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都市間高速鉄道計画

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Super Express
基本情報
製造所 日立製作所
主要諸元
編成 5両~10両
軌間 1,435
電気方式 交流25kV
最高運転速度 201~225
編成重量 412(10両)
車体長 21,000(気動車系列),26,000(電車系列)
車体幅 2,700
編成出力 4,000kW(5,500hp)
保安装置 ERTMS
備考 車体材 アルミ・鋼鉄(動力車)
軸配置 2'2'+Bo'Bo'+2'2'+Bo'Bo'+2'2' +Bo'Bo'+2'2'+Bo'Bo'+Bo'Bo'+2'2'(10両編成),2'2'+Bo'Bo'+Bo'Bo'+Bo'Bo'+2'2'(5両編成)
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日立スーパーエクスプレス(Super Express[1] )はイギリス運輸省が進めるインターシティエクスプレスプログラム(ICP)で選択され、使用が計画されている、日立製作所とイギリスの合弁企業が製造を行う予定の高速鉄道車両の名称である。最高速度は201km/hで、当初予定ではグレート・ウェスタン本線(GWML=en:Great Western Main Line)やイースト・コースト本線(ECML)での運用が計画されている。ICP応札のため設立された日立、英大手ゼネコンのJohn Laing社と、投資会社Barclays Private Equity出資の特別目的会社であるアジリティートレインズ[2]は、小規模な改良によって列車の最高速度を225km/hに向上出来ると述べている。車両には高速化のため必須となるヨーロッパでは鉄道運行システムの標準となる車内信号方式のERTMSが搭載される。

概要

スーパーエクスプレスは5両から10両の編成単位で、多様な車種が納入される予定である。交流25kV50Hz対応の架空電車線方式電車編成、ハイブリッドカー#鉄道方式の気動車編成、電車・気動車両対応編成("bi-mode")などが計画されている。アジリティートレインズでは、以下の5形式をあげている。

電気・ディーゼル両用編成では、両端の制御車が電力供給の役割を担っている。そのうち片方が架空電車線方式に対応し、集電装置変圧器整流器を搭載し、客室も備える。もう一方のハイブリッド方式の気動車には、ディーゼルエンジン、交流ブラシレス発電機二次電池が搭載されているが、装備品の大きさと騒音源に近いため、客室は持たず、外観は機関車に近い(欧州の高速車両によく見られるスタイル。)。これらの先頭車(制御車)は付随車で、中間車に編成全体の車軸の50%(MT比1:1)にあたる動力台車を装備し、電力引通線(ひきとおしせん)経由で供給される。

ハイブリッドシステムは、インターシティー125の編成で使用されているイギリス国鉄クラス43ディーゼル機関車 (HST)en:Class 43ディーゼル機関車客車で試用されたものと類似の方式となる。[3]

車両1両あたりの全長は26.0m(気動車の動力車のみ21.0m)、全幅は2.7mで、イギリスの車両限界に沿った寸法となっている。

展開

5両編成の車両はロンドンからのECMLやGWMLの路線の通勤輸送用での運用が計画されているが、オプションとしてウェスト・コースト本線の南区間でも使用が予定されている。他ではキングス・クロス駅からキングズ・リンやケンブリッジ方面への路線で、タイプ3の使用が予定されている。他の通勤輸送用の区間として、パディントン駅からのテムズバレー方面が予定されている。10両編成の投入が最初に予定されているのはECMLで、2013年からインターシティ125を置き換える他、エディンバラ方面へ向かうインターシティー225も置き換え対象となっている[4]

製造

アジリティトレインズでは、当初の70両分の車両構体は日本で製造し、イギリスへ航送することを予定している。イギリスでの合弁企業の新工場では、最終的に500人の従業員を採用し、車両を完成させる[5]

総額75億ポンドにもおよぶ契約を国外の企業と結んだことに対して、雇用確保の点から批判する者も多い。落札者となったアジリティートレインズのヒアリングにおいて、鉄道海員運輸労働者全国組合(en:Maritime and Transport Union's general)の委員長ボブ・クローは「英運輸省は高速列車の車両が、イギリスで製造されるのか、単に組み立てられるのか基本的な問題に答えていない。もし、日本が完全に高速列車の車両を自前で製造出来るのなら、イギリスに出来ない理由はない。」と発言している。

脚注

  1. ^ Our Super Express Train - Agility Trains
  2. ^ 英国の高速鉄道車両置き換えプロジェクトにおいて車両製造および保守事業の優先交渉権を獲得日立製作所 2009年2月12日
  3. ^ Press Release - Intercity Express Programme”. Agility Trains (2009年2月12日). 2009年2月12日閲覧。
  4. ^ Intercity Express Programme, United Kingdom - Rail Technology
  5. ^ David Millward (2009年2月13日). “Row as Japan-led consortium wins £7.5 billion train contract”. The Daily Telegraph. 2009年2月13日閲覧。

関連項目