放送管弦楽団
放送管弦楽団(ほうそうかんげんがくだん)、あるいは放送交響楽団(ほうそうこうきょうがくだん)は、オーケストラの一種で、主にテレビ・ラジオ放送用の演奏のために組織されたオーケストラである。
概要
放送管弦楽団
放送管弦楽団の大半はテレビ局が所有する管弦楽団であり、放送局が楽団に出資する、あるいは専属契約を交わす形態を取ることが多い。ドイツでは各地のラジオ局が設立したオーケストラがほとんどである。かつて放送用の背景音楽は収録する現場で演奏するかたちが主流だったことから、各地の放送局に設立された(NBC交響楽団のような例外もある)。概ねオペレッタやポピュラー音楽の伴奏をすることが多く、長く大編成の楽曲や現代音楽などの初演は行わないのが普通である。大体3管編成の70人ぐらいのプランシュテレンが普通である。
日本では、NHKの放送管弦楽団(NHK交響楽団、東京放送管弦楽団他)が有名であるほか、日本テレビ放送網・讀賣テレビ放送が読売日本交響楽団に出資している。この他、かつては東京放送(TBS・現:東京放送ホールディングス)が東京交響楽団、フジテレビジョン(現:フジ・メディア・ホールディングス)・文化放送が日本フィルハーモニー交響楽団とそれぞれ専属契約を交わしていたが、TBSは1964年に、フジテレビ・文化放送は1972年に契約を打ち切っている。
放送交響楽団
放送交響楽団の大半も放送局が所有する管弦楽団であるが、編成がより大きく、演奏時間が長いクラシック音楽のレパートリーではシビアーなプログラムで演奏に望むことが多い。当然ブルックナーやマーラーなどのレパートリーが範疇に入ってくる。また通常の定期演奏会では必ずポピュラーな曲と知られざる音楽をコンビで組むことが多く、これとはまた別に無名の音楽を発掘してスタジオ録音なども行う義務を負う。更に年に数回は放送局独自の委嘱作品を初演する義務があり通常は公開され録音し放送される。毎年のように来日するドイツの放送交響楽団はその典型的な例である。大体5管編成の120人ぐらいのプランシュテレンが普通である。
主な放送管弦楽団
主な放送交響楽団
ドイツ
放送局の所有
- バイエルン放送交響楽団
- 北ドイツ放送交響楽団
- ベルリン放送交響楽団
- ケルン放送交響楽団
- hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)
- シュトゥットガルト放送交響楽団(SWR)
- 南西ドイツ放送交響楽団(バーデン・バーデン=フライブルクSWR交響楽団)
- ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
- MDR交響楽団
放送局との専属契約
イギリス(BBC)
その他のヨーロッパ諸国
- フランス国立管弦楽団(フランス)
- フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(フランス)
- RAI国立交響楽団(イタリア・トリノ)
- ウィーン放送交響楽団(オーストリア・ORF)
- プラハ放送交響楽団(チェコ)
- フィンランド放送交響楽団(フィンランド)
- DR放送交響楽団(デンマーク)
- ポーランド国立放送交響楽団(ポーランド)
- モスクワ放送交響楽団(ロシア)
- スロヴァキア放送交響楽団(スロヴァキア)
- アイルランド国立交響楽団(アイルランド)