コピー商品
コピー商品(コピーしょうひん)とは、意図的に他社の製品に似せた商品、あるいは「偽ブランド」商品、または自然界に存在する物に似せた人造製品を指す。
後者でも、特に食品関連の商品をコピー食品と呼ぶ。
偽ブランド
主にベストセラーやロングセラーの、優れた機能・設計や、高い市場価値を持つ商品を模して製造された製品を指す。またメディア関連のデータを複製して販売している物もこの範疇に含まれる。
商業倫理的に見ても、商標権の侵害や特許の侵害等において問題が多く、往々にしてオリジナルの商品と比較して粗悪な材料を使用していたり、分解した部品を採寸した際に発生する誤差により、機能や耐久性の面で劣る場合が多く、単純に粗悪品と呼ばれる場合もある。
中国ではファッションブランド、電化製品、自動車、バイク等の様々な偽ブランドが平然と出回っており、山寨(シャンジャイ、Shānzhài)という名で呼ばれている。中には SQNY(SONY)のラジオや乾電池[1][2]、 SHARK(SHARP)のマイク[3]、 HONGDA(HONDA)のオートバイ[1][2] 等の紛らわしい商標を名乗った商品も存在し、大きな問題となっている。実際に、偽ブランドが先に商標登録されてしまい、本物が逆にコピー商品として扱われ、中国で販売禁止となった事例もある。(クレヨンしんちゃんの例が有名。)
韓国では、Me-too商品(模倣商品)とも呼ばれるコピー商品が、製菓業界で深刻な社会問題となっている[4]。また韓国ロッテ、農心の様な大企業であっても、平然と日本や韓国内他社の商品のコピーを販売している(ペペロ、セウカンの項を参照)。こういった商品はただ名称やパッケージデザインを模倣するのみならず、競争会社の開発人材を引き抜くことにより、その会社の技術を獲得して製造されるケースも報告されている[注 1]。
レプリカ
過去の製品を、材料のみ現代品を使って(当時の物は入手不可能な為)正確に再現したレプリカというジャンルも存在し、これらに関しては熱烈なファンを獲得するなど、固有の市場が発生している。これらは基本的に本家が生産、もしくは本家がライセンスを与え生産している正規商品の為、偽物とは異なる。
人造製品
天然の物が高価であったり、稀少な場合などにしばしば生産される人工の製品。合成皮革(商標名「クラリーノ」「エクセーヌ」など)などは、このジャンルでは最も成功した部類であり、天然皮革には無い防水性や耐候性から、むしろ必要とされて利用される場合もある。服飾関係では、かつては稀少な毛皮の代わりに、最近では動物の権利問題などモラル面からフェイクファー(人造毛皮)も多く使われている。
食品関係で有名な例としてはかにカマボコがある。かにカマボコは消費者が本物の蟹を加工した食品と混同するとして、農林水産省の指示で「カニ」を商品名に使えなくなった経緯がある[5]。実際はスケソウダラのすり身を使い、カニの煮汁で風味をつけた蒲鉾である。人造食品としては、大正時代からある育児用「粉ミルク」がある。また、化学技術の発達から派生した技術を用いた、近年における代表的なものとしては、人造イクラがある[6]。
日本
日本の税関で押収されるコピー商品は非常に多い。ほとんどが中国で製造されたコピー商品であり、それらの処分はすべて日本の税金が使用されている[7]。
中国
中国では、「山寨文化」(パクリ文化)と言う言葉が出来るほど、コピー商品が蔓延している。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 「そっくり社名、香港で増殖――中国で家電大量販売」『日経産業新聞』2005年6月6日、24面
- ^ a b 「天声人語」『朝日新聞』2010年4月21日
- ^ 和田成則 「中国商標事情2」 きずな国際特許事務所、2012年4月30日閲覧
- ^ a b 「韓国の製菓業界、類似商品問題が深刻化」[リンク切れ]『朝鮮日報』2006年2月3日、アーカイブ
- ^ 風味かまぼこ品質表示基準6条2参照 (PDF) 2000年12月制定
- ^ 紙尾康作「何をどうしてつくるか~化学がつくるコピー食品の精粋~人造イクラ」月刊『化学』1984年1月号(39巻1号)、35頁
- ^ 西日本新聞 2011/09/03 中国が93%
関連項目
- コピーソフト
- 中国の知的財産権問題
- 韓国の知的財産権問題
- バッタもん - 一般に偽物を指して使われることがある
- ぱくり・山寨
- 贋作
- 山寨手機 -中国語で模倣携帯電話機のことである