激走!ルーベンカイザー
『激走!ルーベンカイザー(げきそう ルーベンカイザー)』は、東映が制作し、ワコープロ(当時の社名は「和光プロダクション」)が制作に協力したテレビアニメ。1977年10月10日から1978年2月6日まで、テレビ朝日系にて放送された(放送枠:毎週月曜日19時~)。全17話。なお、企画時の仮題タイトルは「炎のF1フャイア スピリット」というタイトルだった。
概要
キャラクター原案をモータースポーツマニアで知られるすがやみつるが担当、本田技研工業や鈴鹿サーキットの協力を仰ぐなど本格的なレース物を目指した。だが、本放送時裏番組が『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』だった事もあり視聴率が取れず、あえなく全17話で打ち切りとなった。
いわゆるスーパーカーブームを受けて、この1977年秋(10月初頭前後)にはカーレースアニメだけで『とびだせ!マシーン飛竜』『超スーパーカー ガッタイガー』『アローエンブレム グランプリの鷹』そして本作と4本も同時に放送され、文字通りの競争状態となったが、半年以上続いたのは『グランプリの鷹』だけで、残り3作は半年で放送終了した。
本作は田中真弓がアニメ声優にデビューした作品である。
ストーリー
F1ドライバーの速水俊介は日本グランプリのレース中、監督からの指示を無視してマシンをクラッシュさせてしまい、レース後にチームから解雇されてしまう。そこへ現れたのは俊介の父の旧友で「カイザー・チーム」の監督を務める嵐銀二郎であった。銀二郎は俊介の腕を見込みチームのドライバーとして加入させた。カイザー・チームが誇る高性能フォーミュラカー「ルーベンカイザー・フォーミュラー1」は、実は俊介の父であるゲオルグ・カイザー設計のマシンであった。俊介は亡き父の夢をかなえるべく、このマシンで世界を目指す。
登場メカニック
「ルーベンカイザー(ドイツ語表記:LübenKeizer)」はブランド名であり、オープニングに登場するフォーミュラ1が「ルーベンカイザー」という名前ではない。
- フューミュラー1
- トラクションを稼ぐ為に車軸を後部2軸にしている。ティレル・P34(1977年当時はタイレル・P34と呼ばれていた)と全く逆の外観となる。
- バロックフォーミュラ
- バロックラリー
- ともに2ドアセダン「バロック」をベースにしたもの。フォーミュラのデザインやカラーリングは当時実際のレーシングシーンで活躍していたBMW 3.0 CSLの影響を受けている。
- アバロレーシング
- K-3
- 市販車の改造ではなく、最初からレーシングカーとして開発されたプロトタイプレーシングカー。同じカテゴリーのポルシェ・936やアルピーヌ・A442などを徹底的に研究し、銀次郎の設計で生み出された。
- パンパ
- フォーミュラ1などを輸送する大型トラック(トランスポーター)。
キャラクター
- 速水俊介
- 声 - 三ツ矢雄二
- 主人公のレーサーで、ドイツ人の父・ゲオルグと日本人の母を持つハーフ。
- 嵐銀二郎
- 声 - 納谷悟郎
- カイザー・チームの監督。左目を眼帯で隠している。亡き友の息子・俊介を一人前のレーサーにすべく、厳しく育てる。
- ジョディ・コリンズ
- 声 - 市川治
- 俊介のライバル。富豪の家に生まれ、レーサーに加え工学博士号も所持する。
- 高木洋平
- 声 - 沢りつお
- カイザー・チームのオーナー。銀次郎同様、ゲオルグとは親友だった。
- 高木涼子
- 声 - 高橋直子/田中真弓
- 洋平の娘で俊介のチームメイトのレーサー。
- ナレーター
- 声 - 村越伊知郎
(配役協力:テアトル・エコー)
制作スタッフ
- 原作:大堂勲
- 監修:星野一義、稲垣謙三
- 企画:松永英(大広)、飯島敬、平山亨(クレジット表記なし)、阿部征司(東映)
- プロデューサー:碓氷夕焼(テレビ朝日)、本田毅(和光プロダクション)
