アレスタ

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アレスタは、1988年に発売されたコンパイル開発のコンピュータゲーム、およびそのシリーズである。

概要

コンパイルが開発しポニーキャニオンが発売したザナックの系統作として作られたシューティングゲーム。版権の都合上、自社ブランド名を冠する際に『ザナック』の名称が使えなかったため、異なるタイトルとなった。他社から発売されたシリーズ作も多いが、しかしそれらも漏れなく、タイトル画面や著作権表示に「コンパイル」の名がクレジットされている。

タイトルは、コンパイル社長仁井谷正充がたまたま手近にあった同人誌のタイトルを元に命名したとされる。 電気部品マニアのプログラマーじぇみに広野が、アレスター(避雷器)に因んで命名したという説もある。

世界観

  • どの作品もアレスタと呼ばれる機体が主役だが、その世界観は幾つかに分かれている。
基軸となる世界観はMSX版アレスタ・アレスタ2で、そのパラレルワールドとして存在するのが和風のテイストを盛り込んだアレスタ外伝・武者アレスタ・電忍アレスタである。時間軸で並べると電忍→外伝→武者の順である。
マークIII版アレスタはMSX版のベースとなった作品だが、舞台が地球でなく惑星リマール、登場人物設定が一切無いなど一部設定が異なり、完全に別物という位置付けである。
GGアレスタ・GGアレスタIIは独自の系統として発展。またスーパーアレスタは他の作品と設定上の繋がりを持たない、完全に独立した存在となっている。
  • アレスタ2・武者アレスタ・GGアレスタの主人公は全てエリノア(エレノア)・ワイゼンだが、いずれもパラレルワールド上に存在する別人とされる。
アレスタ2がエリノアの初登場で、前作の主人公レイ・ワイゼンとその恋人ユリィ・レノックスが結婚して生まれた、父親譲りのセンスとテクニックを持つ女性パイロットという設定である。ちなみにごく初期にはミサト・ワイゼンという名前が付けられていた。
武者アレスタでのエリノアは、最新アームドアーマー・アレスタを擁する部隊のパイロットで、進攻中に部隊が壊滅するも唯一機体が無傷だった事から一人作戦を遂行する事になる。
GGアレスタでは、祖父セフト・ワイゼンの開発したGGアレスタを駆って戦いに挑む。ちなみに続編となるGGアレスタ2の主人公アリス・ファイファー・ワイゼンは従姉妹という設定である。

シリーズ

1988年2月29日、5,000円。発売元はセガ(後のセガゲームス)。
全6ステージで構成されている。海外では"POWER STRIKE"のタイトルで発売。
  • アレスタ(MSX2)2MbitROMカートリッジ FM音源(MSX-MUSIC)対応
1988年7月23日発売、6,800円。
セガ・マークIII版に、2ステージを追加した全8ステージで構成されている。
また、オープニング等でビジュアルシーンも用意されている。エフェクトが派手な分、処理落ちが多い。MSX-MUSICに初対応。
2008年5月27日よりWiiバーチャルコンソールで配信開始(要800Wiiポイント)。
2008年12月よりApp StoreiPhone / iPod touch向けに配信開始。
  • アレスタ外伝(MSX2)3.5inch2DD×3枚組
1989年9月発売、3,880円。
単体での発売ではなく、「ディスクステーションSpecial 秋号」に収録されていた。
世界観が和風。自機は戦闘機ではなく、強化服を装着した人間である。
  • アレスタ2(MSX2)3.5inch2DD×3枚組 FM音源(MSX-MUSIC)対応
1989年11月発売、6,800円。
処理落ちの少なさが売りで、全8ステージで構成されている。
エフェクトは前作よりも控えめだが、地上のサブウェポン配置が廃止され特定のサブウェポン以外では赤い敵弾が破壊出来なくなったため、難易度が著しく上昇している。また、ビジュアルシーンが前作と比べて増強され、一部のシーンでは主人公がPSGサンプリングで喋る。
1990年12月21日発売、6,800円。発売元は東亜プラン
世界観が和風。自機はアームドアーマーと呼ばれるロボット。海外版タイトルは『MUSHA』。
1991年12月29日発売、4,800円。
ゲームギア用の完全な新作。高速スクロールやテンポの良い展開である。液晶画面の性能のため、視認性が低い。
1992年4月28日発売、8,700円。発売元は東宝
拡大縮小回転を取り入れた。処理落ちは少ない。海外版は『SPACE MEGAFORCE』のタイトルで発売。
漫画版が存在する。原作は久保宗雄、作画は岡崎沙実。ゲームにおける主人公ラズとヒロイン・ティ、スーパーアレスタの設定を大きく膨らませた内容で、謎の球体を巡る地球側の陰謀といった要素を加えサスペンス色の強いSFスカイアクションに仕立て上げてある。アスキーコミックで連載の後、単行本全1巻にまとめられた。
  • 電忍アレスタ(メガCD)CD-ROM×1枚
1992年11月20日発売、6,800円。
戦国時代をモチーフとした和風シューティング。海外版はテンゲンより『ROBO ALESTE』のタイトルで発売。
タイトルにもある「電忍」とは劇中の戦国時代の主力兵器・鉄甲兵を忍用に改造した機体の総称で、アレスタも電忍のひとつである。
コンパイル創立10周年記念作品として制作され、オープニングナレーションに森山周一郎、主人公に緑川光、ライバルに神谷明、ヒロインに久川綾、敵を影で操る存在に寺瀬めぐみと豪華な声優陣が配された事も話題となった。
続編の予定があり、設定画などが公開されたが、開発中止になった。
  • GGアレスタII(ゲームギア)2MbitROMカートリッジ
1993年10月1日発売、3,800円。1作目は自社販売だったが、本作の発売元はセガ(後のセガゲームス)。
海外では"POWER STRIKE II"はマスターシステム版と同名タイトルで発売。
前作にも増してエフェクトが多い。画面の見づらさは作画方法により若干改善されている。ボーナスステージが擬似3Dである。

関連作品

アレスタの海外マスターシステム版であるPOWER STRIKEにはPOWER STRIKE IIという続編があり、海外でのみ発売された。アレスタ2やGGアレスタIIとは別物である。

PCエンジンCD-ROM2用にナグザットから発売された『精霊戦士スプリガン』は、アレスタシリーズとして企画された。開発中のタイトルは『精霊戦士アレスタ』で、「魔導戦士スプリガン」→「精霊戦士スプリガン」とタイトルが変更された。なお、この作品の世界観を引き継いだ作品としてスーパーファミコン用に『スプリガンパワード』がナグザットから発売された。

PCエンジンSUPER CD-ROM2用にナグザットから発売された『スプリガン mark2』は、企画初期には武者アレスタと同一の世界観を持つ続編とされていた事が、開発元のコンパイルが発行していたユーザー向け冊子「コンパイルニュース」で明らかにされている。これによると主人公グレッグ・アーウィンはエリノアの同僚としてオープニングのビジュアルデモに登場するグレッグと同一人物とされ、製品版でグレッグのライバルとなるマービィのポジションにはドレッド隊長が配される予定だった。

電忍アレスタは当初『雷忍(らいにん)アレスタ』のタイトルだったが、打ち合わせの時あるスタッフがホワイトボードに「電忍」と間違えて書いたものが語感の良さなどから採用された。

プレイステーション互換基板を用いたアーケード版も企画されていたが、立ち上がりがコンパイルの和議申請と前後し、実現しなかった。

外部リンク