボッコちゃんが現れたと主張する。誰も本気にしないでいると、本当に「ボッコちゃん」と名乗る赤い座敷わらしが現れる。その後も次々と妖怪が現れて食堂が大騒動となるコメディ色の強い物語。
ビンゴ編とスパイ編の「完」エンディングを見ることでプレイ可能。
<犯人当て>鎌鼬の夜編
ラウンジに飾られた鎌の刃先が何者かによって盗まれ、その凶器により浴場で神林が殺害されてしまう。その真犯人を当てるシナリオ。
本編よりもミステリー色が強く、作者からの挑戦状と銘打っている。
問題編と解決編に分かれており、問題編はミステリー編の「完」エンディングを見ることでプレイ可能。解決編は公式サイトで発表されたパスワードを入力するか、PlayStation Storeにて無料ダウンロードすることでプレイできる(2011年12月22日配信)。
公式サイトでの表記は「犯人当て ―鎌鼬の夜編―」。
異次元少女ポポリン編
アニメ「異次元少女ポポリン」の小説版という設定の物語で、第1話と第52話(最終話)の内容が読める。選択肢は無くストーリーは一本道で進む。
ミステリー編の「完」エンディングを見ることでプレイ可能。各所に隠された小説の切れ端を見つけることにより、続きが読めるようになっている。
混浴編
食事の後、美肌効果があるというブラウニーの温泉に浸かろうとする坂巻快人とオーモリ。だが男湯に入ったはずが、なぜか梅園みゆきと新貝沙都美が脱衣所に現れ、服を脱ぎ始める。慌てる快人だが、オーモリの提案により女性のフリをしてその場をしのぐことに。
前作までの「ちょっとエッチなかまいたちの夜」にあたるシナリオで、性的描写が強い。
ミステリー編の「完」エンディングを見たあとに、PlayStation Storeから有料ダウンロード(400円)することでプレイ可能(2011年12月22日配信)。
みゆきとサトミ編
本編から3年前を舞台に、看護学校に通い始めた梅園みゆきと、新貝沙都美の馴れ初めが書かれるシナリオ。基本的に文章は表示されず、音声のみで物語が進む。
ミステリー編の「完」エンディングを見たあとに、PlayStation Storeから有料ダウンロード(400円)することでプレイ可能(2011年12月22日配信)。
<犯人当て>魔女審問編
立花京香が主人公となるストーリー。京香とかつて親しい間柄だった坂巻快人が、部屋で何者かに刃物で刺されて殺害される。宿泊客の皆は、事件を解決しようとするあまり、犯行の動機やアリバイを確認し合うなど、さながら魔女狩りの様相を呈した疑心暗鬼の状態へと陥ってしまう。京香は彼らの話を聞いて、この事件の謎を解くことになる。
本編よりもミステリー色が強く、「鎌鼬の夜編」同様作者からの挑戦状と銘打っている。
問題編と解決編に分かれており、問題編はミステリー編の「完」エンディングを見たあとにPlayStation Storeから有料ダウンロード(400円)することでプレイ可能(2012年1月26日配信)。解決編は2012年2月2日から無料ダウンロード配信。
公式サイトでの表記は「犯人当て ―魔女審問編―」。
超次元探偵O編
オーモリが主人公のストーリー。ボッコちゃんのフィギュアを手に入れようとブラウニーへやってきたオーモリだが、いろいろと邪魔が入り売ってもらうことができない。特殊能力「地球間移動」を使い目的を達成しようとするも、謎の殺人事件に巻き込まれそれどころではなくなってしまう。そこでオーモリは特殊能力を駆使し、事件を解決しようとする。
ミステリー編をオーモリ視点で描くシナリオだが、一部スパイ編や妖怪編の内容も含まれる。パラレルワールド間の地球を行き来できる特殊能力「地球間移動」が登場するなどSF要素が強い。
ミステリー編の「完」エンディングを見たあとに、PlayStation Storeから有料ダウンロード(400円)することでプレイ可能(2012年1月26日配信)。
消えたボッコちゃん
坂巻快人は、一階でオーモリと立花京香が口論しているのを目撃する。事情を聞いてみると、少し目を離した間に、オーモリが大事にするアニメキャラクターボッコちゃんのテレフォンカードが消えたという。このテレカを京香が盗んだと主張するオーモリに対し、快人は彼女の無実を証明するため、調査を開始する。
PlayStation Vitaの体験版限定のシナリオで、製品版には収録されていない。

