WIN5

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WIN5(ウィンファイブ)とは、日本中央競馬会 (JRA) が発売する5重勝単勝式の勝馬投票券である。指定の5レースの1着をすべて当てるもので、100円あたりの払戻金の上限は6億円[注 1]2011年4月の開始から、インターネット投票のみで発売されている。

概要

WIN5は、2011年4月24日よりスタートした。対象となるレースは原則として「日曜日のメインレースのうち最も発走時刻の遅いものを起点に、時間をさかのぼった5レース」で、購入方法としては「完全セレクト」(対象競走をすべて購入者が予想、この購入方法に限りフォーメーション形式の購入が可能)、「一部セレクト」(各競走1頭ずつ最大4競走予想し、残りはコンピューターが無作為に採番)、「ランダム」(5競走すべてコンピューターが無作為に採番)の3種類が選べる[注 2]。発売単位は100円。前日の19時30分から(はくぼレース期間中は前日の20時から発売開始となる)、即PATA-PATではWIN5の最初のレースの発走時刻の10分前まで、JRAダイレクトでは同15分前まで購入できる。ただし、従来型携帯電話フィーチャーフォン)については、JRAダイレクトを利用しての投票はネット上のクレジットカード決済を行うための「3Dセキュア」に対応していないため、当面の間利用できない(即PAT・A-PATは利用可)[1]

WIN5では指定された5レースの1着馬を全て当てることが求められる。つまり1レースでも予想が外れると、その投票は外れになる。ただし予想した馬が出走取り消しや競走除外などになった場合には、その馬が含まれる組み合わせはほかのレースが的中か否かのいずれであっても返還の扱いとなる(競馬の開催ができなくなり対象競走が1競走でも施行できなくなった場合も同様[注 3])。的中票が1票もなかったり、払戻金が上限の2億円を上回った場合はキャリーオーバーが発生する[2]。なお成績表では「対象競走最後の競走」が行われた競馬場の所で発売票数・的中票数・払戻金が記載される(開催最終日に表記される総計も「対象競走最後の競走」が行われた日のみで集計される[3])。

対象レースでの1着馬が同着の場合、各組み合わせに等分した後、それぞれの投票口数に応じて配当が支払われる。2012年12月9日のWIN5では4レース目の尾張ステークスで1着同着が発生し、2通りが的中となり、それぞれ1票と20票が投票されたが、1票の組み合わせの配当が2億円、20票の組み合わせの配当が1504万6990円(キャリーオーバー1億93万8320円)と配当が分かれた。

2011年6月26日に初めて払戻金の上限2億円を記録した(8-4-11-1-6番人気、3票的中、次回キャリーオーバー:4億6718万8320円)[4]。しかし、翌週の7月3日はキャリーオーバーの影響もあり売り上げが過去最高の22億6300万3500円を記録するも、上位人気馬が概ね順当に勝利したこともあって払戻金は当時の過去最低の1万9680円であった(2-2-1-1-2番人気、10万8638票的中)。

2011年9月4日に初の的中票なしとなった(3-11-10-2-4番人気)。売上げ11億5556万7400円の内、次回キャリーオーバーが8億5280万8741円となった。

2011年10月10日の東京競馬で初めて日曜日以外にWIN5を実施した(同日は東日本大震災による開催日程変更で急遽設定された代替開催日)。また前日の日曜日(10月9日)にもWIN5を実施したためWIN5の2日連続実施も初めてとなった。

2012年1月5日に休日開催以外では初めて実施した。同様のケースには2013年1月5日(土曜開催で初の実施)と同年9月17日(前日の台風の影響による中山・阪神両競馬場の代替開催日[5])がある。

2012年9月30日分は「WIN5」導入後初めて発売自体が取りやめとなった。これは阪神競馬場が台風による影響で安全な競馬レースの施行に支障をきたすため中止となったことによるもので[6]、前日の夜間発売の段階から発売は見合わせられていた[7]10月1日の代替競馬への順延もしなかった。このように、WIN5対象の競走が行われる競馬場のうち1つでも中止・順延が発生した場合は代替は原則として行わないことにしているが、2013年9月16日は台風により中山・阪神とも開催中止となり、次の9月17日に行われた代替開催では16日に予定されたスケジュールと同じ内容で発売されている[5]

