落とし穴
落とし穴(おとしあな)とは、罠の一種である。陥穽(かんせい)ともいう。穴を掘りそれを隠蔽することにより、穴の上を通ろうとする人や獣を落とそうとするもの。適当な大きさの穴を掘った後に残った土を取り除き、ある一定以上の重量がかかると、簡単に折れてしまうような木の枝を組合わせて穴の上に被せ、景色との違和感がないように草や葉をその上にばら撒いて隠蔽するというものが基本である。狩猟や戦争、遊び、いたずらなどに用いられる。
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[編集] 各種の落とし穴
[編集] Tピット
縄文時代早期から晩期頃には獣や小動物を捕まえるために落とし穴(陥し穴)[1]がさかんに掘られていた。非常に深く溝状に掘られたり、逆茂木を穴の底に立てたりして、獲物が動けないように工夫したものが多い。それぞれ、まとまって複数並んで列をなすことが多く、このことは集団でシカやイノシシを追い込んで穴に落とし、捕獲したことをあらわすものと考えられる。概して遺物をともなわないケースが多い。このような大がかりな狩猟、しかも待ち伏せ狩猟が行われたことは、早期以降の縄文時代が本格的な定住生活の行われた時代であったことを傍証している。これらの落とし穴は、考古学においてはTピット、すなわちtrapとしてのピットと呼ばれる。
[編集] ブービートラップ
戦場でのブービートラップとしても使用される。例えば、ベトナム戦争においては南ベトナム解放民族戦線がゲリラ戦法の一つとして行っていた。穴を掘った後に草葉などで覆うのは同様であるが、罠にかかったアメリカ兵を殺すべく穴底に木の枝や竹などの尖った部分を上にして備え付けてあった[2]。
[編集] 昆虫採集
昆虫採集の方法として、虫を捕まえるためのトラップを仕掛ける場合があるが、その代表的な方法に、紙コップなどを地面に埋めた落とし穴式のものがあり、ピットフォールトラップと呼ばれる。
[編集] 生物の用いる落とし穴
食虫植物には、ウツボカズラやサラセニアなど、葉につぼや筒状の穴を作り、そこに落ち込んできた虫を消化するものがあり、そのような方法を落とし穴式と呼んでいる。虫を集めるように入り口に蜜がでたり、虫が落ちやすいように入り口に逆棘があったり滑りやすくなっていたりと人工のそれにも似た仕組みをもつ。
また、ラン科やウマノスズクサ科の花にはやはり落とし穴のような仕組みがある例がある。これはやって来た虫をとじ込め、脱出時に花粉媒介や受粉を行なわせるようになっているものである。
昆虫では、いわゆるアリジゴクの巣がこれに近い。
[編集] 日本語における落とし穴
物理的な存在ではない「落とし穴」もある。例えば、ある者が別の者を陥れる策略の比喩として使われる。また、「陥穽」と言う時は特に、何かが致命的な欠点を持っていることや、あるいはその欠点から重大な問題が発生することの指摘が行われる場合が多い。
また、単に「盲点」という意味で使われることもある。
- (例)中国語と日本語では全く同じ漢字を使っても意味が全然違う単語がある。これが中国語を学習するうえでひとつの「落とし穴」になっている。
[編集] 落とし穴による事故
- 2011年8月27日、午後10時ごろ(日本時間)、石川県かほく市大崎の大崎海岸の砂浜の海岸で23歳の会社員とその妻が、深さ約2.5m、2.4m四方の落とし穴に転落、2人とも死亡した。死因は窒息死。石川県警の調べにより、落とし穴は妻が翌月誕生日を迎える夫を驚かせようと友人らとスコップで掘ったものであった。妻は夫を海岸へ案内したが、暗かったため誤って2人で転落したと見られている。救出には約2時間を要している[3]。
[編集] 脚注
- ^ 考古学では慣例上「落とし穴」を「陥し穴」と書くことが多い。
- ^ これが逆茂木(さかもぎ)である。逆茂木はバリケードを構築する際にもよく用いられる。
- ^ 落とし穴転落死 近くに友人ら 救出までに2時間(毎日jp)[リンク切れ]