ミャンマーの行政区画

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ミャンマーは7つの地方域(タイン・データー・ジー)、7つの(ピーネー)、5つの自治区と1つの自治管区から構成される。

エーヤワディ地方域が最も人口が多く、ヤンゴン地方域が最も人口密度が高く、カヤー州が最も人口が少ない。面積はシャン州が最も広く、ヤンゴン地方域が最も狭い。5つの自治区はそれぞれ、ザカイン地方域内ナガ自治区、シャン州ダヌ自治区、パオ自治区、パラウン自治区、コーカン自治区。自治管区は、ワ自治管区である。

州や地方域などは、「カヤイン」(District)に分割される。「カヤイン」は「ミョーネー」(Township)に分割される。「ミョーネー」のなかに市・町(ミョー:Town)、小区(ヤッケッ:Ward)や村(ジェーユワ・オウ・スー:Village Tract)が位置する。村は集落(ジェーユワ)が集まった区画である。


行政区画

人口値は全て2014年国勢調査時点[1]

州、地方域

ミャンマーの州、地方域。

2001年12月31日時点での行政区画の数。

No. 州/地方域
(State/Region)
州都/首府
(Capital)
人口 面積
(km²)

(District)
郡区
(Township)
市/町
(City/Town)
小区
(Wards)

(Village Groups)
集落
(Villages)
1 カチン州の旗 カチン州 ミッチーナー 1,689,654 89,041 3 18 20 116 606 2630
2 カヤー州の旗 カヤー州 ロイコー 286,738 11,733 2 7 7 29 79 624
3 カレン州の旗 カレン州 パアン 1,572,657 30,383 3 7 10 46 376 2092
4 チン州の旗 チン州 ハッカ 478,690 36,019 2 9 9 29 475 1355
5 ザガイン地方域の旗 ザガイン地方域 ザガイン 5,320,299 94,625 8 37 37 171 1769 6095
6 タニンダーリ地方域の旗 タニンダーリ地方域 ダウェー 1,406,434 43,343 3 10 10 63 265 1255
7 バゴー地方域の旗 バゴー地方域 バゴー 4,863,455 39,404 4 28 33 246 1424 6498
8 マグウェ地方域の旗 マグウェ地方域 マグエ 3,912,711 44,820 5 25 26 160 1543 4774
9 マンダレー地方域の旗 マンダレー地方域 マンダレー 6,145,588 37,024 7 31 29 259 1611 5472
10 モン州の旗 モン州 モーラミャイン 2,050,282 12,257 2 10 11 69 381 1199
11 ラカイン州の旗 ラカイン州 シットウェ 3,188,963 36,778 4 17 17 120 1041 3871
12 ヤンゴン地方域の旗 ヤンゴン地方域 ヤンゴン 7,355,075 10,171 4 45 20 685 634 2119
13 シャン州の旗 シャン州 タウンジー 5,815,384 155,801 11 54 54 336 1626 15513
14 エーヤワディ地方域の旗 エーヤワディ地方域 パテイン 6,175,123 35,138 5 26 29 219 1912 11651
合計 63 324 312 2548 13742 65148

連邦領

ネピドーの位置。

連邦領(ミャンマーの連邦直轄地域)である建設都市・ネピドー市(首都)はマンダレー地方域内(南部)に建都されている(詳細は連邦領を参照)。

ネピドー連邦直轄市 1,158,367人 7,054.37km²

自治区、自治管区

ミャンマーの自治区、自治管区。

ミャンマーの自治区・自治管区は、ミャンマー憲法によって政府から自治権を得た民族による自治地域の事である。

自治区・自治管区は州・地方域に所属し、県と同じ位置にある。自治区・自治管区の下に郡区がある。

名称 首府 人口 面積(km²) 所属州・地方域
コーカン自治区 ラオカイ 154,748 1,844.5 シャン州の旗シャン州
ダヌ自治区 ピンダヤ 162,246 3,610.4 シャン州の旗シャン州
ナガ自治区 ラへー 116,952 12,729.6 ザガイン地方域の旗ザガイン地方域
パオ自治区 ホーポン 456,994 8,385.2 シャン州の旗シャン州
パラウン自治区 ナンサン 110,627 4,015.3 シャン州の旗シャン州
ワ自治管区
(事実上:ワ州
パンサン 542,487 12,429.4 シャン州の旗シャン州

歴史

イギリス統治時代

1900年に、ミャンマーはイギリス領インド帝国の州として下ビルマと上ビルマの2つの行政区画に分割された。下ビルマの首府はラングーン、上ビルマの首府はマンダレーであった。下ビルマは、アラカン、イラワジ、ペグー、テナセリムの4つに分割されていた。上ビルマは、メイッティーラ、ミンブ、ザガイン、北連邦シャン州、南連邦シャン州、ワの6つに分割されていた。

1922年10月10日、Bawlake、Kantarawaddy、Kyebogyiのカレニー州は、連邦シャン州の一部になった。1940年にミンブ管区はマグウェに改名した。メイッティーラがマンダレー管区の一部となった。

独立後

独立して、1948年1月4日にチン丘陵はアラカン管区からチン州として分離した。そしてマンダレー管区のミッチーナ、バモー地区がカチン州となった。 テナセリム管区のAmherst、Thaton、Toungoo地区がカレン州となった。カレニー州は連邦シャン州から分離した。連邦シャン州とワ州は合併してシャン州となった。

1952年、カレニー州はカヤー州に改名。1964年ラングーン管区がペグー管区から分離(ペグー管区の首府をペグーに変更)。さらに、カレン州はKawthule州に改名された。

1974年、ネ・ウィンの政権後、チン管区は州に改名し、首府もファラムからハッカに移った。Kawthule州は再びカレン州に改名された。モン州がテナセリム州から分離した。モン州の首府はモ-ルメイン、テナセリム州の首府はタボイになった。さらにラカイン管区が州となった。

2008年、新憲法により行政区分名称が一部変更。さらに5自治地域、1自治管区が設けられた[2]。2011年1月の新憲法発効後、それまで行政区分名称として使われていた「管区(Division、タイン)」に代わって「地方域(Region、タイン・データー・ジー)」が用いられるようになった[3]

脚注

  1. ^ Citypopulation.de Myanmar
  2. ^ トム・クレーマー「ミャンマーの少数民族紛争」『ミャンマー政治の実像―軍政23年の功罪と新政権のゆくえ―』工藤年博編、アジア経済研究所、2012年、p141
  3. ^ 田村克己、松田正彦『ミャンマーを知るための60章』(エリア・スタディーズ, 明石書店, 2013年10月)、14-15頁

参考文献

  • (財)自治体国際化協会(編)『ASEAN諸国の地方行政』(PDF版)、2004年

関連項目

外部リンク