チョー・チョー人

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チョー・チョー人(チョー・チョーじん、Tcho-Tchos)とは、H・P・ラヴクラフト及びその追従者によって執筆され続けるクトゥルフ神話に登場する架空の種族、あるいは部族の名称。

チョー=チョー人、トウチョ=トウチョ人、チョーチャなど、様々な発音、表記がされ、そのどれもが正しく、そして正しくない。

チョー・チョー人は、伝説の種族ミリ・ニグリが、世界各地の少数部族と交配したために誕生したと伝わるが、その真偽は定かではない。彼らは交配などにより、既知の存在である部族を浸食し、あるいは擬態し、その真の正体を隠匿する。現代においては、彼らの信仰と文化(とりわけ食生活)は、文明社会の常識、現代人の理性とは相いれないものなのである。

各作品での扱い[編集]

ラヴクラフトの作品『時間からの影』においては、大いなる種族によって囚われの身となった、忌むべきトウチョ=トウチョ人の存在に軽く触れられるのみである。

オーガスト・ダーレスとスコラーの合作『潜伏するもの』においては、七千の齢を重ねた指導者エ=ポウに従い、ビルマの奥地にあるという幻の地アラオザルで、謎めいた双子神ロイガーとツァールを崇めていた。ビルマを中心にアジアの広範囲を悪臭の災厄に見舞わせた大破壊の後、アラオザルのチョー・チョー人の安否は不明となったが、21世紀においてアラオザルは健在であり、チョー・チョー人もまたアラオザルで目撃されたとの風聞も存在する。あるいは存在しない。ロイガーとツァールの信仰は、カナダトロントに移民したチョー・チョー人たちによって続いている。彼らは貿易会社を隠れ蓑に、恐るべき伝統を次世代に引き継ぐ。

ラヴクラフトがヘイゼル・ヒールドの作品を添削して完成したとされる作品『博物館の恐怖』に登場する蝋人形師ジョージ・ロジャーズはビルマを旅した際にアラオザルの廃墟を目撃したと語るが、彼の助手であるオラボナは、チョー・チョー人の血を引いていたのかもしれない。後に、第二次世界大戦の戦火を避け、ロジャーズの遺作をロンドンからカナダに運び、現地で病に倒れたと伝わるオラボナの正体については、謎が残る。

フランク・ベルナップ・ロングの作品『恐怖の山』では、チョー・チョー人の祖とも伝わるミリ・ニグリについて語られた。ミリ・ニグリの造物主とされる神性、チャウグナル・ファウグンを崇拝するチョー・チョー人の一派も存在する。彼らはニューヨークの貿易会社を乗っ取り、チャウグナル・ファウグンの信仰に、あるいはその復活に利用する。

T・E・D・クラインの作品『角笛をもつ影』では、マレー半島において、シュグオランと呼ばれる存在を使役する部族として登場する。彼らチョー・チョー人はラヴクラフトが作家として実在する世界に、実在の部族として存在するものとして描かれた。

サンフランシスコを拠点とするチョー・チョー人は貿易会社に偽装した組織で、ルルイエに眠るクトゥルーを崇めている。

クトゥルー神話は誰もが先駆者の追従者として独自の物語を紡ぎ繋ぐ創造であり、遊戯である。追従者の数だけ、新たな物語が生まれ、そこにはまた、チョー・チョー人の姿がある。情報の取捨選択は各々に委ねられる。