嫦娥2号

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嫦娥2号
嫦娥2号
嫦娥2号のCG
所属 中国国家航天局
国際標識番号 2010-050A
カタログ番号 37174
観測対象
打上げ場所 西昌衛星発射センター
打上げ機 長征3C
打上げ日時 2010年10月1日 18時59分 (CST)
物理的特長
質量 2,500 ~ 2,600 kg
軌道要素
周回対象
高度 (h) 約100 km
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嫦娥2号(じょうが2ごう/Chang'e 2)は、中華人民共和国2010年10月1日に打上げた月探査機[1]。中国2機目の月周回機

ミッション

嫦娥1号とほぼ同設計であるが、解像度10メートルという高解像度CCDカメラと改良した3Dカメラを搭載するなど、いくつかの変更点がある[2]嫦娥1号よりも低い月軌道の高度100kmで観測を行い[3]、撮影された画像は、中国初の月着陸機嫦娥3号の着陸地の選定にも使用される予定である[4]

2010年5月の中国宇宙飛行基金受賞大会では、月面に向けて衝突体を発射する予定であることが明らかにされた[4]が、このようなことは行われなかった。

運用

2010年の国慶節建国記念日)である10月1日に長征3号Cによって打ち上げられた[5]。嫦娥2号はこのまま直接月に向かって飛行し、数回の軌道補正マヌーバを行った後、10月6日に月周回楕円軌道(周期約12時間)に投入された[6]。その後北京航空飛行管制センターは数回の軌道修正を行い、「嫦娥2号」を周期約118分のミッション軌道(使命軌道)に遷移させた[7]

10月28日午後6時25分(北京時間)に、月面から高度18.7kmまで接近して、虹の入り江地域を撮影した[8]。この写真は11月8日に公開され、同写真の除幕式には温家宝首相も出席した[8]

予定していた回数よりも少ない噴射で高い精度の軌道を得ることが出来たので、余った推進剤で月周回軌道を離脱させ、太陽-地球L2に送り込むことになった[9]。2011年6月8日と9日にスラスターを噴射させ月周回軌道を離脱、6月20日に軌道修正を実施した[9]。同月25日に太陽-地球L2に到達[9]。今後寿命が尽きるまで、宇宙空間探査を行う予定とした[9]

脚注

  1. ^ China Shows U.S. Delegation Next Spacecraft”. Aviation Week (2009年9月25日). 2009年9月29日閲覧。
  2. ^ 嫦娥2号は組立て及び試験へ、2010年末までに打上げ” (December 28 - 2009). 2010年7月17日閲覧。
  3. ^ Bodeen, Christopher (2009年11月27日). “China to launch second lunar probe next October”. Associated Press. オリジナルの2009年11月27日時点におけるアーカイブ。. http://www.webcitation.org/5lbDCuldI 2009年11月27日閲覧。 
  4. ^ a b 2010年10月に「嫦娥2号」を打ち上げ、衝突体の発射も” (May 8 - 2010). 2010年7月17日閲覧。
  5. ^ “中国が月探査船「嫦娥2号」の打ち上げに成功…07年以来2回目” (日本語). サーチナ. (2010年10月1日). http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1001&f=national_1001_231.shtml 2010年10月1日閲覧。 
  6. ^ “中国、2機目の月周回探査機「嫦娥2号」を打ち上げ”. sorae.jp. http://www.sorae.jp/030809/4157.html 2010年10月1日閲覧。 
  7. ^ “「嫦娥2号」、月周回軌道投入成功”. sorae.jp. http://www.sorae.jp/031007/4165.html 2010年11月8日閲覧。 
  8. ^ a b “嫦娥2号撮影の月面写真を公開、温首相出席して除幕式=中国”. サーチナ. http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1108&f=national_1108_104.shtml 2010年11月8日閲覧。 
  9. ^ a b c d “中国の月探査機「嫦娥2号」がラグランジュ2に到達…高精度保つ”. サーチナ. http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0831&f=national_0831_085.shtml 2011年9月1日閲覧。 

関連項目