アズマモグラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。TXiKiBoT (会話 | 投稿記録) による 2011年12月29日 (木) 08:10個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.2) (ロボットによる 追加: eu:Mogera imaizumii)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アズマモグラ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: トガリネズミ目 Soricomorpha
: モグラ科 Talpidae
: モグラ属 Mogera
: アズマモグラ
M. imaizumii
学名
Mogera imaizumii
(Kuroda, 1957)
和名
アズマモグラ
英名
Small Japanese Mole

アズマモグラ(東土竜、学名Mogera imaizumii)は、トガリネズミ目食虫目モグラ科モグラ属に属する哺乳類

分布

日本固有種であり、越後平野の一部を除く静岡県長野県石川県以北の東日本を中心に生息する。また、孤立個体群が京都府紀伊半島広島県四国剣山石鎚山などの山地・小豆島の一部に分布する。

形態

頭胴長は約120mmから160mm、尾長は約14mmから22mm、体重は約50gから130gになる。体の大きさは変異に富み、主に山地の生息する小型の個体群と太平洋側の大きな平野部に生息する大型の個体群を比べると、体重で2倍ほどの差がある。小型の個体については、コモグラ M. i. minorとして亜種とする説もある。尾は短く、吻上面の裸出した部分の形状が長方形になる。毛色は暗褐色だが、河川下流の平野部に生息する個体は褐色が強くなる。

生態

低地の草原や農耕地から山地の森林に生息する。湿潤で土壌の深い平野部の水田周辺や畑、草地に多い。森林内でも土壌が豊かな所には生息する。地下にトンネルを掘り、そこで生活をする。掘り出された土は地上に出され、モグラ塚を作る。

トンネル内に落ちたミミズ昆虫の幼虫を餌とする。ヒルや冬眠中のカエル植物種子なども食べることがある。活動と休息を含む、1日3回の周期をもっている。

トンネルの奥に、広葉樹の落ち葉を集めた径が約40cm、高さが約36cmになるボール状の巣を作り繁殖する。主に春が繁殖期だが、一部は秋にも繁殖する。1回に、2-6頭の仔を産む。寿命は約3年である。

種の保全状態評価

  • 都道府県版レッドデータブック
大阪府 - 絶滅危惧I類
愛知県 - 絶滅危惧II類
京都府・鳥取県・広島県・香川県 - 準絶滅危惧
滋賀県 - 希少種
愛媛県高知県 - 情報不足
和歌山県 - 学術的重要

西日本では分布が局地的なため、森林の伐採等による土壌の乾燥化や、それに伴う生息地の消滅が影響していると考えられている。

関連項目

参考文献

  • 小宮輝之 『日本の哺乳類』 学習研究社<フィールドベスト図鑑>、2002年、P101
  • 阿部 永 『改訂版 日本の哺乳類』 東海大学出版会、2005年、P23