「真の近現代史観」懸賞論文
「真の近現代史観」懸賞論文(しんのきんげんだいしかん けんしょうろんぶん)とは、都市開発・建設業を中心としたグループ企業であるアパグループが主催する近現代史観の論文に対する賞である。第1回は2008年に行われ、以来毎年10月に受賞者発表、12月に授賞式が行われる。
賞の概要
- アパグループの代表である元谷外志雄が、著作「報道されない近現代史」(アパグループの月刊「アップルタウン」に「藤誠志」の筆名で連載したもの、産経新聞出版刊)の出版を記念して歴史論文顕彰制度を創設し、第1回2008年5月から募集を始めた。
- 賞金総額は500万円で、最優秀藤誠志賞は300万円、優秀賞(一般部門、学生部門)は30万円、佳作10人に1万円であった。また優秀賞以上はアパホテルの宿泊券が副賞として贈られる。授賞式は東京の元赤坂にある明治記念館で12月8日に記者等には非公開で開催された。
- 最優秀賞を受賞したのは、いずれも後述のように保守論客では比較的著名な人物で、入賞するのも比較的主催者と歴史認識が近い書籍を出版したことがある人物も多く、また佳作の中には元谷の側近やアパの社員が含まれ、同一人物が複数回入賞したこともある。
- 毎回、佳作以上に選ばれた論文を一冊にまとめた「誇れる国、日本」としてアパホテルから発刊されている。
選考委員
第8回選考委員
- 元谷外志雄(主催者、アパグループ代表、小松基地(第6航空団)金沢友の会会長)
- 渡部昇一(審査委員長・上智大学名誉教授)
- 田母神俊雄(軍事評論家、元航空幕僚長)
- 小堀桂一郎(東京大学名誉教授)
- 小山常実(大月短期大学名誉教授)
- 原田義昭(自由民主党衆議院議員)
- 小松崎和夫(報知新聞社社長)
過去の選考委員
第1回のみ
- 中山泰秀(自由民主党衆議院議員(当時))ただし秘書の山本秀一が代理出席
第1回から第3回まで
第4回から第7回まで
- 第2回以後は中山が外れ(田母神論文問題#付随した問題参照)、入れ替わりに馳浩が加わる。
- 第4回以後は花岡が死去したため1回最優秀賞受賞者の田母神が加わる。
- 第8回以後は馳が文部科学大臣に就任したため入れ替わりに原田が加わる。
受賞者一覧
第一回最優秀藤誠志賞(2008年)
第一回最優秀藤誠志賞受賞者発表[1]による。
最優秀藤誠志賞 田母神俊雄 (航空幕僚長)
- 優秀賞(一般人)
- 落合道夫 (近現代史研究家)
- 佳作
- 岩田温 (「日本保守主義研究会」代表、拓殖大学客員研究員)応募論文
- 姜永根(株式会社淡海環境デザイン・代表取締役)応募論文
- 江崎京 (パートタイマー)
- 諸橋茂一(株式会社KBM代表取締役社長、小松基地金沢友の会事務局長、新しい歴史教科書をつくる会監事)応募論文
- 原子昭三(元弘前市市議会議員)
- 出野行男 (日本語教師)
- 木下雅敏 (アパ株式会社リスク管理室・室長)
- 志川久 (建設会社勤務)
- 三好誠 (不動産賃貸業)
- 渡辺映典 (大学生)
第二回最優秀藤誠志賞(2009年)
第二回最優秀藤誠志賞受賞者発表[2]による。
最優秀藤誠志賞 竹田恒泰(慶應義塾大学講師) 「天皇は本当に主権者から象徴に転落したのか?」
優秀賞(社会人部門)奥村光太郎(京都市立向島中学校社会科教諭) 「いわゆる『戦争犯罪人』の真実を探る」
優秀賞(学生部門)加藤利則(仙台市立広瀬中学校3年) 「語られなかった大東亜共栄圏」
佳 作
- 大谷雄一(奈良大学非常勤講師)
- 亀岡隆之(「慶應塾」主宰)
- 坂下実(コンサルタント)
- 重浪明こと永野聖(フリーライター)
- 清水馨八郎( 千葉大学名誉教授)
- 高津朝秀(久留米大学法科大学院生)
- 堤香彰(歴史研究家)
- 東尋坊堪山こと柴田正洋(思想家)
- 森嶋雄仁(近現代史研究家)