2012年10月21日分は払戻金7320円で導入後初めて1万円を割った。

スタート以来、100円に対する払戻の上限は2億円とされていたが、2014年6月7日から6億円に引き上げられた[8][注 4]

2015年9月13日分で導入後初めて払戻金が3億円を突破した[9]

日程の例

  • 2011年4月24日の場合は、皐月賞(東京競馬場第11競走)がメイン競走としては一番遅い時間の発走であり、これを基点として逆算した5つの競走が対象となる。
  1. 14:50 京都競馬場第10競走(橘ステークス)
  2. 15:00 東京競馬場第10競走(メトロポリタンステークス)
  3. 15:20 新潟競馬場第11競走(魚沼ステークス 以下メイン競走)
  4. 15:30 京都競馬場第11競走(アンタレスステークス<GIII>)
  5. 15:40 東京競馬場第11競走(皐月賞<GI>)
  • 2場のみの開催の場合は、第9競走が最初の対象競走となるため、上記のような3場開催の場合と比べて締め切り時間が早くなる。以下に、2011年9月18日の場合を示す。
  1. 14:35 中山競馬場第9競走(初風特別)
  2. 15:00 阪神競馬場第10競走(夙川特別)
  3. 15:10 中山競馬場第10競走(内房ステークス)
  4. 15:35 阪神競馬場第11競走(ローズステークス<GII> 以下メイン競走)
  5. 15:45 中山競馬場第11競走(セントライト記念<GII>)
  • 基本的には開催場のメイン競走は指定競走に入るようになっているが、例外もある。ジャパンカップ<GI>施行日と有馬記念<GI>施行日は当該GI競走が起点となり、他の場で施行されるメイン競走は対象とならない[注 5]。これは、当日のGI開催場が場内混雑緩和のため、通常より1レース少ない11レース立てであることと、11-12月の関東開催のGIが日没時間を考慮して繰上げになっていることを踏まえてのものである。また、2012年12月の「中山・中京・阪神」の3場で行った日には、このケースを踏まえ、本来中山と阪神の間に割り込む中京の第10競走が対象とならなかった場合もある。以下に、2011年のジャパンカップ施行日(11月27日)の例を示す。
  1. 14:25 京都競馬場第9競走(白菊賞)
  2. 14:40 東京競馬場第9競走(アプローズ賞)
  3. 14:50 小倉競馬場第10競走(九十九島特別)
  4. 15:00 京都競馬場第10競走(北國新聞杯)
  5. 15:20 東京競馬場第10競走(ジャパンカップ これのみがメイン競走
  • 2011年10月10日と2012年11月25日(ジャパンカップ施行日)・12月24日は当日の最終競走も対象となっている。以下に、2012年12月24日(の対象競走)を示す。
  1. 15:05 阪神競馬場第10競走(リボン賞)
  2. 15:25 中山競馬場第11競走(2012フェアウェルステークス メイン競走)
  3. 15:45 阪神競馬場第11競走(阪神カップ<GII> メイン競走)
  4. 16:00 中山競馬場最終競走(ハッピーエンドカップ)
  5. 16:20 阪神競馬場最終競走(2012ファイナルステークス 当年の中央競馬最終競走)

払戻金記録

上限額
2億円
開催日 勝馬の人気 発売票数 的中票数 次回へのキャリーオーバー金額 備考
2011年6月26日 8-4-11-1-6番人気 1446万546票 3票 4億6718万8320円
2012年11月25日 18-3-6-5-3番人気 880万3017票 2票 2億4966万2660円
2012年12月9日 9-4-4-9-5番人気 815万5529票 1票 1億93万8320円 [注 6]
2013年10月6日 4-6-6-11-4番人気 783万5478票 3億7825万8280円
2014年3月2日 11-2-14-2-2番人気 624万5644票 2億6092万8530円
2014年3月21日 2-8-6-3-3番人気 415万2804票 1億647万6940円
高額記録(上限額を除く)
上限2億円
順位 開催日 払戻金 勝馬の人気 発売票数 的中票数 備考
1
2012年3月18日 1億9837万2040円 5-2-12-3-3番人気 1075万1872票 4票
2
2014年6月1日 1億8249万3460円 4-15-4-1-3番人気 741万8433票 3票
3
2011年10月30日 1億6213万1980円 3-4-12-1-7番人気 1098万4551票 5票
上限6億円
順位 開催日 払戻金 勝馬の人気 発売票数 的中票数 備考
1
2015年9月13日 3億9566万3730円 4-10-3-10-13番人気 567万7049票 1票
2
2014年10月12日 2億3253万1180円 7-1-1-13-8番人気 664万3748票 2票
3
2015年6月14日 2億2885万6070円 3-11-9-8-2番人気 653万8745票
低額記録
順位 開催日 払戻金 勝馬の人気 発売票数 的中票数 備考
1
2012年10月21日 7320円 2-1-1-1-1番人気 871万2508票 8万7953票
2
2015年11月1日 1万260円 1-1-1-1-1番人気 640万6292票 4万3675票 1番人気馬が全て勝った初のケース[10]
3
2011年11月6日 1万3720円 1-1-1-3-1番人気 1005万6618票 5万3509票
的中なし
開催日 勝馬の人気 発売票数 次回へのキャリーオーバー金額 備考
2011年9月4日 3-11-10-2-4番人気 1155万5674票 8億5280万8741円
2013年5月5日 5-9-6-6-10番人気 726万4638票 5億3613万284円
2014年9月7日 11-7-1-15-1番人気 650万1893票 4億4493万9530円 上限額引き上げ後初
2014年11月23日 4-11-16-10-8番人気 588万452票 4億1163万1640円 [注 7]

