創元推理短編賞
創元推理短編賞(そうげんすいりたんぺんしょう)は1994年から2003年までの間、東京創元社によって主催された、推理小説を対象とする公募新人文学賞である。受賞作及び選評などは東京創元社の文芸雑誌『創元推理』および『創元推理21』に掲載されていた。
2004年、発表誌の誌名が『ミステリーズ!』に変更されたのに伴い、ミステリーズ!短編賞に改称した。
選考委員
受賞作一覧
- 第1回(1994年) - 応募総数123 - 剣持鷹士 「あきらめのよい相談者」
- 第2回(1995年) - 応募総数362 - 該当作なし
- 第3回(1996年) - 応募総数308 - 伊井圭 「高塔奇譚」
- 第4回(1997年) - 応募総数267 - 佳作 大倉崇裕 「三人目の幽霊」、緑川宝 「喪のしごと」
- 第5回(1998年) - 応募総数272 - 該当作なし
- 第6回(1999年) - 応募総数345 - 佳作 奥宮和典 「おじいさんの内緒」
- 第7回(2000年) - 応募総数273 - 佳作 伊神貴世 「シェイクスピア狂い――十三人目の幽霊たちへ」
- 第8回(2001年) - 応募総数235 - 氷上恭子 「とりのなきうた」
- 第9回(2002年) - 応募総数210 - 山岡都 「昆虫記」
- 第10回(2003年) 応募総数235 - 加藤実秋 「インディゴの夜」、獅子宮敏彦 「神国崩壊」
収録雑誌・書籍
- 剣持鷹士 「あきらめのよい相談者」 - 『創元推理』6(1994年)、『あきらめのよい相談者』(1995年創元クライム・クラブ/2005年創元推理文庫)
- 伊井圭 「高塔奇譚」 - 『創元推理』14(1996年)、『啄木鳥探偵處』(1999年創元クライム・クラブ/2008年創元推理文庫)
- 大倉崇裕 「三人目の幽霊」 - 『創元推理』17(1997年)、『三人目の幽霊』(2001年創元クライム・クラブ/2007年創元推理文庫)
- 緑川宝 「喪のしごと」 - 『創元推理』17(1997年)
- 奥宮和典 「おじいさんの内緒」 - 『創元推理』19(1999年)、『ザ・ベストミステリーズ 2000 推理小説年鑑』(2000年講談社)、『罪深き者に罰を ミステリー傑作選42』(2002年講談社文庫)
- 伊神貴世 「シェイクスピア狂い――十三人目の幽霊たちへ」 - 『創元推理』20(2000年)
- 氷上恭子 「とりのなきうた」 - 『創元推理21』2001年冬号
- 山岡都 「昆虫記」 - 『創元推理21』2002年秋号
- 加藤実秋 「インディゴの夜」 - 『ミステリーズ!』vol.02(2003年)、『インディゴの夜』(2005年ミステリ・フロンティア/2008年創元推理文庫)
- 獅子宮敏彦 「神国崩壊」 - 『ミステリーズ!』vol.02(2003年)、『神国崩壊 探偵府と四つの綺譚』(2009年ミステリー・リーグ、原書房)
その他発表作品
受賞には至らなかったが、選考会で話題になり『創元推理』および『創元推理21』に掲載された作品。または、東京創元社から刊行された作品。
- 第2回最終候補作
- 受賞作は出なかったもの、以下の6編が『推理短編六佳撰』(創元推理文庫、1995年)にまとめられて刊行された。
- 遠田緩「萬相談百善和尚」
- 釣巻礼公「崖の記憶」 - のちに小説現代推理新人賞(1995年)を受賞
- 永多正夢「試しの遺言」
- 永井するみ「瑠璃光寺」 - のちに小説推理新人賞(1996年)と新潮ミステリー倶楽部賞(1996年)を受賞
- 那伽井聖「憧れの少年探偵団」 - のちに秋梨惟喬名義でミステリーズ!新人賞(2006年)を受賞
- 植松二郎「象の手紙」 - のちに別作品で織田作之助賞(1995年)を受賞
- 第3回最終候補作
- 瀬尾こると「西方より来りし葡萄、砂漠にてみどりなす物語」 - 『創元推理』16(1997年) - のちに小説現代推理新人賞(1997年)を受賞
- 新麻聡「五つのバーコード」 - 『創元推理』16(1997年)
- 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」 - 連作化して文庫書き下ろし『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫、1998年)
- 第6回最終候補作
- 高橋希嘉「トラの子渡し」 - 『創元推理』19(1999年)
- 新麻聡「新「心理試験」」 - 『創元推理』19(1999年)
- 第8回最終候補作
- 緑川聖司「見えない悪意」 - 『創元推理21』2002年夏号 (応募時筆名 湯川聖司) - のちに第1回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作(2003年)
- 竹林木凛「がまずみを探しに」 - 『創元推理21』2002年夏号
- 第9回最終候補作
- 笛吹太郎「強風の日」 - 『創元推理21』2003年春号