H&K P9S

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H&K P9S
HK P9S PDRM.jpg
H&K P9Sと弾倉
概要
種類 自動式拳銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ
設計・製造 ヘッケラー&コッホ
性能
口径 各種有り
銃身長 102mm
ライフリング ポリゴナルライフリング 
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾、45ACP弾、7.65x21mm弾
装弾数 9+1発(9mm)
7+1発(45ACP)
作動方式 ダブルアクション
ディレイドローラーロッキング方式
全長 192mm
重量 950g
発射速度  

H&K P9Sは、ドイツの銃器メーカーであるヘッケラー&コッホ社(Heckler & Koch GmbH)が1970年に開発した、同社の9x19mmパラベラム弾を使用する拳銃である。SIG SAUER P220とほぼ同時期に登場、戦後に登場した新世代のダブルアクション方式の自動式拳銃としては先駆け的な存在であり、1970年から1978年まで発売されていた。現在ギリシアでEP9Sという名でライセンス製造されているようである。

概要[編集]

H&K P9Sは、ドイツの銃器メーカーであるヘッケラー&コッホ社が1960年代に同社初の9x19mmパラベラム弾を使用する拳銃として開発したH&K P9を改良したモデルである。しかし、ダブルアクションのP9Sに対して本家のP9はメカニズムがシングルアクションだったらしく、同年代に生産が終了(少なくとも1970年より前に生産が縮小)したため、P9の存在を知る者は少ない。

特徴[編集]

特徴は、フレームの先端からトリガーガード、グリップフレーム前部はポリマーで出来ている。(正確に言えば)H&K P9がグリップ以外の場所に(部分的ではあるが)プラスチックを使用する最初の銃となる。

次に、銃身のライフリングにポリゴナル・ライフリングと呼ばれる方式を採用した事である。ポリゴナル・ライフリングの銃身は、断面で見ると穴が角の丸い六角形をしておりライフリングが彫られていない構造となっている。

作動方式として拳銃では珍しい「ローラーロッキング方式」を採用したことが挙げられる。ローラーロッキング方式はヘッケラー&コッホ社のG3ライフルや、MP5サブマシンガンに用いられている作動方式であり、射撃時の反動が少なく、連射でも高い命中精度を保つことができる。反面、他の方式に比べて機構が複雑で故障の原因になりやすいという欠点もあり、拳銃で採用している例としては他にCz52があるだけである。

またダブルアクション方式の自動式拳銃は、ダブルアクション射撃の際、引き金の引き(トリガープル)が重いという欠点がある。P9Sでは複雑な発射構造を採用することでこの欠点を解決し、ダブルアクション射撃は他に例のない滑らかで軽いトリガープルを実現している。

銃把(グリップ)の引き金直後の位置に押し下げるタイプのレバーが付いているが、これは外観、位置的に酷似しているSIG SAUER P220のレバーとは異なり、撃鉄を起こす(コックする)ための「コッキングレバー」となっている。このレバーはP9Sの撃鉄が内蔵式であり、直接手では撃鉄を起こせないために装備されている。 一方、P220のレバーは、起きた状態の撃鉄を安全に(弾を発射させずに)降ろす「デコッキングレバー」である。

なお、P9Sの試作1型は撃鉄が露出しており、コッキングレバーの代わりにスライドを固定するストップレバーと、フルオート機構を備えていた[1]

P9Sはスライド上に安全装置を備えているが、これは撃針をロックするだけのもので、撃鉄を降ろす機能はない。そのため、撃鉄を降ろす際には、安全装置を掛けた状態で引き金を引かなければならない。また撃鉄が内蔵式であるために、指で撃鉄を押さえたまま引き金を引き、ゆっくりと撃鉄を降ろすという手段も使えない。

P9Sの構造は、他の自動式拳銃と比べても際だって複雑で部品点数も多い。内部はシートメタル製の部品が複雑に絡み合い、精密な機械時計を思わせる。しかしこれは兵器としてはあまりに複雑すぎ、よほどの知識と工具がない限りは日常分解以上のことは難しくなってしまっている。

しかも、H&K VP70史上初のポリマーフレームとして設計されたことによるインパクトが強かったことやグロック17が成功を収めこの銃のほうが有名になったこと、それ以降に登場した銃の設計はポリマーフレームの採用に焦点があてられるようになったため、プラスチックを設計に取り入れただけとも言える本銃の知名度は低い。

P9Sは、西ドイツ警察の一部に採用されたが、1976年に、西ドイツ警察がより新世代の自動式拳銃であるP5P6P7を採用したため、広くは使用されなかったが、特殊部隊の装備として、GSG-9(国境警備隊第9部隊)が長く使用していた他、警視庁特殊部隊(当時の部隊名称は特科中隊もしくはSAP、現在のSAT)の基幹拳銃であったとされている[2]。また、アメリカ海軍SEALSに採用されていた事が確認されている。

バリエーション[編集]

  • P9-P10
スライドの安全装置が省略され、デコッキング機能を備えたもの
  • P9K 
45ACP弾を用いる仕様が存在する

またP9Sには、3連射機能を備えたものが存在する。

脚注[編集]

  1. ^ Manfred Kersten,Walter Schmid 共著「HECKLER & KOCH」p47.p49に記載
  2. ^ 「警視庁・特殊部隊の真実」著者 伊藤鋼一 大日本絵画

関連項目[編集]

外部リンク[編集]