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サバイバー (バンド)

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サバイバーSurvivor)は、アメリカ合衆国のロック・バンド。

ロッキー3』の主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」の世界的ヒットで知られる。

略歴

1977年シカゴで結成、1979年デビュー。ブラス・ロック・バンド、「アイズ・オヴ・マーチ」の元メンバー、ジム・ピートリック(1950年イリノイ州生れ)がデニス・ジョンソンとゲイリー・スミスを誘って結成したグループ。 (ちなみに、デニスとゲイリーはファーストアルバム『Survivor』発表後に脱退している為、映画『ロッキー3』のテーマ「アイ・オブ・ザ・タイガー」がヒットした時期には在籍していない)。 作風は一作目から一貫して「グランド・ファンク・レイルロード」「フォリナー」「ナイト・レンジャー」「フリー」に代表されるようなハスキーなヴォーカルが特徴のポップでメロディアスなハードロックである[1]。 当初はセールスに恵まれなかったが、1982年シルベスター・スタローンの依頼により作曲したアメリカ映画ロッキー3』の主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」が全米で6週連続1位という大ヒットを記録した。同曲を収録したアルバム『アイ・オブ・ザ・タイガー』も最高位2位まで上った。

1980年代前半当時に隆盛を誇っていたアメリカン・ロック(ジャーニースティクスに代表され産業ロックとも呼ばれる)のバンドのひとつに数えられ、1985年には映画『ロッキー4/炎の友情』の主題歌「バーニング・ハート」もヒットさせている。ちなみにこの曲は、ボクシングの亀田興毅オリックス・バファローズ小松聖投手が自らの選手登場曲として使用している。

活動のピークは、ヴォーカリストが喉を傷めてバンドを去ったデイヴ・ビックラーから2代目のジミ・ジェイミソン[2](1951年ミシシッピ州生れ、元・ターゲット、コブラ)へと代わった1980年代中盤であり、その時期に「バーニング・ハート」を始め4曲のトップ10ヒットを放ち、ロン・ネヴィソンによるプロデュースの下でリリースしたアルバム"Vital Signs"、"When Seconds Count"の2作も好セールスを記録した。1980年代後半、音楽性がヘヴィな方向に変化しセールスが落ち込んでくると、実質的にジミ、フランキー・サリバン(1955年シカゴ生れ、ギター)、ジム・ピートリック(キーボード&ギター)のトリオとなる(ベース、ドラムスが流動的メンバーとなる)。その後はバンド活動が停滞しメンバーのソロ活動が目立つようになった。特に1989年 - 1993年の間はバンドとしての活動は完全に休止し解散状態であった。その後デイヴが復帰するも新作のリリースはなく、1999年にはジミ・ジェイミソンズ・サバイバーの名でアルバム"Empires"を発表し復活したかのように見えたが、これも実際はサバイバーの名を使ってツアーを続けていたジミの2作目のソロ作品であった。サバイバー本体(結成時からの一貫したメンバーであるフランキー・サリバン)からジミに対してバンド名の使用を巡り訴訟が起こされていたが、同作発表後フランキーがサバイバー名義の所有権を得たことで決着が付き、アルバムもジミのソロ名義に変更された。ジム・ピートリックも1996年にバンドを離れ、2000年代はソロ・プロジェクトのプライド・オブ・ライオンズに専念している。しかし2006年、18年振りにフランキー・サリバンのプロデュースでオリジナルアルバム"Reach"を発表(ただしジム・ピートリックが作曲でのみ参加)、現在も活動を続けている。

アルバム"Reach"でもヴォーカリストはジミ・ジェイミソンであったが、同作発表後脱退、後任をロビン・マッコーリーが務めている。2008年、ジミ・ジェイミソンがジム・ピートリックと組んで3作目となるソロアルバム"Crossroads Moment"を発表、こちらも、もう1つのサバイバー復活作品として好評価を得ている。ただし、サバイバーの名義は上記の経緯から1999年以降フランキー・サリバンが所有権を取得している為、彼が参加しないプロジェクト・ユニットが使用することはできない。

