GRAIL

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GRAIL
Gravity Recovery and Interior Laboratory
GRAIL.jpg
所属 アメリカ航空宇宙局 (NASA)
ジェット推進研究所 (JPL)
主製造業者 ロッキード・マーティン
マサチューセッツ工科大学
公式ページ NASA - GRAIL
国際標識番号 2011-046A
カタログ番号 37801
状態 運用終了
目的 月探査
観測対象
打上げ場所 ケープカナベラル空軍基地
打上げ機 デルタII 7920-H
打上げ日時 2011年9月10日
16時8分52秒(UTC
2011年9月10日
9時58分52秒(EDT
軌道投入日 2011年12月31日 (GRAIL-A)
2012年1月1日 (GRAIL-B)[1]
消滅日時 2012年12月17日PST
物理的特長
質量 132.6kg(乾燥質量)
発生電力 太陽電池リチウムイオン電池
計700W
脚注:[2]

GRAIL: Gravity Recovery and Interior Laboratory, グレイル)は、2011年に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局(NASA)の月探査機。2機の探査機の軌道から月の重力分布を高精度で測定し、月の内部構造を、さらには月の歴史と進化を解明することを目標としている。ディスカバリー計画のミッションとして選定された探査機である。 2機の衛星の名前は学生からの一般公募で、GRAIL-AがEbb、GRAIL-BはFlowが選ばれた[3]

マサチューセッツ工科大学Maria ZuberがGRAILの主任研究者で、ジェット推進研究所が計画を担当する。

重力分布の測定技術はGravity Recovery and Climate Experiment (GRACE)で使用されたものと似ており、探査機の設計はXSS-11を基としている[4]

設計・運用[編集]

デルタ IIによるGRAILの打上げ。

GRAILミッションは月の極軌道を周回する2機の探査機から構成される。各探査機は他方の探査機や地上施設からのテレメトリーを受信し、2機の間にある距離の差を測定することによって月の重力分布と地質構造を得る。

GRAILはデルタ IIによって2011年9月10日に打ち上げられた。2機の探査機は燃料を節約するため直接月へ向かわず、代わりに地球や月の重力を利用して飛行を続け[5]、グレイルAは2011年12月31日、グレイルBは2012年1月1日に月周回軌道に到達した[1]。1月17日、NASAは2機の探査機の愛称を「エッブ (Ebb)」「フロー (Flow)」とすることを発表した[6]

エッブとフローは軌道を修正した後、2012年3月8日から3ヶ月間の科学観測を開始した[1][7]。5月29日、主要な探査が予定より早く終了し、探査機は搭載機器の電源をオフにした。延長探査は8月30日から実施され、それまで2機の探査機は機器の電源をオフにしたまま飛行を続けた[7]

2012年12月18日(日本時間)、残燃料が少なくなったことから両探査機について制御衝突による月面への衝突が実行された。GRAIL-Aについては日本時間で18日午前7時28分51秒、GRAIL-Bについてはその30秒後の29分21秒に、月面の北極付近のゴールドシュミット・クレーター近辺にある山の斜面に衝突して探査を終了した。なお、衝突した場所については、本探査に教育用カメラを搭載するなど、大きな功績を残したアメリカ初の宇宙飛行士、サリー・ライドの名前をとり、「サリー・ライド衝突点」と名付けられている [8]

機体[編集]

  • 大きさ:0.95m×0.76m×1.09m
  • 重量:132.6kg(乾燥質量)

搭載装置[編集]

  • Ka band Lunar Gravity Ranging System (LGRS)
  • Radio science beacon (RSB)
  • ムーンカム(MoonKam) - 月探査機のカメラを利用し、月面の写真を撮影する取り組み。日本の関西創価学園が参加してる。[9]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c “双子の月探査機「グレイル」、月周回軌道への投入に成功!”. アストロアーツ. (2012年1月5日). http://www.astroarts.co.jp/news/2012/01/05grail/index-j.shtml 2012年1月5日閲覧。 
  2. ^ The GRAIL Mission: A Fact Sheet”. Sally Ride Science (2010年). 2010年4月15日閲覧。
  3. ^ “Montana Students Submit Winning Names for NASA Lunar Spacecraft”. NASA. http://www.nasa.gov/home/hqnews/2012/jan/HQ_12-019_GRAIL_Name.html 2012年1月18日閲覧。 
  4. ^ Taylor Dinerman (2007年12月31日). “Is XSS-11 the answer to America’s quest for Operationally Responsive Space?”. The Space Review. http://www.thespacereview.com/article/1026/1 
  5. ^ “月重力測定の兄弟探査機「グレイル」打ち上げ成功”. アストロアーツ. (2011年9月12日). http://www.astroarts.co.jp/news/2011/09/12grail/index-j.shtml 2012年1月5日閲覧。 
  6. ^ “月探査機グレイルの2機の名前が「エブ」と「フロー」に”. 月探査情報ステーション. (2012年1月20日). http://moonstation.jp/ja/blog/?itemid=511 2012年12月18日閲覧。 
  7. ^ a b NASA Lunar Spacecraft Complete Prime Mission Ahead of Schedule”. NASA (2012年5月29日). 2012年6月24日閲覧。
  8. ^ “月探査機グレイル、月面に落下、落下場所は「サリー・ライド衝突点」と命名”. 月探査情報ステーション. (2012年12月18日). http://moonstation.jp/ja/blog/?itemid=606 2012年12月18日閲覧。 
  9. ^ 『聖教新聞』2012年12月5日

外部リンク[編集]