グラスバレー (企業)
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 兵庫県神戸市中央区東川崎1丁目神戸クリスタルタワー内 |
設立 |
1983年4月1日 (カノープス電子株式会社) |
業種 | 電気機器 |
事業内容 | 映像編集、配信関連機器およびソフトウェアの開発、販売 |
代表者 | ジェフ・ロシカ(代表取締役社長) |
資本金 | 90,000,000円 |
売上高 |
66億1,825万円 (2008年12月期) |
従業員数 |
196人 (2009年3月末現在) |
決算期 | 2月末日 |
外部リンク | http://www.grassvalley.jp/ |
グラスバレー株式会社(Grass Valley K.K. )は、日本のビデオ編集機器、コンピュータ周辺機器メーカー。現在はアメリカの大手電機メーカー、グラスバレー社の傘下である。旧トムソン・カノープス株式会社。旧称時のブランド名は、天体のカノープスと同様のCanopusを使用していた。カノープスのように、光り輝く企業であることが目標であり、社名の由来である。
沿革
- 1983年 - 神戸市にてカノープス電子株式会社創業。
- 1992年 - 社名をカノープス株式会社に変更。
- 2001年7月27日 - JASDAQ市場に新規登録。
- 2002年11月19日 - 東証2部に市場変更(銘柄コード:6774)。
- 2005年12月 - フランスの大手電機メーカートムソンが日本法人の子会社を通じて株式公開買い付け(TOB)を行うことになり、トムソングループ傘下となることが決定。
- 2006年6月30日 - トムソンの持株比率が94.31%になったため、上場廃止。
- 2007年 - グラスバレージャパンと経営統合し、グラスバレーの傘下となる。
- 2008年10月1日 - 社名をトムソン・カノープス株式会社に変更。
- 2011年3月1日 - 2011年1月にアメリカのグラスバレー社がテクニカラー(旧トムソン)グループから独立、それに伴い社名をグラスバレー株式会社に変更。
- 2011年11月1日 - 本社機能を神戸クリスタルタワーに移転。
- 2012年2月 - MEDIAEDGE事業を新設されたMEDIAEDGE株式会社に譲渡。[1]
製品の歴史
創業~1990年代前半
初めての製品は、NEC PC-98用のZ80ボードであるPlus80。PC-88のクロス開発や、CP/M-80の動作環境として使用された。 程なく、A/D変換ボードが主力となり、後のビデオキャプチャ製品に続く事になる。 大阪に立ち寄ったビル・ゲイツに自社製JPEGコーデックのデモンストレーションを行う。
1990年代
Windowsへの移行に伴うグラフィックアクセラレータへの需要に対して、PowerWindowシリーズを発表。 独自のドライバ技術により他を圧倒する性能を誇るなど、日本国産PCハードウェアベンダとしての地位を確立する。 また、A/D変換ボードの流れを汲むビデオキャプチャ製品を発表。 PowerCaptureシリーズは10年近く販売を続けた、超ロングセラーとなる。
2000年代
グラフィックアクセラレータのコモディティ化に伴い、主力をビデオキャプチャ・TVチューナー・ビデオ編集に移し、 MTV2000に代表されるMTVシリーズや、DVStorm-RTに代表されるDVシリーズがメインとなる。 PowerWindowシリーズは、開発チーム G.I.WORKSによるPCエンスー向けの製品、SPECTRAシリーズとなる。 また、普及型VODシステムのはしりとなるMediaEdgeシリーズを発表し、システム分野への進出を図る。
現在