- キャラクター原案:すがやみつる
- アニメーションキャラクター:岡迫亘弘
- メカニック設定:村上克司、デザインオフィス・メカマン
- 脚本:田村多津夫、村山庄三、富田祐弘
- 次回予告脚本:小山高男
- 音楽:菊池俊輔
- 録音監督:石田忠賢
- チーフ・ディレクター:布川ゆうじ
- 作画監督:小国一和、岡迫亘弘
- 演出:布川ゆうじ、青木悠三、安濃高志、長谷川康雄、古川順康
- オープニングアニメーション:金田伊功(クレジット表記なし)
- 企画協力:鈴鹿サーキット
- アニメスタジオ:グリーンボックス
- 制作協力:和光プロダクション
- 制作:テレビ朝日、東映、大広
主題歌
- OPテーマ - 『激走!ルーベンカイザー』
- EDテーマ - 『おまえがえらんだ道だから』
- 歌:ささきいさお、作詞:八手三郎、作曲・編曲:菊池俊輔
放送リスト
話 | サブタイトル | 放送日 |
---|---|---|
1 | スタート!日本グランプリ | 1977年 10月10日 |
2 | フル・スロットルでふっとばせ! | 10月17日 |
3 | 驚異の6輪車 | 10月24日 |
4 | 根性のスピーンターン | 10月31日 |
5 | 決死の氷雪ラリー | 11月7日 |
6 | 母に捧げる優勝カップ | 11月14日 |
7 | 死の特訓は誰のため!? | 11月21日 |
8 | ビッグマシンをやっつけろ | 11月28日 |
9 | 命知らずのF1野郎 | 12月5日 |
10 | 小鳥がおくった友情 | 12月12日 |
11 | モンテカルロラリー初出場 | 12月19日 |
12 | サーキットから消えた男 | 1978年 1月2日 |
13 | いくぞ!南アフリカGP | 1月9日 |
14 | 当ってくだけろ! | 1月16日 |
15 | 逆転!モナコGP | 1月23日 |
16 | 見よ!レーサーの意地 | 1月30日 |
17 | 栄光へのスタート | 2月6日 |
補足
- ヨーロッパ圏でも「Formula 1」のタイトルで放送された。
- フォーミューラーやアバロレーシング、K-3をデザインしたのは村上克司。村上はカーデザイナーを志望していた事もあり、本作では村上はリアルなスポーツカーやレーシングカー等を描いている。
- この当時、東映動画は本作同様にモータースポーツをテーマとしたアニメ作品『アローエンブレム グランプリの鷹』(フジテレビ系列で放送)を制作していた。当時ポピーから発売された「バロックレーシング」のミニチュアカーには『グランプリの鷹』の主人公である轟鷹也がドライバーとして誤記されている。
- ポピニカでは、ルーベンカイザーF1、K-3、バロックセダン、バロックラリー、バロックレーシング、バンバが発売された。この他にもDXルーベンカイザーF1、DXアバロ、アバロ、アバロレーシングも発売が予定されていたが本番組が放送期間の短縮によって発売には至らなかった。
- 和光プロのプロデューサーでもあった本田毅は同じ和光プロ制作の『合身戦隊メカンダーロボ』の第09話の演出及びコンテを担当した富野喜幸を起用する予定だったが、富野監督は『ザンボット3』の総監督を務める事となったため、断られてしまったという証言を残している。
- 以前に発売された、1976年~1978年頃の東映動画・東映のアニメーション作品のOP映像とED映像を集めたビデオソフト(発売元:東映ビデオ)には、本作のOPとEDの映像も収録されていた。なお、本編の映像ソフト化は、2015年現在に至るまで一度も実現していない。
テレビ朝日系 月曜19:00枠 【当番組よりアニメ枠】 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
5年3組魔法組
【ここまで特撮番組枠】 |
激走ルーベンカイザー
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