イバラード
イバラード(Iblard)は、画家井上直久が描く絵画や漫画の舞台となる架空の国家。
名前の由来は自らの居住地である大阪府茨木市であり、宮沢賢治のイーハトーブ(モデルは岩手県)に倣っている。西はスイテリアという国(モデルは吹田市)と、東はタカツングという国(モデルは高槻市)と接する。
魔法の存在する世界であり、人々はシンセスタという思念に反応する鉱物等を用い、ソルマ(虚像)という技法によって自分の思い浮かべたものを表現する。空にはラピュタと呼ばれる浮島や小惑星が無数に浮かび、街の建造物は植物に覆われている。この世界の公共交通機関は車輪のない宙に浮く高速鉄道「ジーマ」や市電である。空間や重力、ものの見え方や感じ方なども一定ではなく、可変的なものとして描写される。住民は人間をはじめ、外見はモグラやカエルやトカゲにしか見えない者や、培養人間、龍、森の人(J・R・R・トールキンの作品に登場するエントにちなむ)など多種多様であり、コウイカや恐竜・爬虫類、小惑星などとも意思の疎通がなされる。「めげゾウ」のような特徴的な存在もいる。
土地としてのイバラードは野原の国で、住民は多かれ少なかれ魔法使い(他者と思念を共鳴させてソルマを出現させられる者)である。スイテリアはエルフめいた人々の住むバイオとハイテクの国、タカツングはラピュタとレアメタルの国という。
井上が背景画を提供したスタジオジブリ製作のアニメ映画『耳をすませば』の挿話「バロンのくれた物語」、および三鷹の森ジブリ美術館の短編作品『星をかった日』(井上の同名の絵本が原案)の舞台にもなっている。三鷹の森ジブリ美術館の館内には「上昇気流II」が壁画として描かれている他、『耳をすませば』の場面の元になった「上昇気流」は宮崎駿が所有している。
関連書籍
[編集]- イバラードの旅 (講談社、1983年) ISBN 4-06-127299-3 絵本、講談社絵本新人賞受賞
- イバラード博物誌 (架空社、1994年) ISBN 4-906268-58-7 画集
- イバラード物語 ラピュタのある風景 (青心社、1995年) ISBN 4-906268-58-7 漫画
- 空の庭、星の海 イバラード博物誌 2 (架空社、1997年)ISBN 9784877522001
- ジパングの岸辺 イバラード博物誌 3 (架空社、1999年)ISBN 4-87752-120-8
- 世界はあなたのコレクション (架空社 2001年)ISBN 9784877522049 大判画集
- ここが、その街 イバラード博物誌 4 (架空社、2003年)ISBN 4-87752-205-0
- 星をかった日 (架空社、2006年)ISBN 4-87752-139-9 絵本
- 水わく丘 イバラード博物誌 5 (架空社、2008年)ISBN 4-87752-208-5
関連ソフト
[編集]- イバラード 〜ラピュタの孵る街〜(システムサコム/テレビ朝日)- プレイステーション専用ゲームソフト
- Visions of IBLARD(ソルマプレス)- CD-ROM画集、音楽を都留教博が提供
- イバラード時間(ジブリがいっぱいCOLLECTION/ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)- CG処理・アニメーション化による映像画集
外部リンク
[編集]- イバラード / 井上直久の世界 - オフィシャルサイト
- イバラードショッピファイ支店 - ウェブストア
- イバラード大辞典 (Iblard dictionary) - ファンサイト(ウェイバックマシン 2001年1月21日アーカイブ)