オオツヅラフジ

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オオツヅラフジ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キンポウゲ目 Ranunculales
: ツヅラフジ科 Menispermaceae
: ツヅラフジ属 Sinomenium
: オオツヅラフジ S. acutum
学名
Sinomenium acutum (Thunb.) Rehder et Wilson
和名
オオツヅラフジ、ツヅラフジ

オオツヅラフジ(大葛藤、Sinomenium acutumシノニムCocculus acutus)とは、ツヅラフジ科ツヅラフジ属つる性木本。別名ツヅラフジ(葛藤)。

概要

日本では、本州の関東地方以西から四国九州南西諸島に、日本国外では台湾及び中国に分布する。石灰岩の林縁や路傍に生育する。

落葉性のつる植物で、つるは木質(藤本)。は互生、長い葉柄をもつ。葉身は角のある卵円形、円形または5から7裂し、長さ6~15cm、基部は心形、裏面は帯状白色。 花期は初夏~夏。花序は円錐花序。花弁がく片とも6枚で、白色の小花をつける。果実は6~7mmで、黒く熟す。

生薬として

オオツヅラフジの蔓性の茎と根茎は生薬「防已」(ぼうい)(日本薬局方での定義)であり、鎮痛、利尿作用などがある。木防已湯(もくぼういとう)、防已茯苓湯(ぼういぶくりょうとう)などの漢方方剤に配合される。有効成分はアルカロイドシノメニンsinomenine)など。 作用が強力なので、用法を間違えると中枢神経麻痺などの中毒を起こす[1]

中国では防已をオオツヅラフジではなくウマノスズクサ科の植物としていることがある。このウマノスズクサ科の植物の防已はアリストロキア酸という物質を含み、これが重大な腎障害を引き起こすことがある。このため中国の健康食品や漢方薬には十分注意する必要がある。

レッドデータ

生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックに掲載されている。

脚注

  1. ^ 羽根田治『新装版・野外毒本:被害実例から知る日本の危険生物』山と渓谷社 2014年、ISBN 9784635500357 p.144.

参考文献

  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
  • 埼玉県環境部みどり自然課編 『埼玉県レッドデータブック植物編2005』、2005。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第5巻 低地の植物』 新星図書出版、1979年。

外部リンク