タイプとトークンの区別
タイプとトークンの区別(英: Type-token distinction)は概念そのものとその概念で指示される特定・個別の対象を区別すること。タイプとトークン[1]という対概念はパースによって導入された。
例えばガレージにあるあなたの特定・個別の自転車は「自転車」というタイプの中のトークンと理解される。このトークンとしての自転車は、時空の中の特定の位置を占めているが、タイプとしての自転車はそうではない。「最近自転車の人気が高まっている」と言うとき、この「自転車」はタイプとしての自転車を指して言っているのに対し「あなたのガレージの中の自転車」と言うときの「自転車」はトークンとしての自転車である。
タイプは時空間に位置を持たない抽象的対象と考えられ、これは「特定の対象(particulars)」が時空間に位置を持っているのと対照的である。この「特定」という用語は単純に言えば「具体的で物理的な対象」というような意味である。タイプがトークンをまったく持たない場合も考えられる。例えば「二つの素数の和でないような偶数」というタイプに対するトークンは存在しない。
関連項目
脚注
外部リンク
- Linda Wetzel (2006), Types and Tokens, スタンフォード哲学百科事典