盲目のもの

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盲目のもの(もうもくのもの、flying polyp)は、クトゥルフ神話作品に登場する架空の生物。名称は邦訳(意訳)であり、直訳風に空飛ぶポリプなどとも呼ばれる。先住種族The Elder Being[1] / elder race[2]とも。

邦訳名どおり、視覚を持たない、飛行するポリプ状の生物。

初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『時間からの影』。

概要

人類誕生以前の先住種族のひとつ。外宇宙から飛来し、6億年前には地球をはじめとして太陽系の4つの惑星を支配していた。

詳しい形状は不明だが、半ポリプ状で、物質的なのは体の一部のみという異質な生命体である。視覚の代わりに、あらゆる物質的障壁を通り抜ける特殊な知覚を備えている。翼なしに飛行する。その他にも、一時的に姿を消すことや大風を操ることが可能である。しかし、姿を消しても絶えず飛行するポリプからは喘息の呼吸のような音が聞こえるので存在を認知することは可能である。ある種の電気エネルギーを受けると破壊される。

精神構造も通常の生物とは全く異なっており、後述する「大いなる種族」でさえ、精神交換が不可能だった。

太古の地球に無窓の塔の都市を築き、「半植物的な円錐体生物」を捕食していた。しかし、精神体種族イースの大いなる種族が円錐体生物の身体を乗っ取ったことで、攻撃され、地底世界に追いやられる。

長い年月の後に再び地上に現れ、逆襲し、円錐体生物を滅ぼした。ただし、大いなる種族は精神体ゆえ、身体を捨てて逃げていた。

復讐後は、地上の再支配を望むこともなく、地下の深淵で衰退していった。しかし、人類が生息する現代、彼らはまだ滅亡していない。

TRENT.ROMANの「THE INVASION OUT OF TIME」[3]では、未来において人類の前に敵として出現した彼らと、書物で彼らを知っていた人類との戦いを、中国人戦闘機パイロットの目を通して描いている。

フレッド・ペルトンの設定では、ロイガーノスという固有名がつけられており、邪神ロイガーとツァールに仕える風の眷属とされている。

登場作品

関連項目

脚注

注釈

出典

  1. ^ 『エイボンの書』「暗黒の知識のパピルス」。
  2. ^ 学研『クトゥルー神話事典第四版』「先住種族」183ページ。
  3. ^ 「CTHULHU UNBOUND」(PERMUTED PRESS) ISBN 1934861138