加越トンネル
概要 | |
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路線 | 北陸新幹線 |
位置 | 日本 富山県、石川県 |
座標 | 北緯36度42分55.5秒 東経136度50分36.5秒 / 北緯36.715417度 東経136.843472度座標: 北緯36度42分55.5秒 東経136度50分36.5秒 / 北緯36.715417度 東経136.843472度 |
現況 | 放棄(未貫通) |
起点 | 富山県小矢部市 |
終点 | 石川県河北郡津幡町 |
運用 | |
建設開始 | 1989年(平成元年)8月2日 |
所有 | 日本鉄道建設公団 |
管理 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) ※同社には引き渡されていない。 |
通行対象 | 鉄道車両(新幹線専用) |
技術情報 | |
軌道数 | 2(複線) |
軌間 | 1,435mm(標準軌) |
加越トンネル(かえつトンネル)は北陸新幹線の新高岡駅 - 金沢駅間に建設中だったトンネルである。ルート変更により営業に使用されることなく放棄された。
経緯
1989年(平成元年)1月17日の整備新幹線本格着工の決定に伴い、同年8月2日に難工事先行工事として着工した。このときの新幹線のルートは、高岡駅を経由して金沢へ向かうものであった。
しかし、この区間を経営する西日本旅客鉄道(JR西日本)は、北陸新幹線の開業後、並行在来線の北陸本線のうち、津幡 - 高岡間、魚津 - 糸魚川間の経営分離を求めていた。北陸新幹線が開業するとJRから経営分離されることになる並行在来線の沿線からはこれに反発する声があり、地元の富山県では新幹線の建設促進と並行在来線問題を同時に解決できる方策を検討していた。
1991年(平成3年)6月14日に中沖豊富山県知事から運輸省に対してルート変更案の説明があった。これは富山県内で従来のルートより南側に線路を移し、高岡駅ではなく石動駅で在来線と接続するようにするものであった。これにより、経営分離の範囲を津幡 - 高岡間ではなく津幡 - 石動間にし、富山県内の区間の存続を確実にしようとする狙いがあった。同年10月13日に運輸省がルート変更案を了承し、12月19日に新しいルートでの建設予算が計上されることが決まった。またこの日に、既に加越トンネルの建設に投入された8.8億円は、富山県が負担することが決定された。
参考文献
- 角一典「整備新幹線着工の政治過程 (2) -1989年スキームの変性過程-」『北海道教育大学紀要, 人文科学・社会科学編』第59巻第1号、2008年8月、2010年11月13日閲覧。
外部リンク
- 小矢部市議会だより No.157 (PDF) - 加越トンネル坑口の現地視察の写真が表紙に掲載されている