デュカ
デュカ[1](ラテン文字表記: Dukkah 等[2]; アラビア語: دقة 発音 [ˈdæʔʔæ])は、エジプト料理に使われる調味料。ハーブ、ナッツ(一般にヘーゼルナッツ)、およびスパイスの混合物であり、一般的にはオードブルにおいて、パンや生鮮野菜につけるディップソースとして使用される。
名称は、「つき砕く」(to pound) を意味するアラビア語に由来する。これは、スパイスとナッツの混合物を炒って乾燥させたのち、粉末状でもペースト状でもない質感につき砕くことから来ている。構成物はゴマ、コリアンダー、クミン、塩、コショウが一般的であるが、家庭ごとに差異も大きく、バラエティは豊かである。19世紀の文献によれば、マジョラム、ミント、Za'atarと総称されたハーブ類(オレガノやタイム等)、ひよこ豆も利用されていた。カイロ市内の市場に流通する既製品のデュカのうち、最も単純なバリエーションのものは、塩、コショウ、挽いたミントを紙製コーンに入れたもので、また小麦粉、クミン、キャラウェイ(ヒメウイキョウ)をパッケージしたものもある。製品化されたものには、松の実、カボチャの種、ヒマワリの種が含まれるものもある。
デュカは、エジプト以外の国々にも普及しつつある。アメリカ合衆国では、テレビの料理バラエティ番組(トップ・シェフやアイアン・シェフ・アメリカなど)を通して知名度を高めた。
オーストラリアでは過去約10年ほどの間に人気となった。普及の背景として、おそらくはレバノン人・アラブ人の移民の増加や、SBS Food などのテレビの料理番組の影響が挙げられる。いくつかのメーカーがさまざまな風味のデュカを販売しており、スーパーマーケットや専門店、農民市場などで見ることができる。
脚注
出典
- ^ ダッカとも。“世界の料理とスパイス&ハーブ料理とドリンク”. スパイス&ハーブ事典. S&B エスビー食品株式会社. 2015年5月26日閲覧。
- ^ ほかにラテン文字では、duqqa, dakka, dukka などとも綴られる。
参考文献
- Alan Davidson, Oxford Companion to Food (1999), "Duqqa", p. 260 ISBN 0-19-211579-0
- Ana Sortun, Spice: Flavors of the Eastern Mediterranean ISBN 978-0-06-079228-2, ISBN 0-06-079228-0