- 山下正仁(思想家)
第三回最優秀藤誠志賞(2010年)
第三回最優秀藤誠志賞受賞者発表[3]による。
最優秀藤誠志賞 佐波優子(キャスター、「祖父たちの戦争体験をお聞きする孫の会」代表) 「大東亜戦争を戦った全ての日本軍将兵の方々に感謝を」 ~9年間の遺骨収集を通じて感じたもの~
優秀賞(社会人部門)高田純 (札幌医科大学教授) 「広島平和公園の碑文は撤去すべし」
優秀賞(学生部門) 岩井秀一郎 (日本大学文理学部史学科4年) 「昭和の日本と共産主義」
佳作
- 青柳武彦 (国際大学GLOCOM客員教授)
- 有馬光正 (宅建業)
- 大倉富美男 (予備陸上自衛官陸士長)
- 芝田信一 (元公務員)
- 長田泰治 (自営業)
- 西木戸未來(フリーライター)
- 野中卓人 (エコノミスト)
- 細谷清 (専門学校非常勤講師)
- 森嶋雄仁 (近現代史研究家)
- 諸橋茂一 (株式会社KBM代表取締役社長)
第四回最優秀藤誠志賞(2011年)
第四回最優秀藤誠志賞受賞者発表[4]による。なお優秀賞とされた中松義郎の論文は、後に加筆したうえで「日本は負けていない-超経験者しか知らない大東亜戦争の史実」として文芸社から出版されている。
最優秀藤誠志賞 高田純(札幌医科大学教授)、「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった」
優秀賞(社会人部門)サー中松義郎博士 (セントルイス大学教授) 「日本は負けていない-超経験者しか知らない史実」
優秀賞(学生部門) 志村高洋 (中央大学法学部政治科4年) 「日本と台湾の「明日」を考える」
佳作
- 阿笠力 (国府学院大学大学院後期2年生)
- 有馬光正 (不動産業)
- 落合通夫 (東京近代史研究所代表)
- 塩澤修平 (慶應義塾大学経済学部教授)
- 豊田虎穴(本名:豊田拓男) (物流会社監査役)
- 豊田昌靖(元航海士)
- 中川暢三 (社団法人兵庫総合研究所理事長、前加西市長)
- 西木戸未來 (本名:錦戸永宗)(フリーライター、元大学教授、理学博士)
- 乗附久 (私立大学非常勤講師)
- 若狭和朋 (発言集団シューレ代表、元高校社会科教師)
第五回最優秀藤誠志賞(2012年)
第五回最優秀藤誠志賞受賞者発表[5]による。
最優秀藤誠志賞 一色正春(元海上保安官)、「中国の狙いは尖閣だけでない」
優秀賞(社会人部門)中村敏幸(元会社員・近現代史研究家)、「日米一五〇年戦争と日本再生の道標」
優秀賞(学生部門)タランガ・クマーラ(青山学院大学 法学部2年)、「外国人から見た日本の現状における問題」
佳作
- 井手匠(物流会社 監査役)
- 上田真弓(フリーライター)
- 大林敬史(アパグループ常務取締役 代表室長)
- 落合道夫(東京近代史研究所 代表)
- 鍛冶俊樹(軍事ジャーナリスト)
- 塩澤修平(慶應義塾大学経済学部教授)
- 瀬利太陽(田沼隆志の公設秘書)
- 田坂富代(静岡県下田市議会議員 副議長)
- 西木戸未來(本名 錦戸永宗)(フリーライター 元大学教員 理学博士)
- 三荻祥(全日本学生文化会議事務局長、「大学の使命」編集長)
第六回最優秀藤誠志賞(2013年)
第六回最優秀藤誠志賞受賞者発表[6]による。
最優秀藤誠志賞 松原仁(衆議院議員・元国務大臣[7])、「我らが日本!「三つの敗戦」から脱却して力強い国家を」
優秀賞(社会人部門)塩澤修平(慶應義塾大学経済学部教授)、「毅然として歴史観の発信を」
優秀賞(学生部門)山本みずき(慶應義塾大学 法学部1年)、「18歳の宣戦布告 国家観なき若者に告ぐ」
特別賞
- 西鋭夫 スタンフォード大学フーヴァー研究所教授
- 杉原誠四郎 新しい歴史教科書をつくる会会長
佳作
- 青柳武彦(国際大学客員教授・学術博士)