PC用TVチューナーのコモディティ化に伴い、軸足をビデオ編集・ビデオ配信に大きくシフト。これまでの蓄積を生かしたビデオ編集ソフトウェア、EDIUSを開発するなど、業務用ビデオ編集システムHDWSやモザイク編集システムMRL、ビデオ配信システムMediaEdgeなどをラインナップし、システム販売への転換が進んでいる。トムソングループによる買収で、トムソン傘下の放送機器会社グラスバレーと経営統合し法人向けおよびプロのクリエイター向け編集機器の事業に特化し、個人向けはキャプチャーボードを残し、グラフィックアクセラレータ事業からは撤退の方針と言われている。
製品特徴
ビデオ編集
高いコストパフォーマンス・新規格への対応・他メーカー製品との共存など、現場の声を盛り込んだ商品開発姿勢を特徴とする。従来のノンリニア編集機器(メーカーによる囲い込みによって、高価格なシステムを構築しなければならなかった)とは対照的に、PC周辺機器メーカーの強みを生かしたコンパクトで安価なシステムを提供している。この点は、業務クラスのユーザーから高い評価を得ている。
編集用ソフトウェアは、自社製ビデオ編集ソフト"~Edit"シリーズとAdobe Premiere(アドビシステムズ製)との組み合わせであったが、2003年にEDIUSが発表されて以降はそちらへの一本化が進んでいる。
ビデオ配信
ビデオ編集と同様、PC周辺機器メーカーの強みを生かした、コンパクトで安価なシステムを提供している。
着実に採用実績を伸ばしており、映画館や博物館、展示会などでのVODシステムなどに導入されている。
また、HD規格にも対応している。
なお2012年1月(公式には2月)より、グラスバレー社によるMEDIAEDGE製品事業の譲渡が成立し、新たに設立されたMEDIAEDGE株式会社へ譲渡した。
グラフィックアクセラレータ
同社を代表するビデオカード製品ブランドであったSPECTRAシリーズはNVIDIA製のグラフィックチップを採用しつつも、リファレンスデザインを強く否定し高画質化機構を搭載しているとする独自設計の基板を採用したことで、他社製品に比べて高価格にもかかわらず高い人気を獲得した。しかしNVIDIAが自社のリファレンスデザイン以外のビデオカードを認めない姿勢を取ったため2002年8月発表のSPECTRA Light G64 AGPを最後に新製品が発売されなくなった。
2003年11月にはSpectraシリーズとは異なる「高品質工業部品」と銘打ってリファレンスデザインのOEM製ビデオカードを白箱の簡易パッケージに梱包したRFXシリーズを発売した。
2005年には久々のエンドユーザー向けグラフィックアクセラレータ製品としてMTVGAシリーズを発表した。 これはハイビジョン出力に対応したATI Technologies(現・AMD)製のGPUを採用したリファレンスデザインのOEM製ビデオカード製品である。MTVGAシリーズは「ゲームのいらない高性能、わかっている大人のグラボ」とのキャッチコピーでアピールされ、他社製品と全く同じリファレンスデザインを採用しているが「SPECTRAシリーズ」で培った技術を惜しみなく投入し、映像出力回路に独自のチューニングを施したとしており、映像視聴用途を強く意識したものとなっているが、ATi製GPUに搭載されている高画質動画再生機能Avivoは無効にされており使用できなくなっている。 2005年8月にはNVIDIA製GPU搭載モデルも発売されたが、2006年2月に発表されたMTVGA X1300Lを最後に、新製品の発表が途絶えている。
PC用TVチューナー
急速にコモディティ化が進んだため、本来得意であるPCエンスー向け製品も、縮小傾向にあり、今まで販売したTVチューナーはWindows Vistaに対応しないことを発表した。
PC用ビデオキャプチャカード
フルHD対応のビデオキャプチャカードHDRECSを国内で初めて発売したこともあり、今後もフルHD対応製品に期待できる。
NHK
2003年より、放送用ソフトやノンリニア編集機についてNHKとの共同開発を行い、NHKへの納入実績を重ねている。 2005年には、MPEG2 Long GOP編集などに関する複数の特許を共同で取得し、それらの成果がHDノンリニア編集機CWS-HDとして、東京・砧のNHK技術研究所の技研公開で公開された。