登場人物

本編の「ミステリー編」に準じて解説。各登場人物の設定はストーリーによって多少変わる場合がある。

坂巻 快人(さかまき かいと)
声 - 中村悠一
主人公(名前変更不可)。小説家を目指し、昼は執筆活動、夜は皿洗いのバイトと、フリーター生活を送る毎日。性格は温和で人当たりが良いがツキが無く、これまで7本の長編小説を完成させたが、どれも不運な出来事で紛失してしまう。
新作の取材のため遠野を訪れるが、そこで偶然にも大学時代の同級生立花京香と久しぶりの再会を果たす。
立花 京香(たちばな きょうか)
声 - 小清水亜美
ヒロイン(名前変更不可)。主人公とは大学の同級生で親しい間柄だった。卒業後、大手出版社に務めており、卯子酉神社の取材のため、上司の池谷と供に遠野を訪れる。世話焼きな性格で困っている人を見ると放っておけないタイプ。多忙なマスターの代わりに受付を手伝う。積極的で周囲を引っ張る性格だが、逆にそれが災いして周囲がフォローに入ったりもする(主人公談)。
白河 雪乃(しらかわ ゆきの)
声 - 花澤香菜
16歳。小柄で人見知りをする少女。体も丈夫ではない。オーモリの好むアニメキャラクター「ボッコちゃん」にそっくり。
池谷 雅也(いけたに まさや)
声 - 緑川光
35歳。筋骨隆々で冷静沈着な偉丈夫。雑誌編集長で、京香の上司にあたる。
烏飼 優太(うかい ゆうた)
声 - 藤原啓治
ペンション「ブラウニー」のオーナー。人の良さそうな中年男性だが、仕事が多忙のため少々手際が悪い部分も見せる。バンダナと眼鏡を着用する。
オーモリ
声 - 杉田智和
重度のアニメオタク。二次元キャラクターが大好きで、現実の女性には興味を示さない。ブラウニー内にある貴重なフィギュアを狙っており、即金で50万円出すという。
梅園 みゆき(うめぞの みゆき)
声 - 植田佳奈
21歳。看護学校に通う、眼鏡をかけたおとなしそうな読書家の少女。しっかり者で、空手の有段者である。柳田國男の『遠野物語』を読み遠野の伝承などに興味を持つ。
新貝 沙都美(あらがい さとみ)
声 - 小笠原亜里沙
21歳。みゆきの同級生で、彼女とは対照的にずぼらなイマドキの少女。明るく元気だが、少々頭が悪い。半ばみゆきに無理やり連れて来られたため、民話などには興味がない。夢野未来のファン。
神林 龍之介(かんばやし りゅうのすけ)
声 - 平野正人
熟年紳士。少々短気なところもあるが普段は温和で行動力に優れる。今年で結婚25年目の銀婚式にあたり、妻との出会えのきっかけとなった卯子酉にお参りしに来た。
神林 ローズ(かんばやし ローズ)
声 - 一城みゆ希
龍之介の妻。いつも落ち着いている西洋系の淑女。事件中も取り乱さず冷静な対応をする。手相占いが得意。
黒井 爽一郎(くろい そういちろう)
声 - 金野潤
20歳。サングラス、帽子、トレンチコートという怪しい風体の男。ほとんど会話もせず、他の客との関わりを避けている。
赤城 恵美(あかぎ えみ)
声 - 星野千寿子
最初の犠牲者。中年女性。風呂場で遺体として発見される。
夢野 未来(ゆめの みき)
「白銅」で全日本ノベル大賞を受賞した人気小説家。覆面作家であり、素顔は一部の者しか知らない。快人の目標でもある。

みんなでかまいたち

1ゲーム最大100人がオンラインで対戦するカード型推理ゲーム「みんなでかまいたち」も内蔵されている。しかし、2014年1月20日でサービスが終了したため、現在はプレイすることはできない[3]

