みなみ鈴香

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みなみ 鈴香
プロフィール
リングネーム 鈴木 美香
みなみ 鈴香
本名 鈴木 美香
身長 173cm
体重 62kg
誕生日 (1969-04-18) 1969年4月18日(55歳)
出身地 千葉県安房郡富山町 現・(南房総市
デビュー 1985年
引退 1995年
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みなみ 鈴香(みなみ すずか、1969年4月18日 - )は、日本の元女子プロレスラー。本名は鈴木 美香(すずき みか)。千葉県安房郡出身。全日本女子プロレスに所属していた。引退後に結婚、武蔵小山で焼き肉店を夫婦で経営している。

テーマカラー(紙テープの色)は黄色。

来歴

1985年
  • 7月12日、長野・長野市民体育館において、仲前芽久美西脇充子・坂本あけみ組戦でデビュー。デビュー戦のパートナーは、宇野久子(現・北斗晶)・石黒泰子。のちに北斗晶とはタッグチーム「海狼組」(マリン・ウルフ)を結成。海狼組結成時に宇野久子が北斗晶へとリングネームを変更したのに合わせて、自身もリングネームをみなみ鈴香に変更した。
1991年
  • 3月17日、後楽園ホールのオールパシフィック選手権試合で、豊田真奈美(王者)を破りタイトル奪回。豊田は同年1月11日に行われた同選手権で、海狼組のパートナーであった北斗晶と対戦。右肘を痛めギプスをつけた片手一本の状態で強行出場した北斗の腕を執拗に責めつけてレフェリーストップで破った。その試合の直後、セコンドについていたみなみは、珍しく激しいマイク・アピールをして臨んだ一戦であった。
1992年
1993年
  • タッグリーグ・ザ・ベスト'93では、ブル中野と組んで出場。
  • 対抗戦では、北斗と共に主にLLPWを相手にした試合に出場することが多かった。
  • 4月2日 横浜アリーナの夢のオールスター第1戦で、三田英津子と組んで、LLPWの風間ルミ半田美希と対戦。風間は対抗戦初登場となった。173cmのみなみ、174cmの三田という、当時の女子プロレス界では最も身長の高い部類に属するタッグとなった。試合は22分25秒の大熱戦となったが、最後は風間がカウンター気味のジャーマン・スープレックス・ホールドで三田を破った。
  • 4月11日 大阪府立体育会館の夢のオールスター第2戦で、LLPWのハーレー斉藤とシングル・マッチ。一進一退の好試合となったが、最後はみなみがパワーボム2連発から、トップロープからのダイビング・セントーンでフォール勝ち。ビデオ解説の斎藤文彦、ゲスト解説の井上京子も絶賛する好勝負となった。
  • 9月29日 愛知県体育館での名古屋超旋風で、LLPWの穂積詩子とシングル・マッチ。サザン・スープレックス・ホールドで8分57秒フォール勝ち。みなみには珍しく、勝利のコールでレフェリーに上げられた手を強く振り払うようにして早々にリングを降りていったが、試合後のインタビューでは落ち着いて対応した。
  • 10月9日 東京ベイNKホールのレッスル・マリンピアード'93では、堀田祐美子と組んで、全女初登場のレジー・ベネットと組んだブル中野組と対戦。ブル、レジー組がパワーで圧倒。レジーにリフトアップされ、最後はダイビング・ギロチン・ドロップからのレジー・ラックで10分50秒、ギブアップ負けを喫した。
1994年
  • 3月3日 後楽園ホール伊藤薫と組み、三田英津子・下田美馬ラス・カチョーラス・オリエンタレス(猛武闘賊)組とタッグマッチ。途中で肩を痛めたものの、試合は伊藤のトップロープから場外、そして場内でのダイビング・フットスタンプ連発を受けて、18分46秒、完璧なダイビング・セントーンで三田をフォール。
  • 3月27日 横浜アリーナで白鳥智香子と組み、FMW工藤めぐみナース仲村組と対戦。白鳥が変形のスリーパー・ホールドで工藤に15分30秒ギブアップ負けを喫した。
  • 4月9日 宮城県スポーツセンター渡辺智子と組み、井上貴子・伊藤薫組と対戦。LLPWとの対抗戦がメインの興行での全女対決となったが、即席タッグ同士とはいえ安定した連携と試合運びを見せた。最後は、17分22秒、貴子を高角度パワーボムの2連発でフォールし勝利。
  • 5月2日 後楽園ホールでは渡辺智子と組み、ブル中野・前川久美子組と対戦。14分16秒、ブルのパワーボムからのダイビング・ギロチン・ドロップで敗れる。
  • 10月9日 川崎市体育館でチャパリータASARIと組み、渡辺智子・渡辺美佐恵(元気美佐恵)組と対戦。渡辺をパワーボムで12分36秒フォール。
  • タッグリーグ・ザ・ベスト94では、伊藤薫と組んで出場。
1995年
  • 3月26日、横浜アリーナで渡辺智子と組んで三田英津子・下田美馬組のUWA世界女子タッグ選手権に挑戦。善戦するも自らが三田のデスバレーボムに沈み、引退を表明。観客へ直接マイク・アピールするのではなく、勝利した三田・下田組の表彰式が終了した直後、表彰式のためにリングインしていた植田コミッショナーに意思を伝え、それをコミッショナーが会場にアナウンスする、という唐突かつ控え目な発表であった(植田コミッショナーは委員会預かりと表現)。
  • 5月7日、後楽園ホールで引退。引退試合は、同期の堀田祐美子と組んで、自身が後見役として北斗とともに育てた三田英津子・下田美馬組と対戦。三田にパワーボム、返す刀で下田にケプラドーラ・コン・ヒーロ、トペと見せ場を作り、最後はパワーボムから必殺のパワー・ドライバーで、12分43秒下田からフォールを奪う。
  • 公式の引退試合終了後、「ちょっと待った!もう1試合、お願いします!」とヌンチャクを持ったブル中野が登場、さらには北斗晶がサプライズ出場し、固く抱き合った。北斗は「知っている人も少ないと思うけど、私たちはマリン・ウルフでやってきた。今日は、みなみのために戻ってきたぞ!」と叫んだ。そして、短時間ながら海狼組を再結成して、ブル中野・堀田祐美子組と3分間のエキシビション・マッチを行う。3分間を明らかに越えてしばらくしてゴングが鳴ったが、そのままさらに延長。最後は北斗とダブルでのノーザンライト・パワーボムでみなみがブルをフォールする形で、試合終了。

