北海帝国
北海帝国(ほっかいていこく、英語: North Sea Empire、1016年 - 1042年)は、カヌート(クヌーズ)大王がイングランド・デンマーク・ノルウェーの3国の王に就いたため成立した国家連合(同君連合)。現在のスウェーデン南部もその支配下に置いた。「北海帝国」の名は、領域が北海を囲むかたちで広がることに由来する。
概要
イングランドに侵攻したデンマークの王子クヌーズ(スヴェン1世の子)が1016年、アングロ・サクソン封建家臣団の会議で王に推挙され、イングランド王カヌートとして即位したことによって成立した。1018年には兄のハーラル2世の死によりデンマーク王位を継承、その後はノルウェーやスウェーデンに遠征して勢力を拡大し、1028年にはノルウェー王位も兼ねた。
しかし、1035年のカヌートの死の数年後、イングランドではアングロ・サクソン系王朝が復位し、北海帝国は崩壊した。また、11世紀なかばすぎにはデンマークのヴァイキング勢力は大きく後退した[1]。帝国支配の裁量はすべてカヌート大王によるものであったため、カヌートが死ぬと帝国は四分五裂し、死後7年目にはカヌート大王の王家(スキョル家)に残ったのはデンマーク一国のみとなった。
このように、同君連合としての北海帝国はヨーロッパ史において短期間に終わったが、イングランドにおいては東部の「デーンロー」と呼ばれる地域には、デーン人は慣習法や方言などの面で後世におよぶ大きな影響をのこし、イングランド語(英語)にも、デーン人の言語である古ノルド語の語彙が多数残ったといわれる[注釈 1] 。
歴代王
脚注
注釈
- ^ law(法)も古ノルド語といわれる。
出典
参考文献
- 武光誠『世界地図から歴史を読む方法』河出書房新社〈KAWADE夢新書〉、2001年4月。ISBN 4-309-50217-2。
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