東日本大震災の被災地支援

2011年3月の東日本大震災発生に伴い、同年6月までの間WIN5の売上から払戻金・国庫納付金を除いた金額を被災地支援金として拠出する[11]

CM

2011年のCMでは、映画『ステキな金縛り』とのコラボレーションで深津絵里(女優)、三谷幸喜(映画監督)が出演。第1弾は役柄多すぎ編、第2弾はセット小さすぎ編となった。

脚注

注釈

  1. ^ 2011年4月24日の開始から2014年6月1日までは2億円。
  2. ^ 払戻金については3つの購入方の票数すべてを合算するため、どの方法で購入しても払戻金は同一となる。
  3. ^ ただし、前日の予報により、台風や豪雪などの予報が予想される場合には前日発売夜間発売をしない場合があり、その場合はWIN5の夜間前売り発売(前日発売は行わない)も実施しない場合がある。
  4. ^ 一方で、払戻率は73.8%から70.0%に引き下げられている[8]。したがって、同じ票数が売れ同じ票数が的中した場合の払戻金額は、以前より低くなる。例えば1億円の売り上げがあり1票が的中であった場合、2014年6月1日までは払戻金は7380万円であったが、現在は7000万円となっている。
  5. ^ 2011年11月27日なら小倉のメイン「雲仙特別」と京都のメイン「太秦ステークス」は対象外。
  6. ^ 1着同着の競走(4レース目の中京11R)があったため、別に1504万6990円×20票の払戻がある。
  7. ^ 翌日開催へのキャリーオーバー。

出典

  1. ^ WIN5 | WIN5を知ろう!(日本中央競馬会)
  2. ^ WIN5 | 払戻金・キャリーオーバー(日本中央競馬会)
  3. ^ 例・JRA公式サイトの2011年12月25日・5回中山8日の成績表(PDFファイル)
    5ページ目の有馬記念の成績表でWIN5の発売票数などが、7ページ目の勝馬投票券売得金の欄で5重勝(=WIN5)の発売金額が記載されている。
  4. ^ 今週のWIN5は初の2億円&キャリーオーバー発生! - JRA・2011年6月26日
  5. ^ a b 代替競馬開催に伴う発売と払戻2013年9月16日 JRAリリース 9月17日閲覧)
  6. ^ 【緊急】本日の阪神競馬開催は中止となりました2012年9月30日 JRAリリース 同日閲覧)
  7. ^ 【!】「阪神競馬開催分」および「WIN5」の夜間発売を取りやめ(2012年9月29日 JRAリリース 9月30日閲覧)
  8. ^ a b 今週からJRAの払戻率が変更、WIN5の上限は6億円に(netkeiba.com 2014年6月6日 6月8日閲覧)
  9. ^ WIN5史上最高払戻金を更新! 3億円超え!(2015年9月13日 JRAリリース 同日閲覧)
  10. ^ WIN5は1万260円 史上2番目の少額、全て1番人気勝つ - スポニチアネックス(2015年11月1日)※2015年11月2日閲覧
  11. ^ 「WIN5」を通じた東日本大震災被災地支援について - JRA・2011年4月12日

関連項目

外部リンク