- 石井義哲(元空将補・アパグループリスク管理室長、次世代の党所属政治家)
- 伊藤祐靖(元2等海佐)
- 高橋富代(下田市議会議員)
- 高山秀幸(通訳官)
- サー中松義郎博士 (セントルイス大学教授)
- 西木戸未來(本名:錦戸永宗)(フリーライター 理学博士)
- 諸橋茂一(株式会社KBM代表取締役社長、教育を考える石川県民の会会長)
第七回最優秀藤誠志賞(2014年)
第七回最優秀藤誠志賞受賞者発表[8]による。
最優秀藤誠志賞 杉田水脈(衆議院議員 次世代の党 国対副委員長)、「慰安婦問題とその根底にある報道の異常性」
優秀賞(社会人部門)青柳武彦 (学術博士・国際大学グローコム客員教授) 「日本の最大の敵は日本人の自虐史観だ」~WGIPの呪縛から逃れよう~
優秀賞(学生部門)日置 沙耶香 (筑波大学大学院 人文社会科学研究科法学専攻 2年)「特攻・回天~真実の日本の歴史を発信する秋(とき)が来た~」
佳作
- 大野徳兵衛(本名:大野善也)(元日本海軍艦上爆撃機 パイロット)
- 落合道夫(東京近代研究所 代表)
- 騎士崚史朗(本名:髙山秀幸)(公的機関 上席通訳翻訳官 近現代史研究家)
- 草間洋一 (フリー・ライター&エディター 文明工学研究家)
- 久野潤 (大阪国際大学非常勤講師)
- 斎藤剛 (城西国際大学講師 近現代史研究家)
- 津田幸男 (筑波大学名誉教授 一般社団法人平和言語学研究所所長)
- 豊田昌靖 (元航海士)
- 中村敏幸 (近現代史研究家)
- 山下英次 (大阪市立大学名誉教授 経済学博士)
第八回最優秀藤誠志賞(2015年)
第八回最優秀藤誠志賞受賞者発表[9]による。
最優秀藤誠志賞 ケント・ギルバート(外国人タレント、外国法弁護士)「日本人の国民性が外交・国防に及ぼす悪影響について」
優秀賞(社会人部門)中村敏幸 (近現代史研究家) 「戦後七十年の今年を、日本を取り戻す 反転攻勢の節目の年にせよ ―保守言論人が果たすべき使命―」
優秀賞(学生部門)小野寺崇良 (立命館大学法学部2年)「至純の心に連なり現代を生きる」
佳作
- 青柳武彦(国際大学グローコム客員教授)
- 大石英樹(チャンネルajer歴史講座講師 「福住蟷螂」名で出演)
- 呉亮錫(ウェブメディア「ザ・ニュー・スタンダード」編集長)
- 杉田水脈(次世代の党所属政治家)
- 辻本貴一(元MYO社長、ライター 「中韓を知りすぎた男」ブログ主)
- 針原崇志(大東亜青年塾事務局長)
- 松木国俊(松木商事株式会社代表取締役、朝鮮問題研究家)
- 山口富士夫(早稲田大学名誉教授)
- 山下英次(大阪市立大学名誉教授)
- ロバート・D・エルドリッヂ(政治学者、世界平和研究所客員研究員、エルドリッヂ研究所代表)
第一回最優秀藤誠志賞をめぐる問題
脚注
- ^ 第一回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ 第二回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ 第三回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ 第四回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ 第五回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ 第六回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ 受賞時に肩書きは「民主党国会対策委員長」
- ^ 第七回最優秀藤誠志賞受賞者発表
- ^ これまでの表彰者および表彰式
外部リンク
- 最優藤誠志賞