一日毎に捜査、偵察、推理などを行い誰が先に正解に辿り着くかを競う。ゲームの設定条件次第で犯人が嘘をついたり、犯人に脅された嘘つきも登場する。1ゲーム毎に日数が定められていて、日数が経過すればそのゲームは終了となる。この場合の日数とは、現実の日数である。

ゲームに参加していない時は、参加するゲームを難易度やルール設定が異なる複数の部屋の中から選ぶ。入室後は部屋の変更は出来ず、プレイヤー募集期限が切れた翌日からゲーム開始となる。ただし、入室した人数が9人以下だった場合にはゲームは開始されず、再度参加するゲームを選ぶことになる。

捜査

容疑者達から証言を得られる。犯人と嘘つき以外は偽証しない。犯人はゲームの設定により、0%、50%、100%の確率で嘘をつく。この場合の50%とは質問ごとに対する確率であるため、ある質問に嘘をついたからといって他の証言もすべて嘘であることにはならない。

誰かが必ず何かの持ち物を持っている。その中で犯人の持ち物が凶器となる。持ち物は持ち主が重複することは無い。

場所も複数あり、それぞれ必ずどこかの場所に居たことになる。ただし、誰もいなかった場所が存在することはある。また、死体の隠し場所には必ず犯人がおり、犯人以外が居ることは無い。

証言を得られるのは以下の内容。ただし、一人に対してそれぞれ一度しか尋ねることが出来ない。

得られた証言は手札として所持する。

  • 犯人の情報
  • 凶器の情報
  • 場所の情報
  • 何を持っているか
  • どこにいたか

1日毎にゲームの設定回数だけ捜査可能回数が増えていく。回数上限もゲームの設定で定められている。

偵察

同じゲームに参加している他プレイヤーから手札を1枚覗き見ることが出来る。プレイヤーは任意の手札を防御することも出来る。ただし防御は翌日から有効となる。また、防御されたカードも、偵察の権利を一度に3回分消費することで覗き見ることが可能である。

1日毎にゲームの設定回数だけ偵察、防御可能回数が増えていく。回数上限もゲームの設定で定められている。

推理

マトリックスは容疑者、凶器・場所で行列の表になっており、そこに○か×かを埋めていく。一日に一度だけ推理が出来、マトリックスの○×が正しいかを判定できる。正解すれば、その枠の分だけポイントが貰え、一枠でも外せば不正解で減点される。正解時に貰えるポイントは、初日が一番多く日数が経つにつれ減っていく。逆に不正解時の減点は初日が一番小さく日数が経つにつれ大きくなっていく。犯人、凶器、死体の隠し場所を当てるとクリアとなり、さらにマトリックスを全部正しく埋めるとコンプリートとなる。

ざしきわらし

ざしきわらしカードがゲームの設定枚数に達すると、ざしきわらしに示した中に正解が含まれているかどうかを尋ねることが出来る。ただし、尋ねるのは、犯人、凶器、死体の隠し場所、それぞれにつき1日1回に限られている。

コイン

1日毎にゲームの設定枚数だけコインが増えていく。保有上限もゲームの設定で定められている。このコインを消費することで、捜査や偵察などの回数を増やしたり、ざしきわらしカードを購入したり出来る。1日に支給される金貨の枚数は、クリアの翌日から増やされる。そのため、早期にクリアすることで、よりコンプリートを目指しやすくなる。

日々集計

毎日夜中の3:00から5:00は定期メンテナンスが行われ、ゲームの1日終了処理やランキングの集計などがされるので、その日のプレイは定期メンテナンスまでに終える必要がある。

関連作品

公式ガイドブック
サウンドトラック
  • 『真かまいたちの夜 11人目の訪問者 オリジナルサウンドトラック』 2011年12月28日

脚注

  1. ^ a b 『ファミ通ゲーム白書2013 補完データ編(分冊版)』エンターブレイン、2013年。 
  2. ^ a b 『週刊ファミ通 No.1186』エンターブレイン、2011-9-8号、92-95頁。 
  3. ^ 「みんなでかまいたち」サービス終了のお知らせ

外部リンク