ニューヨーク市長
the City of New York Mayor | |
---|---|
呼称 | His Honor |
庁舎 | グレイシー・マンション |
任期 | 4年(二期目に連続当選するとさらに4年) |
初代就任 | トーマス・ウィレット |
創設 | 17世紀Lll |
継承 | ニューヨーク市市政監督官 (en) |
俸給 | $225,000 |
ウェブサイト | www.nyc.gov/mayor |
ニューヨーク市長(ニューヨークしちょう、Mayor of New York City)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市の市長である。
概要
ニューヨーク市長は、ニューヨーク市政府の行政府の長を務める。市長室は市のすべての行政サービス、公共資産、警察、消防、ほとんどの公共機関の運営、およびすべての市条例と州法の執行を司る。
市長が監督する市の予算額はおよそ年間$700億で、アメリカ合衆国の地方自治体の中で最大である[1]。市の職員は325,000人で、約$210億が110万人の生徒数を抱える国内最大の公立学校システムに使われる。税収は$270億で、$140億の助成金をニューヨーク州および連邦政府から受け取る。
市長執務室はニューヨーク市庁舎内に置かれている。市長室は5つの行政区(マンハッタン区、ブルックリン区、クイーンズ区、ブロンクス区、スタテンアイランド区)すべての司法権を有している。市長により、多くの職員(市の各行政局の長官を含む)および副市長(助役, deputy mayor)を任命する。市長に関する規約はニューヨーク市規則 (New York City Rules) 43章に綴られている。現行の法律では、市長職は連続で二期(計8年)までが最大の任期として定められている。2008年10月23日のニューヨーク市議会の可決で三期連続就任が認められたが、2010年の住民投票で再び最大二期連続へと差し戻された。
現職
2013年ニューヨーク市長選により、第109代ビル・デブラシオ(民主党)が現職を務める。
歴史
1665年、ニューヨーク植民地知事リチャード・ニコルズはトーマス・ウィレットを初代ニューヨーク市長に任命した。以降156年間、市長はニューヨーク州による指名(任命)制を取り、権限は限られていた。1783年から1821年まで、市長はニューヨーク州知事がもっとも発言権を持つ指名議会 (Council of Appointments) により指名されていた。1821年に選挙で選ばれた議員を含む市議会 (Common Council) が市長を選任する権限を得た。1834年、ニューヨーク州憲法 (New York Constitution) の改正により市長は市民の直接選挙により選ばれるようになった。この年、民主党のCornelius W. Lawrenceが選出された。
フィオレロ・ラガーディアの任期中の1942年以来、グレイシー・マンションが市長官邸となっている。このメインフロアは一般公開されており、小さなミュージアムとなっている。
市長の年給は$225,000であるが[2]、当時世界で16番目の富豪であったマイケル・ブルームバーグ市長は全額を受け取らず、年給$1で市長を務めた[3]。2014年時点でのブルームバーグの資産は$330億と推定されている。
2000年、市の公立学校システムの統括権限は市長室へと移された。2003年にはニューヨーク市教育局の組織改定が行われた。
タマニー・ホール
タマニー・ホールは職人組合から発展した政治組織であり、1861年には州および市の民主党の指名を実質支配した。1960年代までニューヨーク市の政治に多大な影響力を持った。1854年のen:Fernando Wood市長から1954–65年のRobert Wagner市長時代まで彼らはもっとも影響力の大きい勢力であった。
副市長
ニューヨーク市長は、執務の補佐および市政府の部署の監督のために副市長(助役, deputy mayor) を何名か指名することができる。その権限と義務、および何名までその役職に就けるかといったことまで、ニューヨーク市憲章には規定されていない。この役職はフィオレロ・ラガーディア市長によって創設された(en:Grover Whalenを任命)。この時は、市長が多忙で出席できなかったセレモニーイベントを取り仕切きるためであった。それ以来、市長が執務を任せたい権限を指定して、副市長を任命されるようになった。現在、7名の副市長がおり、業務を市長に直接報告している。副市長は市長の不在時に、市長権限を継ぐことはできない(その際は、第一にニューヨーク市市政監督官 (en) が、次にニューヨーク市会計監査官 (en) が継ぐ権限を持つ。)
現職副知事:
- 第一副市長:en:Anthony Shorris
- 住宅および経済開発副市長:en:Alicia Glen
- 健康および福祉副市長:en:Lilliam Barrios-Paoli
- 戦略的政策イニシアティブ副市長:en:Richard Buery
著名な副市長
- en:Daniel L. Doctoroff, en:Stephen Goldsmith 2010–11, en:Patricia Harris 2002–13, en:Robert K. Steel, en:Dennis M. Walcott, en:Howard Wolfson—マイケル・ブルームバーグ時代
- en:Joe Lhota—under ルドルフ・ジュリアーニ時代
- William Lynch 1990s—デイヴィッド・ディンキンズ時代
- en:Herman Badillo 1977–79—エド・コッチ時代
- en:Robert W. Sweet 1966–69
任命職
市長は40以上の市の部局 (agency) の長官および委員会 (board/commission) メンバーを任命および罷免する権限を持つ[4]
- en:New York City Police Commissioner
- en:New York City Fire Commissioner
- en:New York City Criminal Court判事
- en:New York City Schools Chancellor(2002年現在)
委員会メンバー
ニューヨーク市長は以下の組織の職務上の委員会メンバーである:[4]
- アメリカ自然史博物館
- en:Brooklyn Academy of Music
- en:Brooklyn Botanic Garden
- en:Brooklyn Children's Museum
- ブルックリン美術館
- en:Brooklyn Public Library
- カーネギー・ホール
- en:El Museo del Barrio
- リンカーン・センター
- メトロポリタン美術館
- en:Museum of Jewish Heritage
- ニューヨーク市立博物館
- ニューヨーク植物園
- en:New York Hall of Science
- ニューヨーク公共図書館
- en:New York Shakespeare Festival
- en:Public Design Commission
- en:Queens Borough Public Library
- en:Queens Botanical Garden
- en:Queens Museum of Art
- en:Snug Harbor Cultural Center
- en:Staten Island Botanical Garden
- en:Staten Island Children’s Museum
- en:Staten Island Historical Society
- en:Staten Island Institute of Arts and Sciences
- en:Staten Island Zoo
- en:Wave Hill
- en:Wildlife Conservation Society
- en:National September 11 Memorial & Museum
脚注
- ^ OMB (2014年7月27日). “The City of New York Adopted Budget: Expense, Revenue, Contract”. 2015年2月20日閲覧。
- ^ “League of Women Voters of the City of New York – ABOUT US”. Lwvnyc.org. 2011年10月17日閲覧。
- ^ “Forbes Profile”. Forbes 2013年3月24日閲覧。
- ^ a b “Office of the Mayor”. New York City. 2013年12月17日閲覧。
関連項目
- ニューヨーク市長選 (en)(1897年以降)
- ニューヨーク市政府
- ニューヨーク市の歴史
- ニューヨーク市議会
- ニューヨーク市市政監督官 (en)
- ニューヨーク市会計監査官 (en)
- ニューヨーク市財政評価委員会 (en)(1897–1990年)
- 区長
- ニューヨーク市民事裁判所 (en)
- ニューヨーク市刑事裁判所 (en)
- en:New York City: the 51st State