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ボルトアクション方式

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ボルトアクション方式(ボルトアクションほうしき)とは、ボルト(遊底)を手動で操作することで弾薬の装填、排出を行う機構を有する小銃の総称である。

概要

リー・エンフィールドMk-IIIライフルの機関部を接写したもの。ボルトが引かれており、ボルトヘッドが見えている。

ボルトアクション機構は1836年ヨハン・ニコラウス・フォン・ドライゼによって発明されたドライゼ銃によって初めて実用化され、これを改良したモーゼル社などによって手動式連発銃として完成された。

それまでの銃に比べてはるかに早い発射速度を実現したボルトアクションは歩兵銃にパラダイムシフトを引き起こし、世界中の歩兵銃が更新された事で歩兵火器の代名詞的存在となった。第二次大戦を通じて、発射速度が高い自動小銃アサルトライフルに置き換えられるまで約100年の長きに渡り、歩兵銃を代表する存在としてその地位を保った。

今日でもボルトアクションは自動小銃に比べて構造が単純であるため、精度、信頼性、価格、整備性、耐久性の面での優位性がある。また自動小銃と違って発射装薬量を変更しても動作に影響を及ぼさないという利点があり、精密射撃に適した特性から、狙撃用、狩猟用、射撃競技用といった連射を重視しない用途では現在でも広く使われ続けている。

また、リー・エンフィールドMk-IIIライフルのようにボルトの引き操作が短いボルトアクション小銃であれば、習熟によって半自動小銃に匹敵する速射性を実現できる。

分類

ボルトアクション方式は、回転式ボルトアクション方式と、直動式(ストレートプル)ボルトアクション方式に分類される。

  • 回転式ボルトアクション方式
    ボルトに直結したボルトハンドル(槓桿)を起こしてボルトを回転させ薬室の閉鎖を解き、ボルトを後方に引き、排莢し、ボルトを前方に押し、弾薬を薬室に装填し、ボルトハンドルを倒してボルトを回転させ薬室を閉鎖する。モーゼル式小銃など、この方式がボルトアクションライフルの主流である。
  • 直動式(ストレートプル)ボルトアクション方式
    ボルトハンドルをそのまま後方に引き、また前方に戻せばいい。よって動作時間が短くなり、発射速度が向上する利点がある。しかし内部構造が複雑になるという欠点もある。この方式はオーストリアやスイスの小銃などに採用されており、ボルトアクションライフルとしては非主流である。スポーツ銃や猟銃や狙撃銃に適している。

コッキングの方式での分類としては、コックオンオープニング方式とコックオンクロージング方式がある。

  • コックオンオープニング方式
    ボルトハンドルを起こして倒すとコッキングされ撃発可能状態になる。そのためボルトハンドルを起こす際に力が要る。
  • コックオンクロージング方式
    ボルトハンドルを後方に引き、前方に押す(戻す)過程でコッキングされる。これも後方に引く時にコッキングされる方式と、(引いた後で)前方に押す(戻す)時にコッキングされる方式に分類される。

エアソフトガンにおけるボルトアクション方式

一般的なボルトアクションライフルの場合のボルトの機能は、弾薬の装填と排莢、薬室の閉鎖、撃鉄の引き起こしにあるが、空気銃玩具用空気銃にも、少なからず実銃を擬する形で、このボルトアクション方式を採用したものが見られる。この場合のボルトの機能は、ボルトハンドルを引いてから戻すことにより、空気の膨張と圧搾、及び弾の装填を一連の作業として行う。

主なボルトアクション方式ライフル

第二次大戦までの軍主力小銃
第二次大戦までの対戦車ライフル
第二次大戦後の狙撃用ライフル

関連項目