くろがね温泉

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くろがね温泉
源泉名岳温泉元湯2号泉
くろがね温泉湯船、湯桶に硫黄の湯の華が見える
温泉情報
所在地 福島県二本松市
座標 北緯37度37分56.4秒 東経140度17分35.2秒 / 北緯37.632333度 東経140.293111度 / 37.632333; 140.293111座標: 北緯37度37分56.4秒 東経140度17分35.2秒 / 北緯37.632333度 東経140.293111度 / 37.632333; 140.293111
交通 アクセスの項を参照
泉質 酸性泉
泉温(摂氏 66.7 °C
湧出量 測定不可能(自墳)引湯
pH 2.6
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くろがね温泉(くろがねおんせん)は、福島県二本松市(旧国陸奥国明治以降は岩代国)の長坂国有林内にある温泉。標高は1,700mに位置する山の温泉である。到達するためには登山道を行くしかない、登山者だけが行ける温泉である。

温泉名は安達太良山系の「鉄山(くろがねやま)」の中腹にある「くろがね小屋」に併設された温泉のため、自然発生的に「くろがね温泉」となった。

アクセス

くろがね温泉・くろがね小屋
後方は立入禁止の源泉地帯
  • 鉄道 : 東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本線二本松駅より福島交通バスで約25分の終点岳温泉バス停下車。そこからタクシーで15分または徒歩で約90分の奥岳温泉から登山道を徒歩で約2時間。なお、下りは奥岳温泉まで約90分。奥岳温泉から岳温泉までの区間は路線バスの運行が廃止になったので注意。
  • あだたらエクスプレス-安達太良山山頂-「峰の辻」-「くろがね小屋」約2時間
    • 登山道の難易度は少し増すが、塩沢温泉から徒歩で登り約2時間の登山道もある。塩沢温泉へは二本松駅より福島交通バスで約35分の終点塩沢温泉バス停下車。登山口まで路線バスが使えるのが利点。
    • 奥岳温泉からの登山道は比較的容易な登山道ではあるが、登山未経験者の訪問は注意を要する。また、積雪・残雪期の訪問は、積雪期登山経験者か経験者に引率された場合でない限り、当温泉の訪問は勧めることができない。

泉質

  • 単純酸性泉
    • 源泉温度66.7℃
    • 岳温泉・奥岳温泉の源泉であり、奥岳温泉からの登山道の脇には引湯用の樋が設置されている。
    • 小屋のすぐ奥の源泉地帯は、火山ガスの危険があるため1998年平成10年)以降立入禁止になっている。1997年(平成9年)に発生した死亡事故に伴う措置である。

温泉地

くろがね小屋の夕食

安達太良山系の鉄山の中腹に建つ山小屋の一軒宿「くろがね小屋」が存在する。温泉街は存在しない。

くろがね小屋

積雪の多い山域に立地するが通年営業する。自家発電の山小屋のため21時以降は消灯となる。消灯後は石油ランプが常夜灯となる。温泉宿ではなく山小屋なので部屋が相部屋である。夕食は歴代の管理人が引き継いだ、昼食時は仕込みのためメニューには出てこない地元や登山家に有名なカレーライスのみである。山小屋ではあるが宿泊するには基本的には予約が必要である。どこの山小屋でも同じで、避難小屋も兼ねてていて、天候の急変時などは予約無しでも宿泊できるが物資の都合上夕食等の手配が出来ない場合がある。

安達太良山登山の途中に宿泊する人、立ち寄り入浴する人が多い。源泉掛け流しの温泉である。

歴史

岳温泉跡地、湧出

山小屋の開業は1953年昭和28年)であるが、現在の山小屋の建物に改築されたのは1963年(昭和38年)である。開業当初から温泉を引湯していた。福島県の外郭団体、福島県観光開発公社の経営である。

くろがね小屋周辺では既に平安時代までには温泉が発見されていたといわれている。江戸時代には二本松藩主・丹羽氏によって一帯が温泉街として整備され、湯日温泉と呼ばれて大いに賑わい、番所や藩主の御殿も建てられたという。江戸時代中期になると湯女も許可され、歓楽温泉街として遠方からの来客も多かったという。しかし、1824年文政7年)、豪雨や台風の影響で鉄山の一角が崩壊し、その土石流が温泉街を直撃、湯元人や湯治客など63人が死亡する大惨事となり、温泉街は壊滅してしまった。現在立ち入り禁止となっているくろがね小屋-馬の背の登山ルート沿いの源泉地帯が湯日温泉街の中核部分で、現在も当時の名残が少なからず残っているという。温泉はその後、十文字、深堀を経て、1906年明治39年)に椚平の地に移転、これが現在の岳温泉である。

関連項目

外部リンク