メンバー

各時代とも、リード・ヴォーカル、ギター、キーボード&ギター、ベース、ドラムスの順に示す。

  • 1978年 - 1981年
    • デイヴ・ビックラー、フランキー・サリバン、ジム・ピートリック、デニス・ジョンソン、ゲイリー・スミス
  • 1981年 - 1983年
    • デイヴ・ビックラー、フランキー・サリバン、ジム・ピートリック、ステファン・エリス、マーク・ドラウビー
  • 1984年 - 1987年
    • ジミ・ジェイミソン、フランキー・サリバン、ジム・ピートリック、ステファン・エリス、マーク・ドラウビー
  • 1988年 - 1989年
    • ジミ・ジェイミソン、フランキー・サリバン、ジム・ピートリック、ビル・サイニア、カイル・ウッドリング
  • 1993年 - 1996年
    • デイヴ・ビックラー、フランキー・サリバン、ジム・ピートリック、クレム・ヘイズ他、カイル・ウッドリング
  • 1996年 - 2000年
    • デイヴ・ビックラー、フランキー・サリバン、クリス・グローヴ、ステファン・エリス他、マーク・ドラウビー
  • 2000年 - 2005年
    • ジミ・ジェイミソン、フランキー・サリバン、クリス・グローヴ、ビリー・オゼロ他、マーク・ドラウビー
  • 2006年
    • ジミ・ジェイミソン、フランキー・サリバン、クリス・グローヴ、ビリー・オゼロ、マーク・ドラウビー
  • 2006年 - 2007年
    • ロビン・マッコーリー、フランキー・サリバン、クリス・グローヴ、ビリー・オゼロ、マーク・ドラウビー
  • 2008年 - 現在
    • ロビン・マッコーリー、フランキー・サリバン、マイケル・ヤング、ビリー・オゼロ、マーク・ドラウビー

ディスコグラフィー

オリジナルアルバム

  • 1979年 サバイバー - Survivor(全米169位:ビルボード最高位。以下同じ)
  • 1981年 予戒 - Premonition(全米82位)
  • 1982年 アイ・オブ・ザ・タイガー - Eye Of The Tiger(全米2位)
  • 1983年 制覇への野望 - Caught In The Game(全米82位)
  • 1984年 バイタル・サインズ - Vital Signs(全米16位)
  • 1986年 ホエン・セカンズ・カウント - When Seconds Count(全米49位)
  • 1988年 今夜は眠れない - Too Hot Too Sleep(全米187位)
  • 2006年 リーチ - Reach

ベスト盤

  • 1986年 The Best Collection of Survivor(日本編集、11曲)
  • 1989年 The Best of Survivor(日本編集、12曲)
  • 1989年 Greatest Hits 1(日本発売は1990年、10曲)
  • 1993年 Greatest Hits 2(13曲)
  • 1999年 The Finest Selection~The Search is Not Over Yet(日本編集、18曲)
  • 2001年 Fire In Your Eyes~Greatest Hits(18曲)
  • 2004年 Ultimate Survivor(日本発売は2005年、18曲)
  • 2006年 The Best of Survivor(14曲)
  • 2009年 Eye Of The Tiger~Best Of Survivor(日本編集、19曲)

シングル

  • 1980年
    • Somewhere in America(全米70位:USホット100最高位。以下同じ)
    • Rebel Girl (全米103位)
  • 1981年
    • Poor Man's Son(全米33位)
  • 1982年
    • Summer Nights(全米62位)
    • Eye of the Tiger(全米1位、全英1位)
    • Ever Since the World Began
    • American Heartbeat(全米17位)
    • The One That Really Matters(全米74位)
  • 1983年
    • Caught in the Game(全米77位)
  • 1984年
    • The Moment of Truth(『ベスト・キッド』サウンドトラック、全米63位)
    • I Can't Hold Back(全米13位)
  • 1985年
    • High on You(全米8位)
    • The Search Is Over(全米4位)
    • First Night(全米53位)
    • Burning Heart(全米2位、全英5位)
  • 1986年
    • Is This Love(全米9位)
  • 1987年
    • How Much Love(全米51位)
    • Man Against the World(全米86位)
  • 1988年
    • Didn't Know it Was Love (邦題:愛とは知らなくて、全米61位)
  • 1989年
    • Across the Miles(全米74位)

脚注

  1. ^ ただし、サバイバーの"Reach"・ジミのソロ"Crossroads Moment"いずれも日米各々ともに同じレーベル(アメリカ:FRONTIERS RECORDS、日本:キングレコード)から発売されているが、ジャンルの細分類はハードロックではなく「メロディアスロック」とされている。
  2. ^ ジミをジム、ジェイミソンをジャミソンと表記したメディアも見られる。

関連項目

外部リンク