得意技

みなみの技はドロップキックなどの基本技からパワーボム、ダイビング・セントーン、ジャーマンなどのフィニッシュ・ホールドに至るまで、的確かつ美しく、精度が高かった。技の失敗がきわめて少なく、地味ではあったが玄人好みするレスリングを貫き通した選手であった。また、受け身の達人でもあった。

パワーボム
みなみの代表的なフィニッシュ・ホールド。彼女の場合、通常は相手の胴ではなく両脚のつけ根付近を抱え込んで投げる。タイガー・ドライバーのようにダブルアームの形で持ち上げ、腕を決めたまま真下に落とす技が変形パワーボムとして紹介されたことがある。対北斗戦で出したこの技でオールパシフィックのベルトを奪取した。
パワードライバー
滅多に出すことはなかったが、みなみの奥の手ともいえる必殺技。パワーボムをライガーボム風に開脚し、相手の体を引きつけて尻餅をつくように落とす場合、パワードライバーと呼ばれる場合もある。かなりのハイアングルから落とすため、受ける側のダメージは大きい。東京ドーム大会の対KAORU戦は圧巻であった。
風車式バックブリーカー
みなみの代名詞の一つといえる、序盤から中盤で主に見られた痛め技。相手を自らロープに飛ばすか、またはロープに飛んだ相手に対してカウンター気味に放つワンハンドに近いバックブリーカー(ビデオ解説では「ケプラドーラ・コン・ヒーロ」とも呼んでいた)。絶妙なタイミングと美しいフォームで、序盤にファンを湧かせる得意技。なお、ダブルアーム・スープレックスの態勢から移行するパターンでも頻繁に使っていた。
サザン・スープレックス
後方から相手の両腕を掴み、その両腕を左右に開きながらジャーマン・スープレックスを決める技。「THE MOMOTAROH」に登場するクロスライダー・スープレックスにおける相手の体の回転がないもの。
ダイビング・セントーン
メキシコ修行後に会得。パワーボムと並ぶフィニッシュ・ホールドで、トップロープから豪快に放たれる。1993年4月11日の夢のオールスター第2戦における、ハーレー斉藤戦でのそれは美しく、ゲスト解説を務めていた井上京子が絶賛していた。
だるま式ジャーマン・スープレックス・ホールド
相手の両腕ごと胴体を抱えこんで投げる。1990年代初期に多用した。1991年に豊田真奈美からオールパシフィック選手権を奪回した試合でのフィニッシュ・ホールド。通常のジャーマン・スープレックス・ホールドも、よく使っていた。
トップロープからのアバランシュ・ホールド
相手をニュートラル・コーナーにのせて、デッドリー・ドライブ的に体重をのせて叩きつける痛め技。身長が高いため威力は抜群であった。
トペ・スイシーダ
飛び技を多用するわけではないが、時折見せる場外へのトペは、飛距離、破壊力ともに十分であった。
ミサイル・キック
全女のポピュラーな技であるが、まさに模範的な美しいフォームで決めていた。海狼組としてはコーナーから北斗と同時に決めるのが定番であった。

タイトル歴

入場テーマ曲

  • What's New, Mr. Jolly Joker?(堀井勝美プロジェクト)
  • Moment of Passion(「完全版全日本女子プロレステーマ曲集」に収録)

関連項目