スタジアム・ロック
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産業ロック(さんぎょうロック)とは、商業的な成功を目的としたロックを批判する目的で使われている言葉である。近年は商業ロック(しょうぎょうロック)という言葉に置き換わりつつある。
概要
この言葉を日本で初めて使ったのは、ロック評論家の渋谷陽一である。1970年代後半、ラジオ番組(ヤングジョッキー)で初めて使用した。渋谷は当時イギリスのニュー・ウェイヴ・ブームを日本にもたらすことを目論み、日本やアメリカで人気のあったジャーニー、フォリナー、スティクス、REOスピードワゴン、カンサス、ボストン、TOTOらを「産業ロック」と呼んで批判し、意図的に論争を仕掛けた。同時期にはアメリカでも、「産業ロック」に対応する言葉として「コーポレイト・ロック」(企業のロック)という言葉がさかんに用いられていた。
渋谷は「産業ロック」について、文章による定義をしていない。しかし渋谷が主に攻撃したのは、アメリカン・プログレ・ハードであった。それはニュー・ウェイヴの親であるパンク・ロックのような不良性も新奇性もない、万人に受け入れやすい音楽であった。
渋谷の後続の音楽評論家たちは、エイジア、チープ・トリック、ラヴァーボーイ (en:Loverboy)、ハート、サバイバー、ナイト・レンジャー、キッス、エアロスミスらも槍玉に挙げた。さらに現在はレッド・ツェッペリン、クイーン、ロッド・スチュワート、ビリー・ジョエル、ヴァン・ヘイレンなども批判されるにいたっている。レッド・ツェッペリンが渋谷のお気に入りのバンドであったことは皮肉である。 日本のニューミュージックやJ-POPのバンドなどに対しても使われている。