今宮純
いまみや じゅん 今宮 純 | |
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生誕 |
1949年3月18日 日本・神奈川県小田原市 |
死没 |
2020年1月4日(70歳没) 日本・東京都 |
出身校 | 慶應義塾大学 |
職業 |
モータースポーツ・ジャーナリスト モータースポーツ解説者 |
配偶者 | 今宮雅子 (妻) |
今宮 純(いまみや じゅん、1949年3月18日 - 2020年1月4日[1])は、日本のモータースポーツ・ジャーナリスト。日本モータースポーツ記者会(JMS)会員。
経歴
[編集]神奈川県小田原市出身。神奈川県立平塚江南高等学校、慶應義塾大学文学部図書館学科卒業。
大学時代から自動車研究会に所属するかたわら、アルバイトを兼ねて「カーグラフィック」などの自動車専門誌にレース関連の記事を寄稿していた。1973年にはヨーロッパへ取材を兼ねたレース観戦旅行に出かけ、F1オランダGPを観戦した[2]。大学卒業後もフリーのジャーナリストとしてレース雑誌を中心に執筆活動を続けたが、当時は第一次オイルショック直後で日本の自動車メーカーが一斉にワークス活動から手を引いた時期であり、フリーの今宮もジャーナリストとしての仕事がほとんどもらえない状態だったため、一時パチプロとして生計を立てていた時期もあったという[3]。
1976年、F1日本初開催の「F1世界選手権イン・ジャパン」を密着取材し、4万字のレポートを「オート・テクニック」に寄稿した[4]。以降はレギュラーの仕事が増え、海外でF1やル・マン24時間レース、ヨーロッパF2を取材する。
1981年からはTBS系で放送された全日本F2選手権や富士GCシリーズのテレビ中継でピットレポーターを務めたほか、世界耐久選手権(WEC)やインディ500のテレビ中継で解説を務める。当時ピットレポーターとしてコンビを組んでいたのが安藤優子で、全日本F2選手権を舞台にした東宝映画『F2グランプリ』(1984年公開)に本人役で共に出演している。また1994年のF1パシフィックGPでは安藤がゲストリポーターを務め、久々のコンビ復活となった。
1987年より、フジテレビが『F1グランプリ』としてF1全戦の中継を開始し、レギュラー解説者として起用された。同局の『プロ野球ニュース』のF1コーナーや情報番組『F1ポールポジション』にも出演していた。また、東京中日スポーツが1990年の紙面リニューアルでモータースポーツ面を強化したことに伴い、同紙のスーパーバイザーに就任している。日本でF1ブームが過熱すると今宮の認知度も高まり、解説・執筆・講演など多方面の活動を通じて、モータースポーツを世間に広める役割を果たした[5]。
1994年のサンマリノGPでアイルトン・セナが事故死し、レース後の生中継では号泣しながら「とくにモータースポーツに働いているものの一人とすれば、やはり受け止めなければいけない」、「こういう事実から、モータースポーツは、続いていくんですね」、「来来週は、モナコグランプリですが、セナはいませんが、F1は続いていくわけです」とコメントした[6]。1995年は同じくフジテレビが全戦の放映権を取得した全日本F3000選手権の専属解説者を務め、翌1996年から再びF1中継の解説に復帰。2003年からは地上波中継から離れ、川井一仁と共にフジテレビ721→フジテレビNEXTで生中継されるF1中継の解説を担当した。
2020年1月4日、虚血性心疾患のため東京都内の自宅で急死した[1]。70歳没。6日前の2019年12月29日付の公式ツイッターに、F1ファンへの年末の挨拶のメッセージを残していた[7]。
今宮の死去後、中嶋悟は取材を受け「僕はあまりジャーナリストと親しくならないけど、普通に話をできる数少ない相手でした。天国のサーキットを下調べしといてよ。僕のことも含めて日本と世界のレースを世に知らしめ続けてくれて、本当にありがとう。」と今宮への感謝を語った[8]。
主な著書
[編集]- エキサイティングエフ・ワン(曜曜社出版 1987 ISBN 4-89692-038-4)
- F1大百科シリーズ(勁文社 ケイブンシャブックス)
- 1/1000秒の攻防 後藤治との対話から(勁文社 1990 ISBN 4-7669-1118-0)
- F1おもしろクイズグランプリ(三推社 別冊ベストカー 1991 ISBN 4-06-178498-6)
- F1ロマネスク(勁文社 1992 ISBN 4-7669-1604-2)
- ミスターF-1 フライング・ジャパニーズ 中嶋悟の20年(小学館 1992 ISBN 4-09-363401-7)
- F1グランプリ パドック・パス 1992(講談社 1992 ISBN 4-06-205824-3)
- モータースポーツ・ジャーナリスト 青春編(三樹書房 1998 ISBN 4-89522-230-6)
- F1ドキュメント(山海堂 2000 ISBN 4-381-02174-6)
- 流転。F1ジャパン・グランプリ1976(東方出版 2014 ISBN 4-8094-1209-1)
脚注
[編集]- ^ a b “日本のF1報道のパイオニア、モータースポーツ・ジャーナリストの今宮純氏が死去”. AUTOSPORT web (2020年1月10日). 2020年1月10日閲覧。
- ^ このオランダGPではロジャー・ウィリアムソンの死亡事故が起きている。
- ^ 『モータースポーツジャーナリスト青春編』p.63
- ^ “Profile”. F1-WORLD by Jun Imamiya. 2020年1月10日閲覧。
- ^ “日本のF1テレビ解説の先駆者、今宮純氏が急逝。享年70歳”. motorsport.com. (2020年1月10日) 2020年1月10日閲覧。
- ^ イギリス製作のドキュメンタリー映画『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ』(2010年)にこの場面の中継映像が使用されている。
- ^ f1-world by IMAJUN [@f1worldbyimajun] (2019年12月29日). "長い19年シーズン、F1LOVERS皆様からのサポート、ありがとうございました。". X(旧Twitter)より2020年1月10日閲覧。
- ^ 中嶋悟が語る、今宮純さんとF1「気持ちを許してしゃべれた」 Sports Graphic Number 文芸春秋 2020年2月19日
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- F1World.jp 今宮純公式サイト
- f1-world by IMAJUN (@f1worldbyimajun) - X(旧Twitter)