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リアルネットワークス

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リアルネットワークス (RealNetworksNASDAQ: RNWK) は、インターネットメディアデリバリーソフトウェアおよびサービスの提供企業。本社はアメリカ合衆国シアトル。日本法人は東京都新宿区西新宿にあるリアルネットワークス株式会社。

この企業は音楽圧縮フォーマットRealAudioおよびビデオ圧縮フォーマットRealVideoRealPlayerでよく知られており、かつてはストリーミングの分野でリーダー的存在となっていた。

RealMediaと呼ばれるストリーミングファイル形式には、RealAudioRealVideoのストリームとSMILのようないくつかの他のフォーマットを含むことができる。Helixはリアルネットワークスのオープンソースのメディア・フレームワークである。そのコードはいくつかのライセンス下でリリースされており、RealNetworks Public Source License(2003年)やGPL(2004年)がある。ソース全体がGPLライセンス下でリリースされているわけではない。特にコーデックはGPLではない。

音楽販売

2003年8月、リアルネットワークスは Listen.com の 「Rhapsody」 という音楽サービスを買収し、「RealRhapsody」と改称した。月額料金で音楽のダウンロードが出来る。2004年1月、RealPlayer Music Store の創設が発表された。デジタル著作権管理(DRM)された音楽をAACファイル形式で提供する。当初、「Helix DRM」という独自DRMを推進していたが、対応プレイヤーとしては Creative Zen Xtra ぐらいしかなかった。その後 Harmony と呼ばれる技術を導入し、iPodWindows Media Audioに対応したデバイスで Helix DRM 対応の音楽を演奏できるようにするラッパーを提供するようになった。

歴史

リアルネットワークス(Progressive Networksが最初の社名)は、1993年にマイクロソフトの元重役 ロブ・グレイザー (en) が設立した。当初は 革新的かつ政治的コンテンツの配給経路を提供することを目的としていた。その後すぐに技術ベンチャーとなり、インターネットでの音楽配信促進を目的とするようになる。1997年9月、Progressive Networks は リアルネットワークス(RealNetworks)に改称した。

沿革

  • 1993年11月 - Progressive Networks 設立
  • 1995年4月 - RealAudio 1.0 リリース(1995年6月)
  • 1995年8月 - インターネットで初めて野球の試合(シアトル・マリナーズニューヨーク・ヤンキース)を放送
  • 1995年10月 - RealAudio 2.0 リリース (1996年4月)
  • 1996年9月 - RealAudio 3.0 リリース。シェリル・クロウのシングル "If It Makes You Happy" が RealAudio 3.0 形式で配信される。
  • 1996年10月 - ネットスケープコミュニケーションズと共にRTSP(Real Time Streaming Protocol)標準化イニシアチブを結成
  • 1997年2月 - RealVideoRealPlayer 4.0 の一部としてリリースされる。(1997年6月)
  • 1997年7月 - マイクロソフトと包括的提携契約
  • 1997年9月 - RealSystem 5.0 登場。Macromedia Flash(現:Adobe Flash)サポート。
  • 1997年9月 - リアルネットワークスに改称。米国証券取引委員会に株式公開を申請。
  • 1997年11月 - NASDAQ株式上場
  • 1998年3月 - Vivo Software を買収
  • 1998年4月 - RealSystem G2 登場。G2は大幅なアーキテクチャ変更が行われ、プラグインの開発が可能となった。RTSP, SMIL, GIF, JPEG, RealPix, RealTextをサポート。
  • 1998年7月 - Rob Glaser がアメリカ合衆国上院マイクロソフト社との競合について証言
  • 1999年7月 - 「StreamWorks」を開発するXing Technology (en) を買収
  • 1999年5月 - RealJukebox 1.0 リリース
  • 1999年11月 - RealPlayer 7 リリース。MP3サポート
  • 2000年5月 - RealSystem 8 と RealVideo 8 リリース
  • 2001年7月 - 従業員15%削減
  • 2001年9月 - RealOne Platform リリース
  • 2002年1月 - RealOne 利用者が50万人を突破
  • 2002年4月 - RealVideo 9 リリース
  • 2002年7月 - Helix イニシアチブが Helix Universal Server と共にスタート。これにはオープンソースライセンスで独自技術の本質的部分をリリースする計画が含まれる。Ogg Vorbisサポートのため、Xiph.org とのパートナーシップを発表。
  • 2002年8月 - 従業員11%削減
  • 2002年10月 - Helix DNA Client のソースコードオープンソースとしてリリース
  • 2002年12月 - Helix DNA Producer のソースコードをオープンソースとしてリリース
  • 2003年1月 - Helix DNA Server のソースコードをオープンソースとしてリリース
  • 2003年8月 - Listen.com の Rhapsody 音楽サービスを買収し、RealRhapsody に改称
  • 2004年1月 - iTunes Music Store(現:ITunes Store)に対抗して RealPlayer Music Store を発表
  • 2004年7月 - アップルコンピュータFairPlayリバースエンジニアリングで調査し、iPod上でリアルネットワークスのサイトで購入した音楽が演奏できるようにする。www.musicfreedomofchoice.org(既に存在しない)というサイトでアップルに対してアップルの製品から締め出さないで欲しいと請願し、署名運動を展開しようとしたが、署名者の多くがリアルネットワークスに対しても同様の不満を言い出したため、サイトを閉鎖。
  • 2005年10月 - 2004年12月に「デジタル音楽ビジネスにおいてWindowsが他社を締め出している」としてマイクロソフトを対して起こした反トラスト法に関する訴訟でマイクロソフトがリアルに4億6000万ドル (約524億円) を支払う事で和解。これとは別に3億100万ドル (約343億円) 支払いと、MSN MessengerなどでRhapsody の販売促進に協力することを同意した。
  • 2006年1月 - 消費者獲得のため、共同ブランド Starz サービスを通して14日間の無料かつ無制限の映画ダウンロードサービスを開始
  • 2006年2月6日 - オランダのゲーム会社Zylomを買収。
  • 2006年3月 - 携帯電話向けオンデマンドビデオサービスを提供している Cingular Video および Cingular Wireless にはリアルネットワークスの Helix メディア配信技術が使われていることを発表。今後80の携帯キャリアと6000万個の携帯電話で Helix 技術が使われるだろうとのこと。
  • 2006年9月13日 - モバイルコンテンツ配信の米Playphoneと提携し携帯電話向けコンテンツ配信サイト「RealArcade」を立ち上げる。
  • 2007年5月16日 - モバイル音楽配信事業を手がけるSony NetServicesの買収を発表。
  • 2007年9月27日 - ゲームインフラの米Game Trustの買収を発表。
  • 2008年2月22日 - ゲーム配信会社米Trymediaを買収。
  • 2008年9月 - 著作権保護された市販DVD-VideoをハードディスクなどにコピーできるソフトウェアRealDVDを発売。しかし直後にMPAAから訴えられ、販売差し止め命令が下った。
  • 2012年1月27日 - インテルが、リアルネットワークスの保有するストリーミング・メディア関連特許とビデオ・コーデックを買収することを発表した。買収は約190の特許と170の特許出願、ビデオコーデック・ソフトウェアが対象となり、買収金額は1億2,000万ドル。インテルはライバルであるAMDにストリーミング・メディア技術において大きく引き離されており、本買収によりAMDとの技術的な差を埋めることを目指すとしている。

外部リンク

以下、英文