スペイン (チック・コリアの曲)
『スペイン』("Spain" )は、1972年にチック・コリアが作曲し、彼のバンドのリターン・トゥ・フォーエヴァーの作品として発表されたジャズ楽曲である。アルバム『Light as a Feather』に収録されている。
概要
ホアキン・ロドリーゴ作曲のアランフエス協奏曲第2楽章(アダージョ)をイントロとして用い、その後は一転アップテンポになり、アフロ・キューバンリズムでフルート、エレクトリック・ピアノ(ローズ・ピアノ)、アコースティック・ベースのアドリブが続く。コーラス毎に印象的でトリッキーなリフが挿入されている。
テーマ部は12小節(もしくは24小節)で完結しながらも、下記のようにブルース形式とは全く異なるコード進行に特色がある。
Gmaj7 | Gmaj7 | F#7 | F#7 | Em7 | A7 | Dmaj7 | Gmaj7 | C#7 | F#7 | Bm | B7
吹奏楽の編曲版のものは、この中に入っていない打楽器、その他、中低音で、メロディーを組み立てるパートの楽器が多い。
カバー
この曲は世界中の演奏家にカバーされている。キーボードをはじめ様々な楽器で演奏されるが、ギタリストに人気が高いのも特徴の一つで、ギターのみのトリオやギター中心のスリーピース、あるいはデュオ(ラリー・コリエル&スティーヴ・カーンなど)による演奏も多い。日本では佐藤竹善、松本孝弘、渡辺香津美などがカバー曲をリリースしている。ピアノとギターのデュオ(ミシェル・カミロ&トマティートなど)、ビッグバンド(GRP All-Star Big Bandなど)、日本では本多俊之とトルヴェール・クヮルテットの競演(「HIGH FIVE」に収録)での演奏もある。
チック自身も度々再演しており、アルバム『Akoustic Band』(1989年)ではピアノ・トリオ、上原ひろみとの共演ライブ盤『Duet』(2008年)ではピアノ・デュオと、様々な形での録音がある。
なお原曲は歌詞が無いが、歌詞を入れてカバーされるケースがあり、海外ではアル・ジャロウ、日本ではマリーン、hiro、平原綾香などがカバーしている。
その他
2007年3月にオンエアされた、キリンビバレッジ「生茶(甘み火入れ玉露入り)」のCMでは、この曲のストリングスアレンジバージョンがBGMとして使用されている。